このページのまとめ

  • 採用戦略とは、企業が人材獲得を成功させるために考える戦略のこと
  • 採用戦略の実施により、求職者増加や内定辞退防止が期待できる
  • 採用戦略を成功させるためには、企業全体で取り組むことが大切
  • 採用戦略の実施後は定期的に見直して、採用活動を最適化しよう

「採用戦略がうまくいかない…」とお悩みの人事担当者もいるのではないでしょうか?
採用戦略とは、人材獲得のために立案する戦略のことです。採用戦略を成功させれば、求める人材を採用できたり、ミスマッチを防げたりします。

本コラムでは、採用戦略の概要や立て方、成功させるポイントなどを解説。そのほか、実際に企業が取り組んだ採用戦略の成功事例も紹介します。ぜひ参考にして、採用戦略の立案に取り組んでみましょう。

採用戦略とは 

採用戦略とは、企業が人材を獲得するためのフレームワークのことです。自社に合った、優秀な人材を獲得するためにも、採用戦略を立てて採用を行うことが求められています。
また、現代では少子高齢化による採用市場の激化が進んでいます。そのため、採用戦略を立てて長期的に施策を講じることも必要です。

採用戦略が必要な3つの理由

ここでは、採用戦略が必要な理由を3つ紹介します。

1.応募人数を増やすため

採用戦略が必要な1つ目の理由は、応募人数を増やすためです。
現代の採用市場は、求人を出すだけでは応募が来ない状況が続いています。また、応募があっても、自社の求める人材とは違うケースもあるでしょう。出会いの数が多ければ多いほど、求める人材と出会える可能性も高まります。安定した人材獲得のためにも、採用戦略を立てて応募人数を増やすことが大切です。

2.内定辞退を減らすため

採用戦略が必要とされる2つ目の理由が、内定辞退を減らすためです。
求職者は同時に多数の選考を進めているケースがほとんどです。何も対策をしていないと他社のほうにより大きな魅力を感じて、欲しい人材が他社に流出してしまう恐れがあります。内定辞退も起こりうるでしょう。
求める人材を引き寄せるものが、採用戦略です。採用戦略によって他社との差別化を行い、内定辞退を防ぐ取り組みを行います。

3.ミスマッチを防ぐため

採用戦略を立てるべき3つ目の理由が、ミスマッチを防ぐためです。
ミスマッチが起こると、せっかく入社してくれても早期退職してしまう恐れがあります。採用には莫大な時間・費用がかかるので、早期退職は企業にとってかなりの痛手です。
企業と求職者の相互理解を深められるような採用戦略を実施し、ミスマッチを防ぐことが大切です。

採用戦略の立て方

ここでは、採用戦略の立て方を解説します。
優秀な人材を獲得するためにぜひ参考にしてください。

1.募集する人材像の決定

まずは、募集する人材像を決めましょう。たとえば、次のような項目を決めておくと明確なターゲット選定ができます。

  • 年齢
  • 現在の職業
  • 経歴
  • 現在の業務
  • 人柄
  • 今後の目標

採用手法を決定するためには、ターゲットを定めることが大切です。また、ミスマッチを防ぐことにつながります。

2.採用人数と採用スケジュールの決定

次に、採用人数と採用スケジュールを決定しましょう。何名をいつまでに採用するのか、明確にしておくことが大切です。
採用人数とスケジュールに関しては、人材を必要とする部署との打ち合わせを経て決めてください。現場の要望に合わせて戦略を立てます。

3.採用手法の決定

求める人材を獲得するために、採用手法を決定しましょう。求める人材に合わせた採用手法を選ぶ必要があります。
たとえば、特定の業務の経験者を採用したい場合は、マス広告で応募者数の数を担保するのではなく、エージェントやヘッドハンティングの手法が有効です。一方で、未経験でもポテンシャルで採用するのであれば、マス広告を出しても良いでしょう。ターゲットに効果的にアプローチできる手法を選んでください。

4.面接官の決定

面接官の決定も、採用戦略で必要な要素です。面接官の力量次第で採用の質が決まると言っても過言ではありません。「コミュニケーション力」「話し方」「求職者から見た印象」など、さまざまな要素から考えて決定しましょう。
また、面接では現場の従業員に同席してもらうこともあります。どの従業員が適切かを考えておくことが必要です。

採用戦略決定後に必要な3つの施策

採用戦略を立てた後は、戦略を実行に移すことが必要です。
ここでは、採用戦略決定後に必要な施策を紹介します。

1.人材募集の開始

採用戦略の決定後は、人材募集を開始しましょう。設定したターゲットをもとに採用手法を実行します。
もし予定していた採用手法を実施しても結果が出なかった場合は、別の手法も検討してみましょう。複数の手法を並行して行うと、1人も採用できないリスクを減らすことができます。

2.選考の実施

求職者が集まったら、選考を実施します。
面接の回数もあらかじめ決めておきましょう。新卒採用であれば2~3回、中途採用であれば1~2回の面接を行うことが一般的です。
また、面接を行う際は採用基準を明確にしましょう。面接官ごとに採用基準に差が出ないようにしてください。

3.内定者のフォロー

内定辞退を防ぐためにも、フォローは欠かさずに行いましょう。内定フォローの実施により、求職者の不安を減らし、会社に馴染みやすくする効果が期待できます。
研修を実施することも、内定者をフォローする方法の1つです。研修を早めに行うことで、一緒に働く従業員との交流が深まったり、戦力になるまでの期間が短縮できたりする効果があります。

採用戦略を成功させるための4つのポイント 

採用戦略を成功させるために、必要なポイントを知っておきましょう。
ここでは、4つのポイントを紹介します。

1.企業全体で採用戦略に取り組む

採用戦略は、企業全体で取り組むようにしましょう。
企業に必要な人材を獲得するためには、部署や役職の垣根を越えた協力が必要です。現場で動く部署と採用担当部署の間で認識のずれが生じていることもあります。1つの部署で決定せず、全体で話し合ってください。

2.採用体制を整える

採用戦略を滞りなく進行するために、採用体制を整えておきましょう。
必要な人材を配置していなければ、採用が難航してしまいます。採用戦略を実行するためには何人の人材が必要かを考え、適切な人数配置をしましょう。

3.定期的に見直しを行う

採用戦略は定期的に見直すことが必要です。改善を繰り返し、より良い採用戦略にしましょう。
採用戦略を見直すことで、採用市場の変化や、採用手法の多様化に対応できるようになります。もし採用戦略の見直しがなければ、状況に対応できず、失敗する施策が増えてしまうでしょう。成功している状況であっても、定期的な見直しを行うことが大切です。

4.面接官のスキルアップに力を入れる

採用戦略を成功させるためには、面接官のスキルアップも大切です。
優秀な人材を採用できるように、面接の練習を行いましょう。面接官の質問スキルが向上すれば、求職者をより深く知ることができます。自社に合う人物かどうか、判断しやすくなるでしょう。
また、自社の魅力をアピールする技術も面接官には必要です。企業に対する理解を深めたり、魅力を分かりやすく伝えたりするための研修を用意しましょう。

採用戦略の3つの成功事例 

採用戦略を成功させるために、実際の成功事例を見てみましょう。
ここでは、3つの成功事例を紹介します。

1.リファラル採用に力を入れて成功

リファラル採用を採用戦略に取り入れ、成功した企業があります。
この企業では、「アルバイトの採用はリファラル採用で行う」と決めて戦略を立てました。リファラル採用にのみ焦点を当てて、研修でのアナウンスやチラシの配布、専用アプリの開発など、さまざまな取り組みを実施。このような採用戦略の結果、5ヶ月で70名の採用に成功しました。
リファラル採用を軸に採用戦略を立て、成功した事例です。

2.採用のキャッチコピーに合わせたサイト作りで成功

採用のキャッチコピーに合わせて、採用サイトを作った企業の成功事例があります。
この企業では、求職者がイメージしやすいよう、採用キャッチコピーに合わせて採用サイトの内容を作成しました。採用ページを見た求職者が「エントリーしたい!」と思わせるように戦略を立てています。

3.ユニークな採用で人材獲得に成功

ユニークな採用を取り入れ、人材獲得に成功した事例です。
この企業では、「エイプリル採用」「エゴサーチ採用」など、ほかにはない採用活動を行うことで、注目を集めています。たとえば、「エイプリル採用」では、嘘のエントリーシート提出を求めました。おもしろい発想ができる人材を獲得することが、エイプリル採用の目的です。
他社とは違うユニークな採用は話題になり、注目を集めやすくなります。このような取り組みも、採用活動の1つだといえるでしょう。

まとめ

採用活動を成功させるためには、採用戦略を立てることが重要です。採用戦略に沿った採用を行うことで、応募数の増加やミスマッチの防止の効果が期待できるでしょう。採用戦略を最大限に活かすためには、企業全体で採用戦略を作り上げたり、効果検証を行ったりする必要があります。採用戦略に注力し、必要な人材が獲得できるように取り組みましょう。