このページのまとめ

  • リーダーの素質がある人は、決断力や協調性がある
  • リーダーの素質がない人は、自分勝手に判断し、周りと協力できない
  • リーダーを育成するために、小さな業務でリーダー経験を与えることも重要

新たなプロジェクトの始動にあたり、リーダーの素質がある人をリーダーに任命したいところです。しかし、ひとくちに「素質がある」といっても、具体的にどのような人物を指すのか悩んでしまう企業担当者も多いことでしょう。今回は、リーダーの素質がある人や、リーダーを育てる方法を解説します。各プロジェクトに適任のリーダーを見極めるための参考にしてみてください。

リーダーに求められる役割 

リーダーの素質を考える前に、リーダーに求められる役割を知りましょう。

メンバーのことを理解する

リーダーは一人ひとりのメンバーの性格や能力を理解することが重要です。メンバーの適性を活かして業務を進めることで、チーム全体の成果向上が期待できます。

チームの士気を高める

リーダーには、チームの士気を高める役割が求められます。1人のメンバーの士気が下がってしまうと、ほかのメンバーにも影響を与えます。リーダーには、メンバーのモチベーションを維持するための適切なフォローを行う力が必要です。

臨機応変に対応する

想定外の事態が起きた場合でも、臨機応変に対応する力が必要です。リーダーが落ち着いてトラブルに対処できていれば、メンバーも安心して自分の役割に集中できます。また、メンバーからの信頼の獲得にもつながるでしょう。リーダーにはトラブルが発生したときに矢面に立つ責任があり、想定外の事態に対処しつつ結果を残すことが求められます。

リーダーの素質がある人の特徴 

リーダーの素質がある従業員には、次のような特徴があります。

協調性がある

リーダーとして活躍するためには、協調性が重要です。協調性がある人物は、自分一人の力ですべての業務を行えないことを理解しています。チームのメンバーと協力して成果を出すことを重視するため、リーダーに向いているでしょう。

自分の考えを持っている

リーダーとして振る舞うためには、自分の考えを部下に伝えることが求められます。リーダーの考えが定まっていないと、チームのメンバーは何を目標に業務を進めるべきか迷ってしまいます。また、優柔不断なリーダーの姿を見て不安を感じてしまうかもしれません。

結果的に間違っていた場合でも、自分の意見を相手に伝えられる人物がリーダーに向いています。

他人の意見を尊重できる

優れたリーダーは、自分の意見だけでなく他者の意見も大切にします。自分の考えだけに固執してしまうリーダーの場合、相手の意見をきちんと聞かずに否定してしまう恐れがあります。意見を否定された相手は、委縮して発言を控えるようになってしまうかもしれません。
さまざまな意見を参考にしながら柔軟に判断しようとする人物がリーダーに向いています。

実行力がある

メンバーを動かすためには、意見をまとめるだけでなく、自ら行動する姿を見せる必要があります。自ら決めたことを実行に移せるリーダーはメンバーが業務を行ううえでの良い見本となります。また、自らの行動でメンバーを引っ張ろうとする姿を見せることで、メンバーのやる気を奮い立たせることができるでしょう。

メンバーのモチベーションを上げられる

メンバーのモチベーションを上げられる人物はリーダーに向いています。モチベーションの自己管理は難しく、ミスしてしまったことが頭から離れず、なかなか浮上できないメンバーもいることでしょう。そのようなときにメンバーの話を聞き、適切なフォローを入れられるリーダーの存在は非常に重要です。メンバーのモチベーションに配慮しながら、チーム全体の成果を向上させることができるでしょう。

学習意欲が高い

学習意欲が高い従業員はリーダーに向いています。リーダーはメンバーの模範となる存在のため、日々新しい知識を学び続けることが求められます。現場の状況は日々変化しています。新しい情報を取り入れなければ、メンバーに適切なアドバイスができなかったり、取引先から「専門知識が不足している」と認識されたりする可能性があります。日々変化する現場の状況に柔軟に対応できるリーダーが求められています。

リーダーにしてはいけない人の特徴 

リーダーにしてはいけない人物の特徴も押さえておきましょう。

人の話を聞かない

人の話を聞かない従業員は、リーダーに任命するのを避けましょう。自分の信念を持つことは大切ですが、独断で物事を決めてしまうとメンバーからの信頼を失うリスクがあります。一人ひとりのメンバーの心を一つにまとめるうえで、相手の話に耳を傾けられない人物はリーダーに相応しくないといえます。

優柔不断

優柔不断な従業員がリーダーになると、業務が止まってしまう恐れがあります。リーダーには、メンバーの意見をまとめて最終的な判断を下す力が必要です。チームの意見をまとめる決定力がなければ、リーダーとしての活躍は難しいでしょう。

業務経験が浅い

業務への経験や知識が浅い場合、リーダーとして苦労する可能性があります。人柄が優れていても、知識や経験が不足しているとメンバーからの信頼を得ることが難しくなります。リーダーを任命する際には、人柄だけでなく業務の知識やスキルが十分であるかも考慮しましょう。

一人ですべてを行ってしまう

一人ですべての業務を進めようとする人物は、リーダーには向いていません。チームで仕事をする以上、メンバーに仕事を割り振ることもリーダーの役割になります。一人ですべての仕事を抱え込んでしまうリーダーは、メンバーの成長を妨げてしまう可能性があるので注意しましょう。

相手次第で態度を変える

相手次第で態度を変える人物もリーダーには向いていません。リーダーはメンバーに対し、平等に接することが求められます。人によって態度を変えているとメンバーの反感を買い、信頼を失ってしまいます。メンバーの信頼を失うと、自分の言動で部下をまとめることができなくなります。
リーダーを任せる人物は、誰にでも公平に接する人物にすることが大前提です。

ストレス耐性が低い

ストレス耐性が低いリーダーは、心身の健康をを崩しやすくなります。仕事のパフォーマンスが低下し、部下にも影響を及ぼす可能性があります。場合によっては、休職してしまう可能性もあるでしょう。リーダーには大きな責任がともなうため、従業員のストレス耐性を見極めたうえでリーダーを任せても大丈夫かを判断しましょう。

リーダーを育てる方法 

現時点でリーダーの適性がなかったとしても、これから育成していくことはできます。リーダーを育成する方法をいくつか紹介します。

目標となるリーダーの指導を受けさせる

自社にリーダーがいる場合、リーダーからの直接の指導を受けてもらいましょう。リーダーの経験に基づいたアドバイスをもらうことで、実際の業務でどのように活かせるのかを学べるでしょう。
優れたリーダーがいる場合は、直接指導を受けさせると効果的です。

リーダー経験をさせる

リーダーに任命する前から、リーダーの経験をさせてみることが重要です。小さなプロジェクトや簡単な業務から、リーダー経験を与えてみましょう。実際に業務を経験することで、従業員はリーダーに必要なスキルを身をもって理解できるはずです。上司がフォローできる体制を用意しておくなど、安心した環境でリーダーを任せると安心でしょう。

人前で話す機会を増やす

リーダーは人前で話す機会が増えます。人前で話すことに慣れてもらうために、朝礼や会議などでチームを代表して話す機会を用意するのがおすすめです。最初は緊張して上手く話せなくても、場数を踏むことでコツを掴んで話せるようになります。まずは少人数を前に話すことから始めてみると良いでしょう。

チームで協力する課題を与える

リーダーになると、チームのメンバーと協力して業務を進める場面が増えます。チームのメンバーに役割を与え、チームで協力しながら一つの課題に取り組む経験を積ませましょう。チームのメンバーを自分の指示どおりに動かすことは、思った以上に大変です。コミュニケーション不足で指示の意図が正しく伝わっていなかったり、期日までに業務が終わらなかったりすることがあるでしょう。
そのようなトラブルを乗り越えながら、リーダーとしてのスキルが育っていくはずです。

まとめ

リーダーの素質がある人を見分けるためには、協調性の有無やコミュニケーション能力、ストレス耐性などを総合的に判断すると良いでしょう。また、現時点でリーダーの素質があるとは言えない従業員でも、リーダー研修を実施したり、実際にリーダー業務を任せてみたりすることで一から育成することができます。適性がある人をリーダーに任命するのはもちろん、適性はなくても意欲がある従業員をリーダーとして育成することも大切です。