このページのまとめ

  • 組織デザインは効率的な組織運営が行えるように組織をデザインすること
  • 組織デザインをバランス良くするための6要素がある
  • 組織デザインを導入する際は人材配置や評価方法の見直しも重要

効率的な組織運営を実現する仕組みとして、組織デザインが注目を集めています。組織デザインを整えることにより、従業員の連携が向上するためです。従業員の連携が高まると、より効率的に業務が行われ、成果の向上が期待できます。このコラムでは、組織デザインの概要や、構成に必要な6要素を解説します。組織の成果を高めるための参考にしてみてください。

組織デザインとは

組織デザインとは、パフォーマンスを発揮できるように、組織をデザインすることです。効率的な組織運営が行えるように、個々の動きを連動させるようにデザインします。組織デザインはモデルとなる組織をもとにデザインを行い、自社の課題や問題に合わせて調整を行います。従業員のスキルを最大限に発揮し、機能させるためにも組織デザインが重要です。

組織デザインの重要性

組織デザインは、企業が立てた計画を実行させるために重要です。計画が素晴らしくても、計画を支える従業員がいなければ実現が難しいからです。計画を達成するためには、優れたリーダーとスキルを持つ従業員が必要です。このような人員を整備するのが組織デザインであり、自社の計画に応じて、パフォーマンスが発揮できるようにします。

組織改革における組織デザインの役割

組織デザインの役割は、組織のパフォーマンスを最大限に発揮できるように体制を整えることです。従業員がバラバラに仕事をするのに比べて、組織で行うほうが成果が上がるためです。たとえば、「営業ができて事務が苦手な人と」、「事務ができて営業が苦手な人」がいたとします。この場合、2人が役割分担をして、営業と事務それぞれ活躍できる組織を作るのが、組織デザインです。このように、組織デザインは従業員のスキルを発揮させ、組織として機能する体制を作ることを役割としています。

組織デザインの6要素

組織デザインをバランス良く行うために、組織デザインの6要素が提唱されています。

構造

構造とは、組織の構造のことです。部門や従業員に、どのような役割をもたせるのかを決定しましょう。たとえば、営業部門であれば、クライアントごとに整備するのか、メーカーごとに整備を行うのかなどがあります。あるいは、事業部ごとであれば、総務機能を事業部内に入れるか、別部署に用意するのか、などを考えるのが構造です。

業務

組織デザインを決める場合、業務内容や量も見直しを行います。たとえば、システムを導入して効率を良くしたり、無駄な業務を削減すると良いでしょう。業務の見直しは、生産性を上げ、効率の良い業務を行うことにつながります。また、従業員が業務に集中できると、パフォーマンス向上も期待できるでしょう。

人材

組織デザインでは、業務を実行する人材が重要な要素です。優秀な人材の獲得や、スキルアップも必要になります。また、管理者のスキルも求められ、従業員のモチベーションを上げたり、成果を発揮できる環境作りが重要です。このように、人材の配置と育成は大事であり、企業方針に沿った人材をそろえることが大切です。

情報

組織を運営し、正しい方向に導くためには、情報を正しく捉えることが重要です。そのために、情報の獲得手段や、ツールの利用も組織デザインの構成には必要になります。たとえば、営業部のKPIを売上だけに設定するのであれば、売上至上主義の組織になるでしょう。一方で、部下のスキルをKPIとして設定すれば、売上だけではなく、部下の行動や過程にも注意をはらいます。このように、どのような情報を集め、重視するかによって企業の方向性は変わります。組織デザインの形成にあたって、情報の扱い方も大切です。

意思決定

組織の行動を決めるための、意思決定も重要です。大きく分けると、トップダウン方式とボトムアップ方式に分かれます。トップダウン方式は、上層部が意思決定を行い、組織が動く方式です。一方で、ボトムアップ方式は、現場の提案を上層部が拾い上げ、意思決定を行います。このように、意思決定を誰が行うか、どこまで裁量を持つかも、組織デザインの構成要素です。

報酬

報酬制度の見直しも、組織デザインを整えるために必要です。年功序列や職能給などの報酬を見直す時代が訪れているからです。たとえば、責任を増やす代わりに報酬を増やす、成果を上げた従業員に報酬を与えるなどがあげられます。また、報酬形態を柔軟に変えることで、優秀な人材獲得にも効果的です。

組織デザインをする際のポイント

組織デザインを行う際には、組織構造の構築だけではなく、評価方法や働き方の見直しも大切です。従業員のパフォーマンスを発揮できるように、組織を構築しましょう。

ベストな組織構造の構築

パフォーマンスが最大限発揮できる組織構造を構築しましょう。従業員が働きやすく、成果を上げやすい環境づくりが大切です。たとえば、業務を専門性に分けて行ったり、連携を密にすると、パフォーマンスの向上につながります。組織上の無駄を減らし、ベストな組織構造を構築しましょう。

働き方の見直し

業務量や内容など、従業員の働き方を見直しましょう。一部の従業員に負担が集中しない組織体制が求められます。また、従業員それぞれが業務の目的を明確にし、改善点を提案するのも重要です。効率的な業務が行えるように、働き方を見直しましょう。

明確な人事評価

人事評価は明確に、公平に行いましょう。数値やデータで示すなど、測定しやすい評価体制が求められます。また、評価体制を決める際には、従業員ごとの役割を整理し、それぞれに応じた評価体制を整えましょう。従業員ごとに差が生まれることで、不満が出ない体制が求められます。

人材の管理・育成方の見直し

組織デザインを構成するにあたって、能力の高い人材は必須です。そのため、人材の管理や、育成方法は見直しておきましょう。また、従業員のメンタルケアも重要です。人材は組織デザインの軸になるので、生産性を高めるためにもサポートを行いましょう。

意思決定プロセスの精査

意思決定で現場を混乱させないためにも、プロセスを精査しましょう。誰が指示を行うか、明確にしておく必要があります。たとえば、トップダウンで上層部が意思決定を行う方法や、ボトムアップで現場が意思決定を提案する方法があります。自社の場合には、どちらがスムーズに進み、効率が良いか考え、意思決定プロセスを決定しましょう。

情報管理の効率化

情報管理を効率化すると、企業の生産性向上につながります。状況判断が正確になり、企業戦略の精度が向上するためです。情報管理の効率化には、システムやツールの導入が有効です。効率良く情報管理を行うための、新しい仕組みづくりも検討しましょう。

まとめ

組織が最大限のパフォーマンスを発揮するために組織デザインを整えることが重要です。自社の課題に合わせて、組織に足りない部分をデザインしていきましょう。また、組織デザインを整えるだけではなく、優秀な人材を集め、育てることも大切です。組織デザインに必要な6要素を整え、成果の上がる組織運用を行いましょう。