「部下のやる気がみられないが、原因がわからない」
「部署の士気を高めるために、部下の本音が知りたい」

このような悩みを抱えている管理職の方もいるでしょう。エンゲージメントサーベイは、従業員の組織に対する熱意や、愛着心の度合いが把握できるツールです。しかし、ただ導入するだけでは高い効果を得られないこともあるため、導入前にいくつかのポイントを押さえておくと良いでしょう。

本記事では、ハーバード・ビジネス・レビューの記事を参考に、管理職が知っておくべきエンゲージメントサーベイ導入時のポイントと期待できる効果を解説します。

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エンゲージメントサーベイを導入する際のポイント

エンゲージメントサーベイを導入する際のポイントを、ハーバード・ビジネス・レビューで公開されたウィリス・タワーズワトソン取締役岡田恵子氏らの記事を参考に解説します。

目的を明確にする

エンゲージメントサーベイを導入する際には、目的を明確にしましょう。エンゲージメントサーベイを導入する目的は、現状の把握や課題の特定、施策の効果を測定するなど、さまざまです。そのため、導入する際には、目的を明確にし、適切な質問内容の設定や分析手法を選ぶことが大切です。

たとえば、離職率の高さを問題視している場合、離職の要因を探る質問項目を設定する必要があります。目的が曖昧だと、得られた結果を活かせず、貴重なリソースを無駄にしてしまう可能性があります。

適切な質問項目を設定する

エンゲージメントサーベイの質問項目は、組織の特性や目的にあわせて設定する必要があります。エンゲージメントサーベイで設定すべき質問内容は、主に以下のとおりです。

  • 組織への愛着心
  • 仕事への熱意
  • 成長意欲

上記のように、多角的な側面から質問することで、より精度の高いデータを得られます。また、質問内容だけでなく、質問形式も重要です。自由記述式は詳細な意見を収集できますが、分析に時間と労力がかかります。

一方、選択式は集計が容易ですが、回答の幅が限定される可能性があります。そのため、自由記述式と選択式をバランス良く組み合わせることで、効率的かつ効果的な調査が実現できます。

多角的な分析と解釈を行う

エンゲージメントサーベイの結果は、多角的に分析・解釈することが重要です。部署や年齢、役職など、属性ごとに分析することで、組織全体の傾向だけでなく、特定の属性における課題も発見できます。

選択式を用いた数値データだけでなく、自由記述式の回答も分析しましょう。自由記述式の回答を分析することで、従業員の率直な意見を知り、組織の問題点を見つける手がかりを得られます。これらの情報を総合的に分析することで、より効果的な改善策を導き出し、組織の円滑な運営を実現することができます。

継続的な実施と改善を繰り返す

エンゲージメントサーベイは一度きりで終わらせず、継続的に実施して改善を繰り返すことが大切です。経年変化を観察することで、施策の効果測定や新たな課題の発見につながります。

たとえば、前回のサーベイ結果を踏まえ、質問項目の修正や分析方法の見直しを行うことで、より精度の高いデータを得られます。継続的な実施と改善により、エンゲージメントサーベイの効果を最大化できるでしょう。

参考:

ハーバードビジネスレビュー『日本企業がエンゲージメント経営を実践する5つの要諦』

ハーバードビジネスレビュー『エンゲージメント調査は万能ではない』

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エンゲージメントサーベイとは

エンゲージメントサーベイの特徴や目的について、eBayのシニア人事分析担当ディレクターであるスコット・ジャック氏らによる記事を参考に解説します。

特徴

エンゲージメントサーベイは、従業員の会社への愛着度や仕事への熱意を測るための調査のことです。質問への回答を通じ、従業員の満足度やモチベーション、組織に定着する意向などを定量的に把握できます。

質問内容は、以下のように多岐にわたります。

  • 仕事内容への満足度
  • 成長実感
  • 職場環境
  • 同僚や上司との関係性

エンゲージメントサーベイを定期的に実施することで、従業員のエンゲージメントの変化を時系列で追跡し、課題の早期発見や施策の効果測定に役立てることができます。従業員のエンゲージメントを高めることは、組織のパフォーマンス向上につながるため、経営戦略上、重要なツールと言えるでしょう。

目的

エンゲージメントサーベイの主な目的は、従業員のエンゲージメントの現状把握と課題の特定です。組織に対する愛着や仕事への熱意が低い従業員が多い部署や職種を特定し、その原因を探ることで、組織全体の活性化につながる施策を実施できます。

また、エンゲージメントサーベイは、従業員の定着率向上にも役立ちます。従業員が会社を辞める理由を分析し、改善策を講じることで、優秀な人材の流出を防ぐことができます。さらに、サーベイを通じて従業員の声を吸い上げ、経営層にフィードバックすることで、風通しの良い組織文化を醸成することにもつながります。

従業員満足度との違い

エンゲージメントと従業員満足度は似ていますが、明確な違いがあります。従業員満足度は、従業員が自分の仕事や職場環境にどの程度、満足しているかを測る指標です。一方、エンゲージメントは、従業員が組織の目標達成に貢献しようという意欲や熱意を測る指標です。

従業員満足度が個人の視点に焦点を当てているのに対し、エンゲージメントは組織への貢献度という視点も含んでいます。高いエンゲージメントは、高いパフォーマンスと強い組織文化につながるため、組織にとって非常に重要です。

参考:

Scott Judd.Eric O’Rourke.Adam Grant.(2018).Employee Surveys Are Still One of the Best Ways to Measure Engagement.Harvard Business Review.https://hbr.org/2018/03/employee-surveys-are-still-one-of-the-best-ways-to-measure-engagement

Susan LaMotte.(2024).We Still Can’t Measure Employee Engagement. This Is Why.Forbes.https://www.forbes.com/sites/susanlamotte/2024/09/26/we-still-cant-measure-employee-engagement-this-is-why/

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従業員エンゲージメントの重要性

従業員エンゲージメントが高い状態は、従業員が仕事と職場に積極的に関わり、熱意を持っている状態を指します。これは、単なる仕事への満足度とは異なり、組織の目標達成への貢献意欲や、会社への愛着といった要素を含んでいます。

従業員エンゲージメントを高めることは、組織のパフォーマンス向上に直結するため、現代のビジネスにおいて非常に重要です。ギャラップの調査によると、エンゲージメントの高いチームは、低いチームと比較して、欠勤率が最大81%低く、離職率が18%〜43%低いとされています。

また、顧客ロイヤルティは最大10%、生産性は最大18%高く、収益性は最大23%高い傾向があります。これらの数値から、エンゲージメントが組織の業績に大きな影響を与えることがわかります。

特に、経済状況が不安定な時期には、エンゲージメントの高い従業員は会社に留まる傾向が強いため、人材の維持という点でも大きなメリットがあります。従業員が組織の目標に共感し、自らの仕事に意義を見出し、積極的に貢献しようとすることで、組織全体の生産性の向上につながるのです。

従業員エンゲージメントを高めるためには、従業員の声に耳を傾け、働きがいのある職場環境を整備していくことが重要です。

参考:

ハーバードビジネスレビュー_日本企業がエンゲージメント経営を実践する5つの要諦

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導入により期待できる効果

ここでは、ペンシルベニア大学ウォートン校の教授であるピーター・キャペリ氏らの、ハーバード・ビジネス・レビュー掲載記事を参考に、エンゲージメントサーベイ導入で期待できる効果を解説します。

エンゲージメント度合いを把握できる

エンゲージメントサーベイを導入すると、従業員の組織や仕事に対する熱意や貢献度などのエンゲージメント度合いが把握できます。調査結果を分析することで、組織全体の傾向はもちろん、部署や職種、年齢ごとの詳細な課題や強みを知ることができます。

エンゲージメントサーベイにより、具体的なデータに基づいて、抱えている課題に対する改善策を検討し、取り組むことが可能になります。

生産性を高められる

エンゲージメントサーベイを通じて明らかになった課題に対し、具体的な改善策を講じることで、従業員の生産性向上が期待できます。エンゲージメントの高い従業員は、仕事に誇りややりがいを感じ、より主体的に業務に取り組むようになります。

その結果、組織の目標達成に向けて積極的に貢献しようとする意欲が高まります。たとえば、より質の高い成果を追求したり、業務効率化のアイデアが生まれたりするなど、具体的な行動により、生産性が向上するでしょう。

このように、従業員一人ひとりのエンゲージメントを高めることは、組織全体の生産性の向上を促し、持続的な成長を支える重要な力となります。

離職率の低下が期待できる

従業員のエンゲージメントを高めることは、人材の定着を促進し、離職率の低下が期待できます。従業員が自社や仕事に強い愛着や誇り、やりがいを感じていれば、困難な状況に直面しても乗り越えようと努力するため、安易に離職を選択しにくくなります。

エンゲージメントサーベイによって、従業員の不満や改善点を早期に発見し、適切な対策を講じることで、働きがいのある職場環境を実現できます。これは、貴重な人材の流出を防ぎ、採用や再教育にかかるコストの削減につながります。

また、組織内に知識や経験が蓄積されるという長期的なメリットも得られるでしょう。エンゲージメントサーベイを通じて、課題の発見と改善を継続することで、従業員が長く活躍できる職場環境が実現します。

参考:

Peter H. Cappelli.Liat Eldor.(2019).Where Review. https://hbr.org/2019/05/where-measuring-engagement-goes-wrong WrongHarvard Business Review.https://hbr.org/2019/05/where-measuring-engagement-goes-wrong

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まとめ

エンゲージメントサーベイを導入するポイントや期待できる効果について解説しました。エンゲージメントサーベイを継続的に実施することで、組織全体または部署、職種、年齢ごとの課題を把握し、改善策を講じることができます。

従業員のエンゲージメントの向上は、生産性や収益性の向上、離職率や欠勤率の低下など、組織の業績に大きく影響します。本記事で紹介した導入する際のポイントを参考に、従業員のエンゲージメント向上を実現するエンゲージメントサーベイを実施しましょう。