このページのまとめ

  • ゼネラリストとは、幅広い職種の知識や経験を持つ従業員
  • ゼネラリストは、「管理職」「マネージャー」「人事」などに向いている
  • ゼネラリストばかりだと、考え方が似た従業員が増えるため、注意が必要

ゼネラリストとは、さまざまな職種の知識や経験を持つ人物のことを指します。社内にゼネラリストがいることで、多職種のメンバーをまとめるプロジェクト責任者や、従業員のマネジメントなどを任せることができます。今回は、ゼネラリストに必要な能力や、ゼネラリストの強み・弱みについて解説します。ゼネラリストの採用や育成を検討している企業は、参考にしてみてください。

ゼネラリストとは 

ゼネラリストとは、幅広い分野や職種の知識、経験を持つ人物のことです。さまざまな経験を積み、どのような職種でも問題なく業務ができる人物のことをゼネラリストと呼びます。ゼネラリストの特徴は、複数の業務経験を活かし、また新たな業務のスキルへと発展できる点です。また、新しい業務に変わっても、適応しやすく、成果を出しやすい特徴もあります。ゼネラリストと対になる言葉として、スペシャリストがあります。

スペシャリストとの違い

スペシャリストとは、一つの分野に特化し、専門的なスキルや技術を持つ人物のことです。たとえば、研究職や技術職の人材は、スペシャリストになりやすい傾向があります。スペシャリストの場合、一つの分野に特化しているため、ほかの従業員よりも成果を出しやすいメリットがあります。また、新しい発見や、基礎技術の応用にも力を発揮するでしょう。その一方で、専門とする分野以外の知識は少なく、業務範囲が狭くなるデメリットもあります。組織では、スペシャリストとゼネラリストのどちらかだけを集めるのではなく、バランスが必要です。

ゼネラリストに必要な能力

ゼネラリストに求められる能力には、次のようなものがあります。

コミュニケーション力

1つ目が、コミュニケーション力です。
部署の垣根を越えてさまざまな職種のメンバーと連携する場面が多いため、誰とでも臆せずにコミュニケーションがとれる力が求められます。

リーダーシップ

2つ目が、リーダーシップです。
ゼネラリストは、一つのプロジェクトの企画から実行までを取りまとめる役割を担うことがあります。メンバーの意見が分かれたときは、自らが責任をもって最終決定を行うことが求められます。
また、トラブルが発生した際に率先して解決策を考え、先頭に立ってメンバーを引っ張る力も必要です。

さまざまな分野の知識

3つ目が、さまざまな職種の知識です。
多職種のメンバーをまとめるためには、各職種の業務内容を理解する必要があります。
それぞれの業務を進めるために必要な人数や期間、想定されるトラブルなどを把握できれば、無理のない行動計画が立てられるようになるでしょう。
また、他職種のメンバーが集まって打ち合わせを行う際に、話の内容をスムーズに理解することができます。

ゼネラリストの強み 

ゼネラリストの採用に向け、ゼネラリストが持っている強みを知っておきましょう。従業員に役割を与えるためにも、参考にしてください。

リーダーやマネージャーに適している

ゼネラリストは、リーダーやマネージャーとしての活躍が期待できます。
組織を大きくするためには、目標達成のために組織をまとめられる存在が必要です。
現場でさまざまな経験を積んできた人物がリーダーやマネージャーに就任することで、現場の実情を理解したマネジメントができるようになるでしょう。

状況に合わせて柔軟に仕事を任せられる

社内の状況に応じて柔軟に仕事を任せられることも、ゼネラリストの強みです。
たとえば、欠員が発生した部署の業務を任せたり、従業員の教育を担当してもらったりすることができます。
幅広い業務に対応できるため、自社の人員状況に合わせて柔軟に仕事をこなしてもらえるでしょう。

ゼネラリストの弱み 

ゼネラリストにはさまざまな強みがある一方で、次のような弱みもあります。

実務スキルが不足している

ゼネラリストはさまざまな分野の知識がある一方で、実務を行うためのスキルを持っていない傾向があります。
たとえば、システム開発の基本的な知識のみを持っている場合、問題解決のアイデアは出せるものの、実際に自分で手を動かしてアイデアを実行することは難しいでしょう。
Web広告のマーケティング戦略を立てることはできても、広告の入稿や運用の経験がなければ誰かに任せざるを得なくなります。
このように、ゼネラリストには計画から実行までの一連の業務を一人で完結させるのが難しい傾向があります。

スキルの差別化が図りにくい

ゼネラリストが増えると、スキルの差別化が図りにくくなります。
専門分野に特化したスキルを持つスペシャリストに比べて、さまざまな分野の知識を幅広く身に付けているゼネラリストは、自分自身の強みが分からなくなってしまうかもしれません。
幅広い知識を身に付けながらも、自分の得意分野を見つけていくことが大切です。

ゼネラリストに向いている職種・役職

ゼネラリストに向いている職種・役職には、次のようなものがあります。

管理職

1つ目が、部下をマネジメントする管理職です。
さまざまな現場での経験を活かして部下をマネジメントすることで、部下の抱えている悩みにいち早く気づいたり、具体的なアドバイスをしたりすることができるでしょう。
プレイヤーとして高い成果を残した実績だけでなく、思うように成果が出せずに苦しんだ経験も、部下のマネジメントに活かせるはずです。

人事

2つ目が、人材の採用を担当する人事です。
人事担当者は、職種を問わず、社内のさまざまな部署の人材採用に関わります。
自社の求人に応募してきたすべての求職者の窓口となることが多いため、各部署の業務内容や求めるスキルを詳しく把握しておくことが求められます。
さまざまな職種の知識を身に付けることで、自社の人材採用に活かすことができるでしょう。

転職エージェント

3つ目が、転職・就活エージェントです。
転職・就活エージェントは、求職者に合った職種や企業を提案するために、幅広い職種の知識が求められます。営業・マーケティング・人事・労務などのさまざまな職種の知識があるほど、より多くの求職者のサポートができるようになるでしょう。

ゼネラリストの育成方法 

ゼネラリストの育成には、ジョブローテーションが効果的です。
従業員にさまざまな部署の業務を経験させることで、ゼネラリストに必要な知識とスキルが身に付きやすくなるでしょう。
社内でゼネラリストを育成する際には、ジョブローテーションの導入を検討してみてください。

まとめ

今回はゼネラリストについて解説しました。
さまざまな職種のメンバーを取りまとめて事業を前進させるうえで、ゼネラリストの存在は重要です。ゼネラリストを社内で育成する際には、業務に必要な幅広い知識を身に付けられるように、ジョブローテーションを行ってみると良いでしょう。