このページのまとめ
- フォローアップ研修とは、研修後に時間を空けて研修内容を振り返るもの
- フォローアップ研修は、研修内容が身についているか確認するために行う
- フォローアップ研修は複数人で実施し、意見交換で知識を深めてもらうことが大切
新入社員に対する研修効果を高めるために、フォローアップ研修が注目を集めています。フォローアップ研修で研修内容を再確認できれば、知識の定着が見込めるためです。自社で実施している新入社員研修が効果を発揮できているか気になる企業も多いことでしょう。今回は、フォローアップ研修の内容や、実施のメリットを解説します。新入社員教育とセットで実施してみましょう。
フォローアップ研修とは
フォローアップ研修とは、研修後に期間を空けて研修の振り返りを行う研修のことです。
研修で学んだ知識や改善点が身についているかを確認するために行われます。時間をかけて新入社員研修を行っても、研修の内容を理解してもらわなければ徒労に終わってしまいます。
研修内容の振り返りを行うことで、研修で理解できなかった内容や忘れてしまった内容を学びなおしてもらうことが可能です。
フォローアップ研修の対象者
フォローアップ研修の対象者は、新入社員が一般的です。
新入社員は自分で振り返りを行うことに慣れていないため、振り返りの場を用意してあげることが大切です。振り返りの大切さを学べば、今後は自分で業務を振り返り、成長につなげられるでしょう。
フォローアップ研修は新入社員以外にも効果的です。中堅社員は部下が増えることが多いため、マネジメントやリーダーシップに関するフォローアップ研修を行うと良いでしょう。研修内容の理解度を確認する点において、すべての従業員に効果的といえます。
フォローアップ研修のメリット
フォローアップ研修には、次のようなメリットがあります。
社会人としての自覚を再認識できる
フォローアップ研修により、社会人としての自覚を再認識できます。特に、入社3ヶ月や半年は気が緩みやすい時期になるため、気を引き締めるのにちょうど良いでしょう。新入社員のフォローアップ研修では、ビジネスマナーや業務内容の振り返りがメインです。再度基礎を学ぶことにより、初心を思い出し、業務に取り組めるでしょう。
不安や悩みの解消
業務を続けていると、自分の仕事のやり方が間違っていないか不安になることもあるでしょう。
フォローアップ研修で疑問点を質問したり悩み相談をしたりする時間を設けることで、自信をもって仕事に向き合えるようになります。
自分の成長と課題が分かる
振り返りを行うことで、自分の成長を実感できます。同時に自分の課題も発見できるため、次に取り組むべきことがクリアになるでしょう。
同期から刺激を受けられる
フォローアップ研修は、新入社員同士が集まって研修を受けるのが一般的です。
一緒に研修を受ける仲間がいることで、新入社員にポジティブな刺激を与えることができるでしょう。また、配属先が異なるため、普段は直接業務で関わることのない同期とコミュニケーションをとる機会にもなります。
フォローアップ研修の内容
フォローアップ研修では、主に以下の3つの内容を実施します。
研修の振り返り
一般的に実施される内容が、研修の振り返りです。研修の内容が実践できているかを確かめ、成長を実感させます。また、フォローアップ研修では次の目標を立てることも大切です。次回のフォローアップ研修では、自分が立てた目標が達成できているか、振り返りができるようにしましょう。振り返りを繰り返すことで、従業員のスキルアップにつながります。
学びをプレゼンで報告
フォローアップ研修では、研修を通して学んだことをプレゼンで発表させることも有効です。
学んだ内容を自分の頭で整理して発表することで、理解を深めることにつながります。
プレゼンを行う新入社員だけでなく、プレゼンを聞いている新入社員も学びを得ることができます。
プレゼンの内容を今後の業務に活かせるように、上司や先輩がプレゼンのフィードバックを行うとさらに効果的です。
フォローアップ研修の実施時期
フォローアップ研修は、次のタイミングで実施されることが多いです。
入社3ヶ月
新しい環境に慣れてきた入社3ヶ月程度の時期が、最初のフォローアップ研修に効果的です。新入社員研修も終わっており、振り返りを行うちょうど良いタイミングになるでしょう。入社3ヶ月後のフォローアップ研修は、基礎的な研修の振り返りが目的です。社会人としての基礎が身についているかを確認しましょう。
入社6ヶ月
入社6ヶ月目になると、業務での成果を出している従業員も増加しています。ここでは、業務に関して振り返り、気を引き締め直すことが目的になります。仕事に慣れ始めて自分なりのやり方で業務を行うこともあるかもしれませんが、その方法が間違っていないかを確認してあげることが大切です。
また、業務に対する悩みが増えやすいため、悩み相談なども実施すると良いでしょう。
入社1年
入社1年後は、キャリアに関して考えさせる時期です。これまでの業務を振り返りながら、今後どのように進んでいくか決めるようにしましょう。また、2年目に入ると、部下が増える従業員も発生します。次の新入社員に指導ができるように、自分の学んだことや考えたことを伝えられるように促すことも、フォローアップ研修で必要になるでしょう。
フォローアップ研修の手順
ここでは、フォローアップ研修の主な実施手順を紹介します。
フォローアップ研修の目的を確認
まずは、フォローアップ研修の目的を新入社員に共有しましょう。研修の目的を共有することで、目的を達成するために必要な知識を吸収しようという意識を高めることができます。
従業員個人で研修を振り返る
目的が確認できたら、まずは従業員個人で研修を振り返りましょう。研修内容を覚えていたか、実践できていたかなどを振り返ります。振り返るときには、具体的な内容でメモを残しておくようにしましょう。「ビジネスマナーができていた」ではなく、「挨拶ができていた」「名刺交換の方法が間違っていた」などのように残します。具体的に記録を残しておくことで、次のフォローアップ研修での振り返りに役立つでしょう。
数人で研修を振り返る
個人で振り返ったあとは、数人で振り返りの内容を共有しましょう。ほかの人の振り返りを聞くことで、新しい学びにつながります。また、振り返りの際には、できていない点も共有するようにしましょう。成功だけではなく、失敗から学ぶことも大切だからです。さまざまな事例を共有し、知識を増やせるように振り返りを行いましょう。
プレゼンで研修内容を発表する
プレゼンで研修内容を発表すると、振り返りの効果が向上します。周囲の従業員に対し、自分の考えや成長を伝える機会にもなるでしょう。数人で振り返る場合と異なり、プレゼンにはプレゼン用の振り返りやまとめ方が必要になります。相手への伝え方も学べる良い機会になるでしょう。
業務への活かし方を考える
振り返りができれば、業務への活かし方を考えましょう。学んだことは実践を行うことで身につきます。自分の体験はもちろん、ほかの人の体験から学んだことも、行動してみることが重要です。実践を繰り返すことで、新しい結果や経験の獲得につながるでしょう。
フォローアップ研修のポイント
フォローアップ研修の効果を高めるために、以下のポイントを押さえておきましょう。
適切なタイミングで実施する
フォローアップ研修は、適切なタイミングで実施しましょう。回数が多過ぎても少な過ぎても十分な効果が発揮されません。一般的には、3ヶ月や半年ごとに実施するのが良いとされています。定期的に実施するなど、適切なタイミングで行うようにしましょう。
参加者同士で課題や悩みを共有させる
研修の参加者同士で、課題や悩みを共有させましょう。第三者の意見を聞くことで、新たな気づきを得ることができるでしょう。
話しやすい環境を整える
意見交換が活発になるように、話しやすい環境を整えましょう。先輩や上司が近くにいると遠慮してしまう新入社員もいるため、新入社員のみで気兼ねなく話し合える環境を作ることが効果的です。
PDCAサイクルを意識する
新入社員の成長には、PDCAサイクルを意識させると良いでしょう。フォローアップ研修で得た気づきを業務に活かし、実際に業務の成果向上につながっているかを検証します。検証した内容に改善点があれば、次回以降のフォローアップ研修で同期や先輩にアドバイスを得て行動を改善する、という動きを繰り返すことが成長につながります。
参加者の課題や悩みを事前調査する
フォローアップ研修の内容を決めるために、参加者の課題や悩みを調査しておきましょう。
事前にアンケートを取り、アンケートの内容に沿って研修内容を考えると研修の満足度が上がるでしょう。
フィードバックの実施
フォローアップ研修では、フィードバックの時間を用意しましょう。研修の内容を誤って理解しているケースがあるため、第三者からのフィードバックで正しい知識をインプットすることが非常に重要です。
まとめ
研修の効果を向上させるためには、フォローアップ研修の実施が効果的です。フォローアップ研修は、新入社員のニーズを汲みながら定期的に実施することで効果が発揮されます。研修とフォローアップ研修をセットで行い、新入社員が研修内容を理解して業務にあたれるようにサポートしましょう。