「新入社員がうまく育たない…」
「新人がすぐに辞めてしまう…」

このような悩みを持つ管理職も多いでしょう。新入社員に適切な教育を施すことで、新人の能力が向上するのはもちろん、モチベーションを高めて早期離職を防ぐ効果も期待できます。

本記事では、新入社員教育の重要性や大まかな流れ、教育を成功させるためのポイント・注意点について解説します。新入社員教育を成功させ、チームの柱となる人材を育成したい方は、ぜひ参考にしてください。

この記事の監修者
曽和 利光(そわ・としみつ)
株式会社人材研究所 代表取締役社長

新卒で株式会社リクルートに入社後、ライフネット生命保険株式会社と株式会社オープンハウスを経て、2011年に株式会社人材研究所を設立。「人と、組織の可能性の最大化」をテーマに掲げ、人事、採用にコンサルティング事業などを展開。『人事と採用のセオリー』など、これまで多くの書籍を出版し、いずれも大きな話題を集めている。

新入社員の教育が大切な理由

新入社員の教育が重要な理由について解説します。

組織の戦力として育て上げるため

新入社員には業務に必要な知識やスキルを身につけさせ、組織の戦力として育て上げる必要があります。新入社員の多くは業務に関する知識・スキルをほとんど持っておらず、そのままでは何もできない可能性が高いからです。

ハーバード・ビジネス・レビューに掲載されている論文によると、新入社員が完全な戦力になるまでに約8ヶ月かかるといわれています。営業職の新入社員に例えると、取引先との商談やアフターフォローなど、部署の業績に直結するような業務がほぼ1人でできるようになるまで、8ヶ月程度かかることになります。

もちろん、業界や職種によって、新入社員の教育にかかる期間は多少異なります。また、前職で経験がある中途採用の新人であれば、必要な教育期間はさらに短くなるでしょう。しかし、どれだけ優秀な人材でも、入社後に何も教えずに即戦力となるケースは稀だと考えられます。

以上のことから、新入社員に対しては組織を挙げて、根気よく丁寧に教育することが重要です。

社内のルールや理念を学ばせるため

新入社員教育では、社内のルールを教える必要があります。ここでいうルールとは、就業規則だけでなく、職場独自の規則や暗黙のルールも含みます。後々問題にならないよう、これらのルールはきちんと伝えておくことが重要です。

また、新入社員には会社の理念や価値観を共有することも大切です。管理部門向けWebメディアのManegyが実施した調査によると、「経営理念やMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)への共感度が高い人ほど、仕事へのモチベーションが高い」ことがわかっています。会社の理念や価値観、目標などを知ることで、自分の仕事がどのように会社に貢献しているかを認識でき、「会社を成長させたい」という意欲が強まるからだと考えられます。

早期離職を防ぐため

新入社員への適切な教育は、早期離職を防ぐ効果も期待できます。

経営コンサルティングを行うウィンハーストグループによると、「適切な新人教育を受けた従業員は、3年後も組織に留まる可能性が58%高くなる」ことがわかっています。大切にケアされることで、自分は組織にとって必要な人材であることを認識でき、モチベーションを高く維持できるためだと考えられます。

一方で、適切な新人教育を受けられなかった従業員は、短期間で退職する可能性が高いともいえます。以下は、人事・教育コンサルティングを行う株式会社情熱が、新入社員を対象に実施した調査結果の一部です。

▼Q.「今の会社でどのくらいの期間、働こうと考えていますか?」

入社直後入社半年後
1年未満1.1%8.9%
1~3年23.7%41.8%

上記の結果を見ると、新入社員の多くは入社後半年以内、すなわち新人教育を受けているであろう期間中に、すでに離職を検討していることがわかります。このことから、新人教育の満足度と離職率には相関関係があるといえます。

参考:

Harvard Business Review “Technology Can Save Onboarding from Itself”

Manegy「【2023年調査】自社の経営理念やMVVへの共感者は意外と多い!? 管理部門担当者の意識調査結果を発表」

@人事「入社半年の新入社員がモチベーションを下げる理由と3つの改善策」

新入社員の教育に悩む上司は多い

新入社員を教育するにあたって、悩みを抱えている上司は多いといわれています。

AI活用学習プラットフォームを提供するユームテクノロジージャパン株式会社が、管理職を対象に実施した調査によると、「新入社員の受け入れに関して、悩みはありましたか」との問いに、74%が「あった」と回答しています。以下は、同調査で挙げられた主な悩みの内容です。

悩み回答割合
コミュニケーションにおいて、どの程度踏み込んで良いかわからない79.7%
配属される新入社員の特徴(強み・弱み)がわからない58.1%
適切な指導方法がわからない47.3%
新入社員の研修での学習内容・状況がわからない43.2%
新入社員との関係構築が難しい36.5%

上記のような問題が起こる要因の1つとして、ハラスメントの基準が厳しくなったことなどにより、一昔前までの新入社員教育のやり方が通用しなくなったことが考えられます。社内で新人教育の適切なノウハウが共有されておらず、行き当たりばったりで教育しようとするために、うまくいかないのかもしれません。

ほかにも、新入社員の採用活動や研修を人事部任せにしていることも、上記の悩みの原因と考えられます。現場の上司が一切採用や研修に参加しなければ、新人の人柄や能力を詳細に知ることは難しいでしょう。

本記事では、新入社員教育を成功させるポイントについて、必要な事前準備の内容も含めて解説します。

参考:

PR TIMES「【受け入れ先上司の「22卒新人配属」に関する悩み】『コミュニケーションでどの程度踏み込んでいいか分からない…』74%の上司が、新入社員の受け入れに関して悩んで経験あり」

新入社員教育の事前準備

ウェストバージニア大学の情報をもとに、新入社員を教育するにあたって、事前に準備しておくべきことを解説します。

教育計画を立てる

人手や予算が限られた中で新入社員教育を成功させるためには、教育計画を作成することが非常に重要です。新入社員に対して、

などが明確になるからです。

以下は、厚生労働省の「『事業内職業能力開発計画』作成の手引き」をもとにした、新入社員の教育計画の作成手順です。

手順概要
1. 人材の育成方針を定める会社の経営理念や目標をもとに、経営の目的に沿った育成方針を設定する「関係者全員の幸福を追求する」という理念のもと、協調性の高い人材を育てる
2. 職務遂行に必要な能力を整理する業務に必要な職業能力を洗い出し、体系的に整理する・会社の規則や仕事に関して必要な知識を身につけ、実行できる・わからないことは自分から聞き理解できる
3. 教育ニーズを確認するどのような教育が求められているのか、3つの側面からニーズを確認する
・経営戦略上のニーズ
・現場のニーズ
・個人のニーズ
今後海外事業を拡大するために、外国語が堪能な人材を育てたい
4. 教育計画を立てる5つの項目を含む教育計画書を作成する
・目標
・教育・訓練方法
・進捗
・予算・コスト
・評価基準
別記事参照(※)

※新入社員の教育計画の立て方について詳細を知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

▼関連記事

新入社員の教育計画の作成方法を記入例つきで解説!

教育担当を決める

経験豊富な先輩社員の中から、新入社員の教育担当を決めておきましょう。

入社したばかりの社員は、仕事の進め方や会社のルールなど、わからないことが多くあります。そのため、いつでも質問や相談できる社員を身近に置いておくことが重要です。

▼(例)教育担当の役割

なお、教育担当になった社員は、自分の通常業務に加えて、新入社員の教育にあたらなければなりません。したがって、該当社員には教育担当をお願いできるか、事前に相談しておくことが大切です。また、教育担当を引き受けてくれた場合は、感謝の気持ちを忘れずに伝えましょう。

ウェルカムメッセージを送る

新入社員が入社もしくは配属される前に、ウェルカムメッセージを送りましょう。ウェルカムメッセージを送る目的は、主に以下の2つです。

▼(例)ウェルカムメッセージ

入社おめでとうございます!田中さんを新しい仲間として迎えられることを、営業部のメンバー共々楽しみにしています。
採用面接を担当した社員より、田中さんのコミュニケーション能力が非常に優れていると聞いています。田中さんの才能と情熱が、我々のチームに新たな風を吹き込んでくれることでしょう。
困ったことやわからないことがあれば、いつでも気軽に声をかけてください。これからの活躍に期待しています!

【連絡事項】配属日の4/15までに、以下の準備をお願いします。
・入社書類一式(全5種類)
・通勤届
・住宅手当申請書

また、4/18の18時より、営業部で田中さんの歓迎会を実施予定です。日程に問題がないか、4/7までにご連絡ください。

新人の情報を他の社員に伝える

新入社員の情報を、部署やチームのメンバーへ事前に伝えておくことも重要です。

名前や出身地、趣味などの情報を共有しておけば、他の社員が新人とコミュニケーションを取りやすくなる可能性が高いです。たとえば、新入社員の趣味がゴルフだと伝えておけば、ゴルフ好きの社員は「ベストスコアは?」「今度一緒に回ろうよ」など、新人との会話のきっかけが作れるでしょう。新入社員にとっても、周りの社員から積極的に話しかけてもらえれば、緊張がほぐれて心地よさを感じるかもしれません。

また先ほども述べたように、新人の情報を詳細に知るためには、採用活動や研修を人事部任せにせず、現場の上司自らが積極的に参加することが大切です。

▼(例)新人に関する情報の共有

新入社員の田中さんが4/15、営業部に配属されます。以下は、田中さんの情報です。
・氏名:田中 太郎
・出身地:神奈川県
・出身大学:ABC大学
・趣味:ゴルフ
おそらく初日は緊張されていると思うので、皆さん積極的に話しかけてあげてください!

参考:

West Virginia University “A People Leader’s Guide To Welcoming New Employees.”

厚生労働省「『事業内職業能力開発計画』作成の手引き」

1年目終了までの新入社員教育の流れ

ウェストバージニア大学の情報をもとに、初日から1年目終了までの、新入社員教育の大まかな流れを解説します。

※ここで解説する内容は、入社後の新入社員研修を終え、所属部署に配属された後の流れを想定しています。また、会社や職種、職歴などによって教育期間は異なるため、あくまで目安として考えてください。

初日~1週目

初日から1週目まではまず、これから仕事をする上で必要な準備をします。最初に準備をしておけば、その後は新入社員がスムーズに職場へ適応し、業務に取りかかれる可能性が高いからです。

具体的には、以下のような作業に取り組むのがよいとされています。

また初日の終わりには、1日を終えてどうだったか、感想を尋ねてみましょう。新入社員への興味・関心を示すことで、新人に「自分は歓迎されている」と感じさせるためです。

1ヶ月目まで

準備期間が完了したら、以下のような仕事の概要を説明しましょう。

上記の内容を説明しておくことで、新入社員は仕事の意図(「自分がなぜ今の仕事をしているのか」「自分は会社にどのように貢献しているのか」など)が理解でき、モチベーションを高く維持できる可能性が高いです。

仕事の概要を伝えたら、実際に業務に取りかからせます。最初は先輩社員の近くで簡単な業務から始めて、成功体験を積ませるのがよいとされています。

▼(例)1ヶ月目の業務

3ヶ月目まで

3ヶ月目にもなると、新入社員も徐々に仕事に慣れてきていることでしょう。引き続き上司や先輩社員がサポートしながら、業務の幅を広げていきましょう。

▼(例)3ヶ月目の業務

また、業務の幅が広がるにつれて、新入社員の仕事ぶりに長所や課題点が見えてくる可能性があります。そのため、上司や先輩社員から適宜フィードバックを行うことも大切です(フィードバックの重要性ややり方は後ほど解説)。

6ヶ月目まで

6ヶ月目までには知識やスキルが向上し、新人1人でできることも増えているはずです。周囲からのサポートを少しずつ減らし、独り立ちに向けて準備を進めましょう。

具体的には、上司や先輩社員と業務目標を設定し、目標達成に向けて取り組ませるのがよいとされています。

▼(例)6ヶ月目の業務目標例

また先ほども述べたとおり、新入社員の多くは6ヶ月目までに、その会社に残るかを決める傾向にあります。新入社員のモチベーションが下がらないよう、こまめにフィードバック面談などを実施し、コミュニケーションを取ることも重要です。

なお、新入社員の目標設定の方法について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

1年目終了まで

1年目の終了時点では新入社員が自立し、チームの戦力として働いているのが理想です。

とはいえ、新入社員が入社後たった1年で、業務に必要な知識・スキルをすべて習得するのは難しいかもしれません。そのため、必要に応じて上司や先輩社員からサポートを行うことが重要とされています。

▼(例)上司・先輩社員のサポート

新入社員を教育する際のポイント・注意点

新入社員を教育する際のポイントや注意点について、ハーバード・ビジネス・レビューに掲載されている論文をもとに解説します。

初日は歓迎ムードを全開にする

新入社員に対しては、部署やチーム全体で歓迎している姿勢を見せることが重要です。とくに入社・配属初日は、歓迎ムードを全開にしましょう。

多くの新入社員は、新しい職場へ何かしら不安を感じているといわれています。株式会社ビズヒッツの調査でも、「新しい職場で働くとき不安を感じますか?」との問いに、97.2%が「感じる」と回答しています。

もし新入社員が「自分は歓迎されている」と感じられれば、緊張もほぐれ、会社に対してよい印象を抱くでしょう。その結果、仕事のモチベーションが高まり、成長スピードも促進される可能性があります。

新入社員に歓迎ムードを感じさせるには、部署やチームのメンバー全員がその新人に興味・関心を示すことが大切とされています。先ほども述べたとおり、「新入社員の情報を事前に他の社員に伝えておく」のは、そのための準備です。もしスケジュールが合えば、歓迎会を開催するのも効果的かもしれません。

敬意を持って接する

年齢やスキルに関係なく、新入社員には敬意を持って接することが重要です。

株式会社ビズヒッツが、「職場に嫌いな上司がいる」人を対象に実施した調査では、「嫌いな上司の特徴」として以下が挙げられました。

順位特徴割合
1位相手によって態度を変える12.8%
2位仕事を押しつける/仕事をしない12.0%
3位高圧的/偉そう11.5%

上記の結果を見ると、部下に敬意を払わない上司は嫌われる可能性が高いことがわかります。

また、上司は他の社員に対しても、新入社員に敬意を持って接するよう指導しなければなりません。ニューヨーク州立大学バッファロー校の研究によると、職場で自分が大切に扱われていないと感じる従業員は、他の社員のことも同様に軽視し始めることがわかっています。この状態を放置すると、組織は以下のような損害を受けるといわれています。

以上のことから、もし新入社員に対して敬意のない言動を取る社員が1人でもいる場合は、それが周りの社員にも伝染する前に、上司が早急に対処することが大切です。

ポジティブなフィードバックを積極的に行う

新入社員に成長が見られたときや、何かしらの成果を上げたときは、積極的にポジティブなフィードバックを行いましょう。

人事組織コンサルティング事業を手がける株式会社シェイクが、新入社員を対象に実施した調査によると、「どのようなときにモチベーションが高まるか」との問いに、主に以下の回答が得られました。

回答割合
誰かから成果や努力を認められたとき55.7%
自分自身の力で目標を達成したり、ものごとをやり遂げたとき47.1%
自分自身の成長を感じたとき44.1%

上記の結果を見ると、多くの新入社員は「周りから認められたい」「成長を実感したい」などの欲求を持っていることがわかります。そして、上司からのポジティブなフィードバックは、これらの欲求を満たすのに有効だと考えられます。

もちろん、場合によってはネガティブなフィードバックが必要なときもあるでしょう。しかし、上司から悪い部分ばかり指摘されると、新入社員のモチベーションが低下してしまう恐れもあるため、よいところはきちんと認めてあげることが大切です。

▼(例)ポジティブなフィードバック

「先週のプレゼンテーション、とても素晴らしかったですよ。とくに競合分析の部分は非常に詳しくリサーチできており、クライアントもその点に興味を持っているように感じました。」

質問しやすい文化を育む

新入社員が気軽に質問・相談できる文化を育みましょう。わからないことは1人で抱え込むよりも、その都度質問した方が早く解決し、成長スピードも上がるからです。

多くの新入社員は周囲に気を使い、質問したり助けを求めたりすることに躊躇しがちだといわれています。音声コミュニケーションツールを提供するVOICHAT株式会社が実施した調査によると、新入社員が質問・相談しにくい理由として、主に以下が挙げられています。

また同調査では、「新入社員時代、聞きたいタイミングで質問・相談できなかったことにより、どのような影響がありましたか」との問いに対して、主に以下の回答が得られました。

回答割合
仕事のモチベーションが低下した39.0%
サービスの品質が低下した36.6%
仕事中に不安や焦りを感じた29.3%

以上のことから、新入社員にとって質問・相談しにくい職場環境は、新人自身の成長やモチベーションに悪影響をおよぼす恐れがあります。そのため、新入社員が気軽に質問・相談できるよう、周りから積極的に働きかけることが重要といえます。

▼(例)質問しやすい文化の育み方

プライベートにも配慮する

新入社員に対しては仕事だけでなく、プライベートにも十分配慮することが大切です。

とくに、近年の若手社員は仕事とプライベートの両立、すなわち「ワークライフバランス」を重視する傾向が強いとされています。若者向けのマーケティング事業を行う株式会社SHIBUYA109エンタテイメントが、Z世代(15~24歳)を対象に実施した調査によると、全体の約9割は「ワークライフバランスを大事にしたい」と回答しています。

近年の若者は、幼少期からインターネットやSNSでさまざまな情報に触れており、興味・関心の範囲が他の世代よりも広いといわれています。そのため、仕事だけでなく趣味や家族との時間も大切にしているのでしょう。

以上のことから、上司は新入社員のプライベートにも配慮し、もしものときはチーム全体で助け合える環境をつくることが重要といえます。

▼(例)新入社員のプライベートへの配慮

参考:

Harvard Business Review “The Key to Retaining Young Workers? Better Onboarding.”

PR TIMES「新しい職場で不安になることランキング!男女500人アンケート調査」

PR TIMES「嫌いな上司の特徴ランキング!男女500人アンケート調査」

University at Buffalo “Toxic behavior recycled in the workplace, study finds”

PR TIMES「【調査レポート公開】2022年度新⼊社員のリアルと自律をうながす育成のポイント~モチベーションが高まるポイントは「承認」「達成」「成長」~」

PR TIMES「新入社員の約4割が、聞きたいときに質問・相談できないことで、モチベーションの低下を実感」

PR TIMES「24卒・25卒に聞く!Z世代のキャリア観に関する意識調査」

まとめ

新入社員教育の大まかな流れや、教育を成功させるためのポイント・注意点などについて解説しました。

適切な教育を受けられなかった新入社員は、その後早期離職する可能性が高くなるといわれています。新しい人材がなかなか定着せずに悩んでいる方は、新人教育のやり方に問題がないか、見直す必要があるかもしれません。

本記事で紹介した内容をふまえ、新入社員に適切な教育を施し、チームの柱となる優秀な人材の育成を目指してください。

人材研究所のコメント

新人の教育計画を立てる上では、スケジュールの作成に加えて、誰とアサインするかという「相性」も学習効果を最大化するために重要な要素です。調査によれば、相性が良いことが生産性の向上につながるとされているため、新人時代には安心感を確保しながら、生産性向上を見据えた配置が理想的です。あるクライアントのケースでは、適性検査の結果を活用し、入社1年目には性格の似た上司と部下のペアを組み、2年目以降はお互いの弱点を補い合い、強みを活かせる関係性を考慮して配置を決めました。その結果、離職率が前年比で8%減少し、現場からも「今期の新人は指導しやすく、生産性も向上している」というフィードバックが得られています。