このページのまとめ

  • Z世代の働き方とは、1996年以降に生まれた世代のこと
  • Z世代はデジタルに強く、グローバル意識が高い特徴がある
  • Z世代と接する際は、価値観の尊重と個別のコミュニケーションが重要

企業を担う人材として、Z世代が増加しています。1996年以降に生まれたZ世代に対して、接し方に悩む担当者も多いことでしょう。また、Z世代が希望する働き方は、従来の世代とは異なる傾向にあります。Z世代の希望する働き方を知ることで、定着率や成果の向上につながるでしょう。このコラムでは、ℤ世代の従業員とスムーズにコミュニケーションをとるためのポイントを解説します。

Z世代とは

Z世代とは、1996年以降に生まれた世代を指します。現代では、世界人口の3分の1を占めると言われています。企業においてZ世代が占める割合も多く、今後の企業を支えていく存在です。そのため、Z世代との接し方や、育成方法などを知っておく必要があります。

ミレニアル世代とは

ミレニアル世代とは、1980年から1995年に生まれた世代のことを指します。Z世代の前の世代にあたります。アメリカでは、Y世代とも呼ばれており、ミレニアル世代と同じです。日本では、労働人口を担う世代が、ミレニアル世代とZ世代の人材になりつつあります。そのため、ミレニアル世代とZ世代の従業員が良好な関係性を築くことが、働きやすい職場環境づくりにつながるでしょう。

Z世代の特徴

Z世代と接するにあたって、Z世代の特徴を知っておきましょう。Z世代には、次のような特徴があります。

デジタルに慣れている

Z世代は、生まれたころからデジタル機器に囲まれた生活を送っています。そのため、デジタルに慣れ親しんでおり、適応も早い世代です。情報リテラシーも高く、セキュリティの問題にも敏感です。

グローバル意識をもつ

インターネットを通じて世界の情報に慣れ親しんでいるZ世代は、グローバル意識が強い傾向があります。日本国内だけではなく、海外も意識した幅広い考えを実現できるでしょう。また、留学も一般化しており、外国語が話せる人材も増加しています。企業がグローバル化を進めるにあたって、欠かせない人材になることでしょう。

コミュニティを重視

SNSなどの発展もあり、コミュニティを重視する傾向にあります。誰かと同じコミュニティに属することで、居場所を感じるためです。また、仲間意識も強く、感情や経験を誰かと共有したいと感じることもZ世代の特徴です。1人で行動するのではなく、誰かと一緒にいることで、自分の居場所を作っています。

Z世代の働き方

Z世代の働き方の価値観には、次のようなものがあります。

プライベート重視

Z世代の傾向として、プライベートを重視します。ワークライフバランスという言葉も普及しているように、仕事とプライベートの調和を大切にする生き方を選ぶ人材が増加しています。残業や休日出勤はなるべくせず、オンとオフのメリハリをつけて働きたいと考えている方が多いといえます。

安定した働き方を重視

Z世代は、安定した働き方を重視しています。昇進を打診されても、責任感が増えることから現状維持を選択するケースもあります。

多様な働き方に適応できる

リモートワークや副業などの多様な働き方に触れているZ世代は、社会の変化に対応しやすい世代といえます。また、電話やメール、社内SNSなどのさまざまなツールを状況に応じて使い分け、柔軟にコミュニケーションをとることができる点も特徴です。

転職に前向き

転職に抵抗がなく、前向きなのもZ世代の特徴です。背景には、終身雇用が崩れている社会状況も影響しています。Z世代の転職は多く、転職をスキルアップと前向きに捉える点も特徴です。また、ブラック企業が話題になったこともあり、無理して働くよりも、職場を変えたほうが良いと判断する傾向にあります。このように、Z世代は終身雇用の意識ではなく、転職に前向きな意識を持っています。今後も人材の流動化が進むことでしょう。

早期リタイアを考えている

近年では、「FIRE」が注目されているように、早期リタイアを考える人材も増加しています。Z世代にも早期リタイアを考えている人が多い状況です。60歳までに仕事を辞め、プライベートや趣味を充実させたいと考える人材が増加しています。

Z世代が苦手な企業の特徴

Z世代が苦手な企業の特徴を知っておきましょう。苦手な企業を把握しておくことで、離職しないように対策ができます。

残業が多い

プライベートの時間を重視するZ世代は、なるべく残業をしたくないと考えています。そのため、成果を上げるために労働時間を増やすことを善とせず、決められた時間の中で成果を上げることを重視する企業が選ばれる傾向にあります。残業が多い企業は、「残業をしないと評価されないかもしれない」「定時で帰りにくい雰囲気がありそう」といったマイナスなイメージを持たれてしまう可能性があります。

過度なコミュニケーションが求められる

プライベートを重視するZ世代は、自分のために時間を使う傾向にあります。そのため、飲み会などはプライベートの時間が減ると考え、苦手とするケースが多い状況です。仕事をプライベートに持ち込みたくないと考えているため、過度なコミュニケーションには注意しましょう。

ノルマを設定している

ノルマを設定している企業は、「ノルマを達成しないと罰則がある」「上司にきつく責められる」といったネガティブなイメージを持たれてしまう傾向があります。また、ノルマを達成するために残業が必要になるかもしれないと考える方もいるでしょう。仕事とプライベートのバランスを大切にするZ世代にとって、心身の負担が大きい業務を行う企業は敬遠されてしまうかもしれません。

効率が悪い

Z世代は生産性を重視し、効率の悪い働き方を嫌います。たとえば、ゴールが明確に設定されていない会議に出席することに疑問や不満を感じてしまいます。体裁を保つことが目的になっている業務があれば、「この業務は本当に必要か」「もっと効率的に進める方法はないか」を見直してみると良いでしょう。

副業禁止

本業だけではなく、副業で稼ぐ人材も増加しています。副業禁止の企業は避けられやすいため、注意しましょう。現代では、多様な働き方が実現し、副業の種類も増えています。本業以外にもチャレンジしたいことがある従業員は、副業ができる企業を求めるでしょう。また、本業だけでは生活が不安であり、副業を始めるZ世代も増加しています。副業禁止の企業は、優先度が下がるため、注意しましょう。

Z世代への接し方 

ここでは、Z世代への具体的な接し方をご紹介します。

個々へのコミュニケーションを深める

Z世代は、個々のコミュニケーションを重視します。多人数よりも、一対一で話すことを好むため、覚えておきましょう。一対一を好む背景には、SNSの増加など、個別で会話する機会が多い点があります。Z世代と話す時は、大人数よりも、個別へのコミュニケーションを心掛けましょう。自分のことを考えてくれている、よく見てくれていると感じてもらうことで、信頼関係の形成につながります。

信頼してもらえる関係性を築く

一人ひとりと向き合い、信頼してもらえる関係を作りましょう。企業や上司に対する信頼関係をもってもらうことで、話し合いができる関係性ができます。Z世代は個々のつながりを重視するため、信頼関係がより重要です。一度、信頼できないと思われると、大きな壁ができてしまいます。コミュニケーションをとりながら、まずは信頼関係の形成を目指しましょう。

価値観を尊重する

自分の価値観や意見を押し付けず、まずはZ世代の価値観を受け入れてあげましょう。たとえば、ワークライフバランスを大切にしているZ世代に対して「社会人なら仕事を一番に考えるべきだ」という考えを押し付けてしまうと、反発につながるケースがあります。また、プライベートな問題に過度に踏み入ると、信頼関係が崩れてしまう可能性があります。Z世代が大切にしている価値観を受け入れたうえで、お互いが納得できる働き方を探っていきましょう。

デジタルへの強さを活かす

デジタルに強いZ世代には、社内SNSをはじめとするツールを上手く活用してコミュニケーションをとることが大切です。また、業務でも新しいツールの導入を行う際に柔軟な対応力を発揮します。Z世代の強みを活かせる業務を積極的に任せることで、仕事のモチベーションも高められるでしょう。

まとめ

Z世代は、従来の世代とは違った価値観をもちます。特に、プライベート重視の考え方は、「仕事が第一」と考えていた世代とは大きく異なる価値観です。従来の価値観を押し付けてしまうと反発を招いて信頼関係を失う可能性があるため、注意しましょう。Z世代はデジタルに強く、グローバル意識も高い傾向にあります。企業の発展に貢献できる人材のため、適切な接し方を学び、Z世代の強みを活かした働き方を提示してあげましょう。