このページのまとめ

  • 新入社員は、業務内容や教育担当者との関係についての悩みを抱えやすい
  • 新入社員の悩みが解消されないと、体調不良や退職につながる可能性がある
  • 新入社員の悩みを解決するためには、個人面談の実施が有効

新入社員は、慣れない環境のなかで多くの悩みを抱えやすい傾向があります。悩みが解決されない状態が続くと、体調不良による休職や退職につながるケースがあります。新入社員の悩みに対してどのように対応すべきか悩んでいる企業も多いことでしょう。そこで今回は、新入社員が感じやすい悩みや、悩みを解決するための方法を解説します。新入社員が安心して働ける職場づくりの参考にしてみてください。

新入社員が抱えやすい悩み

新入社員が抱えやすい悩みには、次のようなものがあります。

環境の変化に対応できない

1つ目は、環境の大きな変化に対応できない点です。
なかでも新卒社員の場合は、仕事とプライベートの両方で新しい環境が生まれ、ストレスを感じやすくなります。学生から社会人になるにあたって、実家を離れて一人暮らしを始めた人もいるでしょう。慣れない仕事を終えて帰宅した際、自宅でも心が休まらずに疲れが取れにくい状況になっているかもしれません。

ビジネスマナーが分からない

2つ目が、「社会人の基本」とされているビジネスマナーが分からないことです。
新人研修などでビジネスマナーを学ぶ機会がない場合、電話応対や商談などでの適切なふるまい方に悩んでしまうことがあります。また、独自のルールを設けている企業の場合、一般的なビジネスマナーとの違いに混乱してしまうケースもあるかもしれません。

仕事を上手くこなせない

3つ目が、仕事を思うようにこなせないことです。
はじめは覚えることが多く、周囲のサポートがないと仕事ができなかったり、ミスを繰り返してしまったりすることがあるでしょう。
「早く一人前になってほしい」との思いから成長を急かしすぎてしまうと、新入社員は大きなプレッシャーを感じてしまいます。上手くできないことに自信を失い、さらにミスを連発してしまう悪循環が生じてしまうこともあるでしょう。

上司や先輩に質問しにくい

4つ目が、上司や先輩に質問しにくいことです。
「分からないことがあればいつでも質問してほしい」と伝えていても、上司や先輩が忙しそうに仕事をしている姿を見て、話しかけるのをためらってしまう新入社員もいるでしょう。
新入社員が話しかけにくそうにしているときは、上司や先輩から積極的に話しかけることが大切です。コミュニケーションのとりにくさは仕事のしやすさに直結するため、できるかぎりの配慮をしてみましょう。

人によって指導内容が異なる

5つ目が、人によって指導内容が異なることです。
複数の指導者がいる場合、統一されたやり方ではなく、自分なりのやり方をレクチャーしてしまうと、新入社員が混乱してしまいます。
たとえば、新入社員がAさんから教わったやり方で業務を進めていたところ、Bさんに「やり方が違う」と注意された、というケースがあるかもしれません。
指導者の間で教え方を統一しないと、新入社員に不要な負担を強いることになってしまいます。

新入社員の悩みを放置するデメリット 

新入社員の悩みをそのままにしておくと、次のようなリスクが生じやすくなります。

集中力が低下する

「上司や先輩に質問しにくい」「誰の教え方を基準にすればいいのか分からない」などの悩みで頭がいっぱいになると、本来の業務に集中できなくなってしまいます。
業務に集中できなくなるとミスが増え、ミスが増えたことに落ち込んでさらに集中できなくなる……という悪循環が生じるケースがあります。
本人はもちろん、ミスをカバーする従業員の生産性も低下してしまうため、早めの対処が必要です。

メンタルヘルスの不調が起きる

悩みが解決されない状態が続くと、メンタルヘルスに不調が生じることがあります。
場合によっては出勤が困難になり、休職や退職に至るケースもあるでしょう。
取り返しのつかない状況になる前に、日頃から新入社員の健康状態に気を配ることが大切です。

新入社員が抱える悩みへの対策 

ここでは、新入社員が悩みを抱え込まないために、企業でできる対策を紹介します。

専任の指導者やメンターを配置する

新入社員が複数の指導内容に混乱しないように、専任の指導者やメンターをつけましょう。
指導者が明確になることで、「誰に質問すればいいか分からない」「指導者によって教え方が変わる」という悩みも解消されるはずです。

定期的な個人面談を行う

新入社員が抱えている悩みにいち早く気づけるように、個人面談を定期的に行うと良いでしょう。
新入社員が安心して悩みを相談できるように、雑談を交えながら面談を進めることが大切です。
とりたてて悩みがない新入社員でも、何かあったときに話を聞いてもらえる場があることは大きな安心材料になります。

上司や先輩から話しかける

新入社員に対して、上司や先輩から話しかけてみましょう。
「何か困っていることはない?」「分からないことがあったら何でも言ってね」とこまめに声をかけることで、新入社員は安心して質問や相談ができるようになるでしょう。

ミスを責めない

新入社員が仕事でミスをしてしまったときは、ミスしたことを責めるのではなく、「こうすればミスを防げる」という建設的なアドバイスを行うようにしましょう。
ミスしたこと自体を責めても、新入社員の自信を奪うだけで状況は好転しません。

たとえば、仕事の締め切りを忘れていた新入社員がいた場合は、本人のスケジュール管理のやり方を確認したうえで、「カレンダーアプリでスケジュールを管理する」「予定の30分前に通知が届くように設定する」などのアドバイスをすると良いでしょう。
失敗を責めるのではなく、「どうすれば上手くいくか」を一緒に考えてあげることで、新入社員は過度に失敗を恐れずに仕事に取り組めるはずです。

まとめ

今回は新入社員が抱えやすい悩みについて解説しました。
新入社員の悩みは、「環境の変化に対応できない」「上司や先輩に話しかけにくい」「思うように仕事がこなせない」など実にさまざまです。新入社員の悩みにいち早く気づけるように、上司や先輩から積極的に話しかけたり、定期的な個人面談を実施したりするのがおすすめです。
新入社員が相談してくるのを待つだけでなく、企業でできることを積極的に実施していきましょう。