新入社員がミスで落ち込むため、どう対応すべきか悩んでいる管理職の方もいらっしゃるでしょう。
ミスした社員を責めず、背景にあるプロセスを理解することが大切です。また、従業員が質問するなどの学習行動が取れるように、心理的安全性のある対応を意識しましょう。
この記事ではミスが起きる原因や、新入社員がミスで落ち込む前に上司が取るべき行動などについて解説します。
新入社員がミスを起こす原因

新入社員がミスを起こす原因として、以下の点が考えられます。
- 業務に慣れていない
- 不明点を質問しない
- 確認を怠る
業務に慣れていない
業務に慣れていないことは、新入社員がミスを起こす原因の一つでしょう。ウィメンズワークが行ったアンケート調査によると、ミスをしやすいときについて回答者の半分以上が「仕事に慣れていないとき」と答えています。業務知識やビジネススキルの不足によって、ミスをしてしまう新入社員もいるでしょう。
不明点を質問しない
新入社員が不明点を質問しない場合、業務が正しく理解できずミスに繋がる可能性があります。
VOICHAT株式会社が行った調査によると、新入社員のとき、相談や質問をしたいタイミングで満足にできていたと回答した人は18.3%でした。「満足にできていた」以外の回答者からは、質問や相談したいときにできなかった理由について、「上司や先輩の離席が多く、タイミングが合わなかった」「忙しそうだったので話しかけにくかった」などが挙げられています。
確認を怠る
株式会社ビズヒッツが仕事をしている男女を対象に行った調査によると、仕事でしがちなミスについて「確認不足・見落とし」と答えた人は全体で3番目に多い結果となりました。
新入社員がタスク管理を苦手としていた場合、スケジュールがうまく立てられないことも考えられます。締め切りまで時間の余裕がなく、確認を怠ってしまう場合もあるでしょう。
新入社員が抱える悩みついては、以下の記事もご覧ください。
参考:
[en]ウィメンズワーク「アンケート集計結果「仕事でのミス」について」
PR TIMES「新入社員の約4割が、聞きたいときに質問・相談できないことで、モチベーションの低下を実感」
株式会社ビズヒッツ「【仕事でやりがちなミスランキング】男女500人アンケート調査」
新入社員がミスを起こす職場の原因

新入社員がミスを起こす原因について、考えられる職場の問題を解説します。
- 従業員のミスを責める
- 十分に教育を行っていない
- 指示が明確でない
従業員のミスを責める
リーダーシップ開発コンサルタントであるマイケル・ティムズ氏による情報をもとに解説します。脳は非難と物理攻撃を同様に解釈し、責められた場合、エネルギーを自己防衛に向かわせます。そのため、責められている問題に対して解決能力を損なってしまうのです。
また、従業員のミスを責める職場では、「学習や問題解決ができない」、社員が「罰せられると思い、責任を取らない」「ミスから学ばずに失敗を隠す」といった事態にも繋がる可能性があります。
十分に教育を行っていない
教育が不十分だと新入社員が業務を適切に理解できないため、ミスが起きてしまうでしょう。
株式会社IDEATECHが運営するリサピー®︎では、新卒2年目の人を対象に調査を行いました。研修や業務内容にマイナスなギャップを感じたことについて、「十分でない研修」と回答した人は全体で2番目に多い結果となりました。
自社の教育体制が不十分でないか、一度見直すと良いでしょう。
指示が明確でない
新入社員は経験や知識量が異なるため、指示が明確でないと正確に理解できない場合もあるでしょう。曖昧なまま業務を進めてしまうとミスに繋がる可能性もあります。
株式会社SMBは、企業の役職者や社員を対象に調査を行いました。上司または社員とのコミュニケーションに不満を覚えることについて、「手順など指示が曖昧」と答えた人が一番多い結果です。
新入社員への指示は曖昧にならないように気をつけましょう。
職場環境を改善する方法については、以下の記事もご覧ください。
参考:
Harvard Business Review “Blame Culture Is Toxic. Here’s How to Stop It.”
リサピー®︎「1年目を終えた新入社員の “入社後ギャップ” を調査、「仕事量が多い」や「研修が不十分」などにマイナスなギャップを実感」
Biz Lib「【上司と社員のコミュニケーションギャップ調査】約4割が「指示や情報伝達に不満あり」認識の齟齬により取引先への契約不履行となったケースも」
新入社員がミスで落ち込む前に!上司が取るべき行動

ここでは、新入社員がミスで落ち込む前に上司が取るべき行動を紹介します。
- ミスを共有したことに感謝する
- ミスした新入社員を非難しない
- 自分のミスも認める
- 上手に失敗するステップを教える
ミスを共有したことに感謝する
ハーバード・ビジネス・スクールの教授であるエイミー C. エドモンドソン氏らが公開している情報をもとに解説します。
新入社員が助けを求めたり質問したりするためには、心理的安全性が重要です。心理的安全性は「仕事ができない人間だ」と思われる恐怖を減少させる効果があります。
心理的安全性がない場合、予防できるはずの失敗が起きてしまうリスクに繋がります。新入社員の意見やミスには関心のある態度で接し、「伝えてくれてありがとう」と感謝を示すことが大切です。
ミスした新入社員を非難しない
レディング大学ヘンリー・ビジネス・スクールの教授であるベンジャミン・レイカー氏が公開している情報をもとに解説します。
問題が起きたときは、人を責めるのではなく背景にあるプロセスを理解しましょう。根本的な原因を突き止めることを心掛け、再発を防止する環境を作ることが大切です。
自分のミスも認める
ベンジャミン・レイカー氏の情報をもとに解説します。
先述のとおり、問題の再発を防止する環境を作るため、人を責めるのではなく背景となるプロセスを理解することが重要です。管理職の方自身も自分の間違いに責任を持つほか、ほかの社員や自分に完璧を求めないようにしましょう。
そうすれば、従業員も罰を受けたくないからとミスを隠さず、オープンにして学習に活かすようになります。
上手に失敗するステップを教える
エイミー C. エドモンドソン氏の情報をもとに解説します。
失敗から生じるネガティブ感情を解消し失敗をリフレーミングするため、以下の4ステップを取ることが推奨されています。
- 粘り強さ:初めから成功するとは限らない。失敗を受け入れることで最善を尽くす。
- 反省:常日頃から自分の間違いや正しさを振り返って改善し続ける。
- 説明責任:責任転嫁しない。自分が問題を防ぐためにしたこと・しなかったことに注目する。
- 謝罪:人に損害を与えてしまった場合、意図的でなくても謝罪する。
管理職の方は、普段からこのステップを新入社員に共有しておくと良いでしょう。また、失敗は起こるのだと認め、間違いについて議論できる環境を作るようにしましょう。
管理職に求められるリーダーシップについては、以下の記事もご覧ください。
参考:
Harvard Business Review「新入社員の心理的安全性は、入社直後から急速に低下する」
MIT Sloan Management Review “Embrace Mistakes to Build a Learning Culture”
Harvard Business School「Thriving After Failing: How to Turn Your Setbacks Into Triumphs」
まとめ
新入社員がミスをしてしまう原因はさまざまです。業務に慣れていないことや、指示が明確でないことなどが要因として考えられます。上司の方は新入社員の学習と成長のため、心理的安全性のある対応を取るようにしましょう。