このページのまとめ
- やる気のない社員は、主体性がなく同じミスを繰り返す傾向にある
- やる気のない社員は、職場の空気を悪くし、ほかの社員の業務量を増やす原因となる
- やる気のない社員を減らすために、適切な目標を設定することが大切
従業員のモチベーション維持は、企業の大きな課題の一つです。やる気のない社員がいると、職場全体の雰囲気が悪くなり、社員が大量に離職してしまう可能性があります。本記事では、「社員のモチベーションを向上させたい」と悩む企業担当者の方に向けて、やる気のない社員の特徴や、効果的な改善策を紹介します。従業員のモチベーションを管理するための参考にしてみてください。
やる気のない社員の特徴
やる気がない社員は、次のような特徴を持っている傾向があります。
主体性がない
やる気のない社員は主体性がなく、仕事を他人事として捉えています。
チームのメンバーが困っていても、「自分の業務には関係ない」と考えて積極的に手を差し伸べようとしません。また、上司から資料作成を頼まれた際は、「どのような情報を集めるべきか」「どのような手順で作成するのが効率的か」などを深く考えずに作成してしまいます。
そのため、上司が一から細かく指示を出さないかぎり、こちらが求める水準で仕事を仕上げてもらうことは難しいでしょう。
同じミスを繰り返す
仕事を覚えようとする意欲が低く、同じミスを繰り返すこともやる気のない社員の特徴です。
同じミスを指摘されても「次は気をつけよう」とは思わず、「誰かがミスに気づいて指摘してくれるから大丈夫」と捉える傾向があります。
やる気のない社員は、意識しているのにミスを繰り返してしまうのではなく、意識していないことでミスを繰り返してしまうのです。
責任転嫁する
やる気のない社員は、仕事でミスをしたときに責任を他人に押し付ける傾向があります。
たとえば、上司からの指示を誤って解釈して仕事を進めてしまったときに、「上司の伝え方が悪い。自分は言われたことをやっただけ」と責任転嫁してしまうケースがあります。
仮に上司の指示に不備があったとしても、「疑問点を質問する」「3割ほど業務が進んだタイミングで上司に確認してもらう」などの対応を行うことで認識の相違が生じるのを防げたかもしれません。
責任転嫁ばかりをしていると、「次はこうしよう」という反省につながらず、いつまでも成長できなくなってしまいます。
やる気のない社員が企業に与える影響
やる気のない社員は、企業にとってどんな影響があるのでしょうか。
ここでは、やる気のない社員が企業に与える影響を3つ紹介します。
社内の空気が悪くなる
やる気のない社員がいると、社内の空気が悪くなります。
「遅刻や欠勤が多い」「めんどくさそうに仕事をしている」「仕事中にサボっている」などの特徴を持つ社員が近くにいると、周りの社員はポジティブな気持ちで働きにくくなるでしょう。
人の感情は伝染するため、やる気のない社員の態度が周囲に悪影響を与える可能性があります。
ほかの社員の業務負荷が高くなる
やる気のない社員は生産性が低く、ほかの社員が業務をカバーしなければならないことがあります。
一日の生産性に問題はなくても、勤怠不良でやるべき仕事が終わっていないケースもあるでしょう。
その場合、ほかの社員が代わりに業務を行わなければならず、心身ともに多くの負担がかかってしまいます。
優秀な人材が定着しない
やる気のない社員がいることで、優秀な人材が離職してしまうケースがあります。
優秀な社員ほど周りの社員のフォローを任されることが多く、自分の業務のほかにやる気のない社員の業務を行わなければならない状況になりやすいといえます。
そのため、自分のスキルアップに時間を避けず、業務量のみが多くなって退職を考えてしまう可能性が高くなります。
やる気がない社員が生まれる原因
やる気がない社員が生まれる企業には、次のような傾向があります。
待遇面が悪い
給料や福利厚生などの待遇面が悪いと、やる気がない社員が生まれる原因となります。
仕事に強いやりがいを感じている社員なら、待遇面が悪くても前向きに仕事に取り組めるケースもあるでしょう。しかし、仕事にやりがいが持てず、待遇面にも不満がある社員は、モチベーションを維持するのが非常に難しくなります。
「頑張っても待遇が変わらない」という諦めの気持ちから、やる気のない社員が生まれてしまうこともあるでしょう。
企業理念が浸透していない
企業理念が浸透していない企業では、やる気のない社員が生まれやすくなります。
「何のためにこの仕事をやるのか」という目的が明確に理解できていないと、目の前の仕事を「作業」としてこなすようになってしまうでしょう。
社員のやる気を維持するためには、企業理念に基づいた仕事の意義を伝えることが重要です。
上司や同僚との関係が悪い
上司や同僚との人間関係が悪い職場でも、やる気のない社員が生まれやすいでしょう。
はじめは仕事にやりがいを持っていた社員でも、自分の意見をすぐに否定されたり、小さなミスをきつく責められたりする環境では、「頑張っても報われない」と感じやすくなります。
また、質問しにくい雰囲気がある場合も、スムーズに仕事ができずにモチベーションが低下してしまう可能性が高くなります。
社員にやる気を出させるための対策
社員にやる気を出させるために企業ができる対策はあるのでしょうか。
本章では、以下の4つの対策について解説します。
適切な目標を設定する
社員のやる気を引き出すためには、適切な目標設定が大切です。
社員のレベルに合っていない「高すぎる目標」を設定してしまうと、目標達成のイメージができずにモチベーションが下がってしまいます。
たとえば、営業職で入社したばかりの新入社員に「月10件の契約」という高い目標を設定しても、達成は難しいでしょう。営業経験がない新入社員には、以下のように本人のレベルに合わせた目標を設定する必要があります。
- 先輩の営業現場に付き添う
- アポイントの電話を◯件かける
- 月に1件の契約
社員のレベルに合った目標を設定すれば、達成できる喜びを感じられるため、やる気を引き出すきっかけとなるでしょう。
コミュニケーションを活性化する
社内のコミュニケーションを活性化させることも重要です。
上司や同僚に仕事の悩みを気軽に相談できるようになれば、人間関係のストレスが軽減されます。
また、報連相がしやすくなり、業務がスムーズに進みやすくなるでしょう。
柔軟な働き方を取り入れる
テレワークやフレックスタイム制など、柔軟な働き方を取り入れることも効果的です。
特に、毎日の通勤に睡眠時間や体力を大きく削られている社員は、テレワークを導入することでやる気が回復するかもしれません。フレックスタイム制度を導入し、勤務時間を柔軟に調整できるようにすることも体力の回復に役立つでしょう。
疲労をため込まずに働ける環境を整えることで、社員のやる気がアップする可能性があります。
明確な人事評価制度を設ける
人事評価の基準が明確だと、「頑張った分だけ評価につながる」というモチベーションが生まれやすくなります。評価基準があいまいな場合や、評価が昇給につながりにくい場合は、評価制度の見直しを行う必要があるかもしれません。
「正当な評価を受けていない」と感じる状況が続くと、社員の退職が相次ぎ、採用コストや教育コストがかさんでしまう原因となります。
社員のモチベーションの維持はもちろん、離職率の上昇を防ぐためにも、評価制度の見直しを検討してみましょう。
まとめ
本記事ではやる気のない社員について解説しました。
やる気のない社員がいると、周囲のモチベーションが大きく下がってしまいます。
企業全体の生産性の低下や離職率の上昇につながるおそれがあるため、放置せずに早めの対策をとりましょう。まずは社員のやる気が低下している要因を探り、改善できるポイントがないかを考えることが重要です。本記事の内容を、社員のモチベーション管理に役立ててみてください。