エンジニア採用における面接の負担は年々大きくなっています。技術力を正しく評価するには専門知識が必要ですが、現場エンジニアを面接に割くリソースにも限界がある。かといって、人事担当者だけでは見極めの精度に課題が残る。

こうした背景から、選考プロセスの一部をAIに任せる「AI面接」の導入が進みつつあります。

本記事では、海外の最新研究や実際の導入事例をもとに、AI面接がエンジニア採用においてどの程度有効なのか、その仕組みや注意点を解説します。

「AI面接」で面接の工数を大幅に削減

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採用のプロのノウハウを学習したAIが、候補者の回答を深掘りし、客観的に評価。面接の質を担保しながら工数削減を実現。

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エンジニア採用の面接における課題とは

AI面接の話に入る前に、エンジニア採用の面接が他の職種と比べてなぜ難しいのか、国内の調査データをもとに解説します。

求人倍率の高く、そもそも「会えない」

エンジニアの採用市場は、他の職種と比べて売り手市場が続いています。LAPRAS株式会社の調査によると、2025年時点で「転職活動中」または「情報収集中」と回答したエンジニアは全体の約23%にのぼり、過去5年間で最も高い水準でした。

ただし、転職市場に出てくるエンジニアが増えても、優秀な人材には複数社からアプローチが集中するため、選考スピードが遅い企業は候補者を確保しにくい状況が続いています。

参考:すごい人事「【2025年最新版】IT業界におけるエンジニア採用課題の解決策7選

技術評価に「専門家」が必要

エンジニア面接では、使用言語の知識だけでなく、設計思想、アーキテクチャの選定理由、障害対応の経験、コードレビューの姿勢など、技術的な深堀りが求められます。これを正しく評価できるのは、同じ技術領域の実務経験を持つエンジニアに限られます。

結果として、現場のエンジニアが開発を中断して面接に駆り出される事態が常態化しています。書類確認、面接本番、評価フィードバックまで含めると1回あたり1〜2時間を必要とし、これが積み重なると、プロダクト開発の大きなボトルネックになります。

面接官ごとの評価のバラつき:「面接官ガチャ」問題

たとえ技術者が面接官を務めても、評価基準は人によって異なります。ある面接官はフレームワークの深い知識を重視し、別の面接官はチーム開発の経験を重視するケースもあるでしょう。

口下手だが技術力の高い候補者が、コミュニケーション重視の面接官に低評価をつけられるケースもあります。

この「面接官ガチャ」は、本来採用すべき人材の見落としや、ミスマッチ人材の通過を引き起こす構造的な問題です。

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AI面接はエンジニアの評価に使えるのか

ここからは、AI面接がエンジニア採用の一次スクリーニングとしてどの程度機能するのか、海外の研究・事例をもとに見ていきます。

【学術研究】シカゴ大学の大規模実験:7万人を対象にしたランダム化比較試験

2025年、シカゴ大学ブース・スクール・オブ・ビジネスの研究者Brian Jabarian氏らが、AI面接に関する大規模な研究結果を発表しました。

この研究は、PSG Global Solutions(Teleperformance子会社)と共同で行われたランダム化比較試験(RCT)で、約7万人の求職者を「AI音声エージェントが面接」「人間のリクルーターが面接」「どちらかを選択」の3群にランダムに振り分けました。いずれのケースでも、最終的な採用判断は人間のリクルーターが行っています。

結果として、AI面接を受けた候補者は、人間に面接された候補者と比較して、内定率が約12%高く、実際に入社する確率も約18%高く、入社後30日以上定着する確率も約17%高いという数値が出ています。

この改善の背景として、研究チームはAIの「構造化された一貫性」を挙げています。AIは候補者ごとに質問の質を変えることなく、かつ個々の回答に応じた柔軟な深掘りも行っており、人間のリクルーターよりも多くの採用判断に有用な情報を引き出していたことが明らかになっています。

なお、この研究の対象はカスタマーサービス職でしたが、研究チームは「AIの一貫した情報収集能力は、他の職種にも応用可能」としています。

参考:
Brian Jabarian, Luca Henkel「Voice AI in Firms: A Natural Field Experiment on Automated Job Interviews」(SSRN, 2025)

Chicago Booth Center for Applied AI「AI on the Job: How Agents are Changing the Way We Hire

【エンジニア特化事例】micro1の実験:3.7万人の開発者を対象にしたRCT

エンジニア採用に特化した事例として、米国のAI採用プラットフォーム「micro1」が発表した研究があります。

この実験では、LinkedInに掲載されたジュニアフロントエンドエンジニアの求人に対して、約3万7,000人の応募がありました。応募者はランダムに2群に分けられ、一方はAIインタビュアー(Zara)による対話型面接を経て最終面接に進み、もう一方は従来のレジュメスコアリングだけで選抜されました。最終面接は人間が行い、面接官はどちらのルートから来た候補者かを知らされていません。

結果として、AI面接を経由した候補者の最終面接通過率は54%だったのに対し、従来の書類選考のみの候補者は34%でした。AIによるスクリーニングを挟むことで、最終面接における通過率が20ポイント向上しています。

また、AI面接を受けた候補者のうち21%が、レジュメには記載していたスキル(React、JavaScript、CSSのいずれか)を実際には保有していないことが対話の中で判明しました。書類だけでは把握しにくい「技術力の実態」を、AIとの対話で確認できた形です。

この実験を受け、研究チームは「LLMベースの対話型アセスメントは、既存の候補者プールを単に並べ替えるのではなく、真の実力を持つ人材を浮かび上がらせる」と結論づけています。

参考:
micro1「Better Together: Quantifying the Benefits of AI-Assisted Recruitment
VentureBeat「How micro1’s AI interviewer could make tech hiring more efficient and fair

【企業導入事例】Deel:AI面接で面接通過率が5倍に

グローバルHRプラットフォームのDeel社(評価額120億ドル超)も、AI面接をエンジニア採用に活用した企業の一つです。

Deel社は以前、候補者に技術的な事前課題(テイクホームテスト)を課していましたが、候補者の約85%がAIツールを使って課題を作成していたことが判明し、テストの信頼性に課題を抱えていました。

そこでmicro1のAI面接を導入したところ、人間の面接官による最終面接の通過率が従来の約10%から約50%に改善。AI面接がフィルターとして機能し、面接すべき候補者の絞り込み精度が上がった結果です。採用コストは80%以上削減されたと報告されています。

参考:
micro1「Case study – Deel

TIME「How AI Is Being Used in Job Interviews

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AIはエンジニアの何を、どうやって評価しているのか

ここまでの事例で、AI面接がエンジニア採用のスクリーニングとして一定の成果を出していることが確認できました。ここからは、AIが具体的にどのような仕組みでエンジニアを評価しているのかを整理します。

対話型の技術スキル検証

最新のAI面接では、LLM(大規模言語モデル)を活用した対話型の面接が主流です。単にキーワードを検出するのではなく、候補者の回答内容をリアルタイムで理解し、その内容に基づいた追加質問を生成します。

たとえば、候補者が「マイクロサービスアーキテクチャの導入経験がある」と述べた場合、AIは「サービス間通信で直面した課題は?」「データ整合性をどう担保しましたか?」といった深掘り質問を投げかけます。この過程で、キーワードを知っているだけなのか、実際に手を動かした経験があるのかを見分けます。

micro1の事例では、AIインタビュアーが最大40分間の対話を行い、各技術スキル(React、JavaScript、CSSなど)のレベルを「ジュニア」「ミドル」「シニア」の段階で評価するレポートを自動生成しています。

ライブコーディングとの組み合わせ

AI面接の中には、対話だけでなくリアルタイムのコーディングテストを組み合わせるサービスも登場しています。HireVue社のCodeVueや、micro1のプラットフォームでは、候補者がAIと対話しながら実際にコードを書く場面を評価できます。

これにより、「話は上手だがコードが書けない」候補者をスクリーニング段階で検出できるようになりました。さらに、不正検出(タブ切り替え、外部ツールの使用など)の機能も備えており、AI時代の「カンニング問題」にも対応しています。

参考:HireVue「Optimize Coding Assessments: Key Evaluation Criteria

ソフトスキルの定量評価

技術力だけでは、チームで成果を出せるエンジニアかどうかは分かりません。最新のAI面接は、コミュニケーション能力や問題解決のアプローチ、論理的思考力といったソフトスキルも評価対象に含めています。

HireVue社の最高科学責任者Mike Hudy氏は、同社のAI評価システムについて「回答の内容のみをスコアリングの対象としており、構造化されたルーブリック(評価基準表)によって、すべての候補者を一貫した基準で評価する」と説明しています。

参考:GeneMarks.com「How HireVue Uses AI To Help Employers Evaluate The Skills Of A Potential Candidate

日本のNALYSYS(ナリシス)のAI面接も、この「プロの知見に基づく構造化評価」を実現しているサービスの一つです。年間600名以上の採用実績を持つレバレジーズグループの実践データを学習しており、「優秀な面接官が何を聞き、どう評価するか」という暗黙知をアルゴリズム化しています。

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AI面接サービスを選ぶ際の注意点

AI面接の導入を検討する際、サービス選びで押さえておくべきポイントがあります。海外の事例や研究から見えてきたチェックポイントを整理します。

注意点①:「録画型」と「対話型」は別物

AI面接には大きく2つのタイプがあります。画面に表示された質問に候補者が一方的に回答する「録画型」と、AIがリアルタイムで対話する「対話型」です。

エンジニアの技術力を見極める目的であれば、対話型のほうが適しています。録画型では候補者が事前に用意した回答を読み上げるだけでも高評価になり得ますが、対話型ではAIが回答内容に応じて追加質問を生成するため、表面的な知識と実務経験の違いを検出しやすくなります。micro1の実験でレジュメの誇張を21%検出できたのも、対話型だからこそです。

注意点②:評価の根拠となるデータの質を確認する

AIの評価精度は、学習に使用されたデータの質に大きく左右されます。一般的な心理学モデルだけでなく、実際の採用現場のデータや、その職種で成果を出した人材の特徴が反映されているかどうかが確認ポイントです。

シカゴ大学のJabarian氏も研究の中で、AIの効果を検証する際に「ベンダーの事例だけに頼らず、ランダム化テストで実際の効果を確認すべき」と強調しています。導入前に無料トライアルやパイロット運用で自社の採用基準との整合性を検証するのが望ましいでしょう。

注意点③:最終判断は人間が行う前提で設計する

海外の成功事例に共通するのは、AI面接を「スクリーニング」に限定し、最終的な採用判断は人間が行っているという点です。

シカゴ大学の実験でも、AI面接後の評価・採否判定はすべて人間のリクルーターが担当していました。HireVue社も「AIは推薦を行うが、最終決定は常に人間が行う」ことを顧客に明示しています。

カルチャーマッチ、キャリアビジョンの合致度、候補者への自社の魅力付け。これらは人間同士の対話でしか確認できない要素です。AI面接は「人間がより価値の高い判断に集中するための前さばき」として設計するのが、現時点では最も効果的な運用方法と言えます。

注意点④:候補者体験(CX)にも配慮する

AI面接に対する候補者の反応は、必ずしもネガティブではありません。シカゴ大学の実験では、AIと人間のどちらかを選べる場合、78%の候補者がAI面接を選択しました。24時間いつでも受検でき、面接官との相性に左右されない公平性が評価されたと考えられます。

一方で、AI面接に違和感を持つ候補者が一定数いるのも事実です。同じ実験でも約3%がAI面接を途中で離脱しています。候補者に対して「AI面接を導入している理由」「AI面接の結果だけで合否を決めないこと」を事前に丁寧に説明することが重要です。

参考:Erasmus University Rotterdam「Study finds AI matches humans in conducting job interviews

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まとめ

本記事で紹介した通り、AI面接のエンジニア採用における有効性は、ベンダーの事例紹介にとどまらず、学術研究レベルで検証が進んでいます。

シカゴ大学の7万人規模のRCTでは、AI面接を受けた候補者の内定率・定着率が向上しました。micro1のエンジニア特化の実験では、AI面接経由の候補者の最終面接通過率が20ポイント向上し、レジュメの誇張も検出されています。

ただし、AI面接を「人間の代替」として導入するのではなく、「人間のパートナー」として位置づけることが重要です。AIがスクリーニングと初期評価を担い、人間の面接官はカルチャーフィットの確認や候補者への魅力付けに注力する。このハイブリッド型の運用が、海外の成功事例に共通するパターンです。

AI面接の導入を検討されている方は、NALYSYS(ナリシス)のAI面接サービスで無料相談が可能です。採用のプロのノウハウを学習したAIによる面接代行で、エンジニア採用の工数削減と見極め精度の向上を両立できます。

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