このページのまとめ

  • 中堅社員とは、一般的に入社から3年目以降の社員を指す
  • 中堅社員になると、新人教育やリーダーを任される機会が多くなる
  • 中堅社員を育成する際には、企業が求めている役割を明確に伝えることが大切

入社から3年目を過ぎた社員は、「中堅社員」と呼ばれることが多くなります。中堅社員とは、一般的に入社3〜4年目以降の社員を指すことが多いです。責任のある業務を任される機会が増え、後輩の教育を担当している社員もいることでしょう。今回は、中堅社員に求められる役割や、中堅社員を育成する際のポイントを解説します。企業の中核を担う人材を育成するための参考にしてみてください。

中堅社員とは 

厳密な定義はありませんが、中堅社員とは「入社3〜4年目以降の社員」を指すことが一般的です。
入社3〜4年目以降を中堅社員と呼ぶことが多い一方で、入社1年目から3年目までの社員は「新入社員」「若手社員」と呼ばれる傾向があります。

中堅社員に求められる役割 

中堅社員に求められる役割には、次のようなものがあります。

専門性の高いスキル・知識の獲得

中堅社員には、より専門性の高い知識やスキルを習得することが求められます。
独り立ちして仕事を進められるようになるだけでなく、「部下や後輩の見本になるような成果を出してほしい」と期待されるのが中堅社員といえます。

部下や後輩の教育

中堅社員になると、部下や後輩の教育を任される機会が多くなります。
自らがプレイヤーとして成果を出すだけでなく、後進の育成も期待されるのが中堅社員の特徴です。
中堅社員が自信をもって部下や後輩の教育にあたれるように、新入社員のころから少しずつ同僚や後輩に仕事を教える経験を積ませると良いでしょう。

若手社員と管理職の橋渡し

若手社員と管理職の中間に位置する中堅社員には、両者の橋渡しをする役割も期待されます。
たとえば、若手社員が言いにくいことを管理職に伝えたり、管理職から指示された内容を若手社員に伝えたりすることで、業務が円滑に進むようになるでしょう。
中堅社員は、チーム全体のコミュニケーションをスムーズにするために欠かせない役割を担っています。

中堅社員の育成で発生しやすい問題 

中堅社員を育てる際に発生しやすい問題についても知っておきましょう。
発生しやすい問題には、主に以下のようなものがあります。

中堅社員を指導できる人材が足りない

1つ目が、中堅社員を指導できる人材が不足していることです。
中堅社員を指導するためには、プレイヤーとしても教育者としても成果を出してきた人物に限られます。そのため、一定以上の業務経験とスキルのある中堅社員を指導できる人材が少なく、中堅社員の育成が進みにくいことが課題です。

教育対象となる若手社員の数が少ない

若手社員の数が少ないことも、中堅社員を育成しにくい要因の一つです。
中堅社員は、入社1〜3年目の新入社員・若手社員の教育を担当する機会が多くなります。
しかし、新入社員・若手社員の人数が少ないと、すべての中堅社員が後輩教育を経験することが難しくなります。
その結果、次のステップに上がるために必要な教育のスキルがなかなか身に付かず、中堅社員のスキルアップが進みにくくなってしまうでしょう。

自分の業務に手が回らなくなる

プレイヤー業務と後輩指導の両方を任される機会が増える中堅社員は、自分の業務に費やす時間が少なくなる傾向があります。
中堅社員になると、これまで以上に業務で高い成果を出すことが求められます。
さらには後輩の育成も任されるようになるため、後輩教育に時間を費やすほど自分の業務に手が回らなくなるケースがあるでしょう。
すべての業務が中途半端にならないように、必要に応じて中堅社員の業務量を調整することが大切です。

キャリアプランに悩んでしまう

中堅社員になると、今後のキャリアプランに悩み始める社員が増加します。
「このまま管理職の道を選ぶべきか」「プレイヤーとしての業務をもっと極めるべきか」「転職して新しいキャリアを築くべきか」など、多くの悩みが出てくる時期でしょう。
キャリアプランへの悩みが大きくなると、目の前の業務に集中することが難しくなってしまいます。
悩みを抱えている中堅社員がいれば、個人面談などでキャリアの相談に乗ってあげると良いでしょう。

中堅社員を育成するポイント

中堅社員の育成で発生しやすい課題を踏まえて、中堅社員を育成する際のポイントを紹介します。

企業が求める役割を伝える

まずは、中堅社員に対してどのような役割を求めているのかを伝えましょう。
中堅社員になると任される内容が増え、混乱するケースが増加します。
役割を明確に伝えてあげることで、中堅社員は目的を見失わずに業務に取り組めるでしょう。

リーダーとしての経験を積ませる

管理職にキャリアアップしたときのために、リーダー経験を積ませることが重要です。
リーダー業務を経験させることで、将来的に部下を持つことになっても自信をもって対応できるでしょう。
まずは小規模のプロジェクトで責任者を任せるなど、無理のない範囲で経験を積ませることが大切です。

持っているスキルや強みを明確にする

中堅社員には、自分の強みを明確にすることが求められます。
プレイヤーとしても後輩の指導者としても高い成果が求められるからこそ、自分の強みを活かして効率的に業務を進めていく必要があります。
また、自分自身の今後のキャリアを考えるうえでも重要な指標になるでしょう。
自分の強みが見つけられずにいる中堅社員には、上司や後輩から「こんなところが強みだと思うよ」とフィードバックしてあげるのがおすすめです。

まとめ

これからの企業を担う人材を育てるためにも、中堅社員の存在が重要です。中堅社員を育成する際には、中堅社員としての役割を明確に伝えたうえで、マネジメントや新人教育などの経験を積ませることが大切です。中堅社員のキャリアプランを確認したうえで、本人のキャリアにつながる役割を与えるのも良いでしょう。中堅社員がさらに成長できるように、新入社員と中堅社員の違いを踏まえた指導を実施してみてください。