このページのまとめ

  • 社内コミュニケーションは生産性向上に効果的
  • 企業風土が社内コミュニケーションに影響を及ぼす
  • 社内コミュニケーション活性化にはツール導入や働く場所の改善が有効

企業が成果を上げ、発展を続けていくためにも、社内コミュニケーションが大切です。社内コミュニケーションが活発な企業は生産性が高く、離職率も低いからです。テレワークの導入をはじめ、社内コミュニケーションに悩みを抱えている企業は、このコラムでご紹介する内容を参考にしてみてください。

社内コミュニケーションとは 

社内コミュニケーションとは。従業員同士の情報共有や情報交換のことをいいます。たとえば、業務内での部署内のやりとりや、業務外での上司と部下のコミュニケーションも社内コミュニケーションです。社内コミュニケーションが活発に行われれば、生産性の向上や業務の効率化が期待できます。

社内コミュニケーションが重要な理由

社内コミュニケーションが重要な理由は、業務は1人で行うものではなく、さまざまな部署や従業員と連携して行うためです。コミュニケーションが活発になれば、生産性の向上や、成果の上昇が見込めます。また、コミュニケーションが活発な企業は従業員同士の関係性も良く、働きやすい企業風土の形成にも役立つでしょう。

社内コミュニケーション活性化のメリット 

社内コミュニケーションの活性化は、企業環境を良くし、従業員の働きやすさ向上につながります。企業の成果も向上し、プラスの効果が多くなるでしょう。コミュニケーションの取りやすい環境づくりと取り組みが重要です。

離職率低下

社内コミュニケーションの活性化は、従業員同士の関係性を良くします。人間関係が良い職場は働きやすく、離職率の低下にもつながるでしょう。厚生労働省の調査によると、人間関係が原因で退職した従業員が26.9%いるという結果が出ました。このことから、人間関係の悪い職場と離職率に関係があることがわかります。社内コミュニケーションを活性化し、従業員同士の人間関係の改善を行うことで、離職率の低下に効果があります。

参照元:厚生労働省「平成30年若年者雇用実態調査の概況

生産性向上

社内コミュニケーションの活性化は、情報交換がスムーズになり、生産性向上につながります。部署内だけではなく、別部署との連携も取りやすくなるでしょう。また、社内コミュニケーションが活性化されると、従業員のモチベーションアップにも効果があります。モチベーションがあがるとポジティブに、積極的に業務を行うため、さらなる生産性向上に期待できます。

モチベーション向上

質の良いコミュニケーションが実現できれば、モチベーションの向上につながります。お互いを認め合い、励まし合うコミュニケーションは、従業員をポジティブにするからです。また、自分の意見を積極的に伝えることができるので、相互理解が深まります。これまで以上に従業員の性格や考え方を理解でき、適切な役割分担や組織配置が可能になるでしょう。その結果、従業員の働きやすい環境が整備され、モチベーション向上につながります。

情報共有の活性化

コミュニケーションをとることが当たり前の環境を作ることができれば、情報共有の活性化につながります。従業員が積極的に意見交換を行い、話し合う環境が出来上がるからです。また、社内コミュニケーションが活性化すると、他部署との連携もとりやすくなります。部署に関係なくコミュニケーションをとることができれば、新しいアイデアや発見が生まれ、組織にとってポジティブな変化が起こることでしょう。

社内コミュニケーションを阻害する要因 

社内コミュニケーションが上手くいかない企業は、コミュニケーションが阻害される要因を確かめましょう。企業風土に問題がある場合や、コミュニケーションのとり方に課題がある場合が考えられます。要因を解明し、コミュニケーションを改善しましょう。

企業風土

企業風土は簡単に変えられるものではなく、社内コミュニケーションを阻害する理由になりやすいといえます。そのため、経営層自ら、改善に乗り出す必要があります。社内コミュニケーションがとりにくい企業風土として、部下が話しづらい環境になっている、業務以外の会話が許されていない、などがあげられます。会話内容が業務のことだけになってしまうと、話づらい環境になり、コミュニケーションが少なくなります。メリハリをつけ、雑談も行える企業風土を作りましょう。

対面コミュニケーションの減少

新型コロナウイルスの影響もあり、対面コミュニケーションは減少傾向にあります。そのため、顔を合わせて話すことが少なくなり、コミュニケーション自体が減少してしまった企業も増加しています。コロナウイルスの影響でテレワークや時短勤務を導入する企業も多く、従業員同士の接点の減少は多くの企業の課題です。コミュニケーションツールを導入するなどして、直接会わなくてもコミュニケーションの取れる環境を整えましょう。

ITツール依存

スマートフォンやツールなどの普及に伴い、対面でのコミュニケーションは減少傾向にあります。そのため、社内コミュニケーションも減少し、メールなどのツール上でコミュニケーションが完結してしまう課題があります。ITツールは便利ですが、対面でのコミュニケーションの発生を阻害する要因になっています。ITツールを通さずにコミュニケーションをとる時間も設けるようにしましょう。

社内コミュニケーション不足による課題

社内コミュニケーションが不足すると、以下のような問題が発生します。

情報共有が遅れる

コミュニケーションが滞ってしまうと、情報共有が遅れます。コミュニケーションが後回しになってしまい、必要な情報が届かなくなるためです。また、普段コミュニケーションを取らない人に話しかけづらく、遅れてしまうことも考えられます。社内コミュニケーションを普段から活性化させておくことで、気兼ねなく会話ができ、情報共有を素早くできるようになるでしょう。

部署間での連携不足

部署が違うと接点が少なく、部署間で全くコミュニケーションを取らない企業もあります。そうすると、必要なときに連携ができず、業務に支障をきたす可能性も考えられるでしょう。たとえば、情報共有を誰に行うかがわからない、どの部署に連絡を入れるかが曖昧になる、などの課題が考えられます。社内コミュニケーションの不足は連携不足を招き、生産性の低下を招くため気を付けましょう。

業務中に質問しづらい

コミュニケーションが少ない企業では、業務中の会話は禁止されている雰囲気があります。そのため、確認したいことを聞くことができず、質問できない従業員が出てくるでしょう。たとえば、誰も話していないので自分も話しづらい、普段から会話しないので質問するのをためらってしまう、などを従業員が考えてしまうからです。質問できないことで業務が止まったり、自分の判断でミスをしてしまう可能性もあるため、注意が必要です。

ストレスが溜まる

社内コミュニケーションが停滞してしまうと、情報共有の遅さや、コミュニケーションが上手くいかないもどかしさにストレスを溜める従業員もでてきます。業務が止まったり、連携に失敗してしまえば、さらなる問題に発展する可能性もあるでしょう。また、ストレスが溜まってしまうと、ミスが増えたり、生産性が低下するデメリットがあります。円滑なコミュニケーションを行い、ストレスの溜まらない環境を目指しましょう。

モチベーションの低下

コミュニケーションが取れないことで、モチベーション低下につながる場合もあります。孤独を感じ、ストレスに発展してしまうためです。たとえば、困っても誰にも相談できない環境や、テレワークで誰とも話せない環境は、従業員のモチベーション低下を引き起こします。従業員を孤立させないように、社内コミュニケーションを活性化させることが重要です。

社内コミュニケーションを活性化させる施策 

社内コミュニケーションを活性化させるための取り組みには、以下のようなものがあります。

フリーアドレス制度

フリーアドレス制度とは、従業員の席を固定せず、自由に選んで作業できるようにする方法です。席を替えることでさまざまな人と隣り合わせになる機会が生まれるため、コミュニケーションの活性化につながります。普段の業務では関わりのない従業員と話すきっかけにもなるので、部署を超えて社内コミュニケーションを活性化させたい企業に役立ちます。

リフレッシュスペース

社内にリフレッシュスペース(休憩室)を設ければ、業務以外のコミュニケーション活性化に役立ちます。飲食をしながらでもコミュニケーションがとれるため、業務中とは違った会話を促進します。また、企業のなかには、お酒を飲めるスペースを用意している場合もあります。ちょっとした飲み会の代わりにもなるため、さらなるコミュニケーション活性化が期待できます。

ミーティングスペース

会議室とは違い、ミーティングスペースを設けることも社内コミュニケーションの活性化に役立ちます。短時間の意見交換やミーティングに使用すると、従業員同士の意見交換が活発になるでしょう。会議の場になると、緊張する従業員が出たり、自由な意見を発言しにくい環境を作ってしまいます。自由な発言がしづらい企業には、気軽に自由な意見を話し合えるミーティングスペースが役立ちます。

コミュニケーションツールの導入

テレワークを導入した企業や、拠点が離れている企業は、コミュニケーションツールの導入も効果的です。離れた場所でも、簡単にコミュニケーションをとることができます。たとえば、社内SNSやチャットツールを使えば、電話などに比べて簡単に連絡が取り合えます。コミュニケーションが取りづらい環境をなくすために、コミュニケーションツールを導入しましょう。

社内イベント

社内イベントを行えば、従業員同士の親睦を深める効果が期待できます。なぜなら、業務外の従業員を知ることができ、従業員同士の理解が深まるためです。社内イベントを開催する場合には、具体的な目的を決めましょう。たとえば、異なる部署の交流を深める、上司と部下の距離感を近づける、などの目標設定が行えます。

社内SNS

社内の人間だけが活用できる、社内SNSもコミュニケーションの活性化に活用できます。誰でも簡単に、大勢に向けて情報発信ができるためです。発信する内容は社内の出来事が多く、業務や社内イベントに関して発信します。また、プライベートで使用しているSNSでは同僚とつながりたくない、という従業員もいます。その点、社内SNSはプライベートアカウントと区別できるため、従業員が活用しやすいメリットもあります。

1on1

1on1は、上司と部下が1対1でミーティングを行うことです。業務の指示とは違い、悩みやプライベートに関して話し合います。そのため、相互理解が深まり、コミュニケーションの活性化が期待できます。注意点としては、人事評価や指導と区別して行うことです。1on1は相互理解や部下の成長促進を目的としているため、上司の一方的なコミュニケーションにならないように気を付けましょう。

まとめ

社内コミュニケーションの活性化は、従業員が働きやすい環境を整えるために重要です。働きやすい環境ができれば、生産性の向上や、成果の上昇も期待できます。また、社内コミュニケーションを活性化させるためには、ツールの導入や、働く環境を変えることが有効的です。加えて、自社の風土がコミュニケーションを取りづらい環境になっていないかを確認しましょう。