このページのまとめ
- DX人材とは、最先端技術を活かしながら、企業間競争を優位にできる人材
- DX人材には、ブロックチェーンなどの最先端技術やデータサイエンスの知識が必要
- DX人材は人口が不足しているため、採用と育成で人材確保が重要
デジタル技術を駆使して人々の生活を豊かにするために、DX人材が注目を集めています。DX人材とは、デジタル技術で社会に貢献するための知識とスキルを備えた人材のことです。今回は、DX人材に求められる能力や、DX人材の採用方法について解説します。DX人材の採用を検討している企業担当者の方は、ぜひ参考にしてみてください。
DX人材とは
DX人材とは、DX、すなわちデジタルトランスフォーメーションを推進するための人材です。DXに関しては、経済産業省により、「企業が外部エコシステム(顧客、市場)の破壊的な変化に対応しつつ、内部エコシステム(組織、文化、従業員)の変革を牽引しながら、第3のプラットフォームを利用して、新しい製品やサービス、新しいビジネスモデルを通して、ネットとリアルの両面での顧客エクスペリエンスの変革を図ることで価値を創出し、競争上の優位性を確立すること」と示されています。
すなわち、DXとは、「データやデジタル技術の活用でビジネスの新しい変化に対応し、競合他社よりも優位に立つこと」です。このDXを実現するために必要となる人材が、DX人材になります。
参照元:経済産業省「デジタルトランスフォーメーションに向けた課題の検討」
日本が抱えるDXの課題
経済産業省は、日本がDXで抱える課題について次の3点を挙げています。
- データを活用しきれず、DXを実現できていない
- 維持管理費が高騰し、技術的負債が増大する可能性がある
- 保守運用者が不足しており、セキュリティリスクなどが高まる
世界的な競争に負けないためにも、国全体でDXに対応する動きが必要になっています。
参照元:経済産業省「DXレポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~」
DX人材に必要なスキル
DX人材に求められるスキルは次のとおりです。
新規事業の構築力
DX人材は新しい事業を構築し、実施する力が求められます。DXの推進によって新しい事業が生まれる可能性があるため、事業の目的を決めたり、予期される課題を考えたりする力が必要です。
デジタル技術の知識を活かして新事業を軌道に乗せることが期待されます。
データサイエンスのスキル
データサイエンスとは、データを用いて社会的に有益な考え方を生み出す方法のことです。
DX化によりAIやビッグデータを活用する企業が増えているため、自社が抱えるデータを最大限に活用するための知識が必要です。
ユーザーインターフェースへの知識
ユーザーインターフェースとは、システムなどを利用するユーザーに対し、使いやすいサービスを提供することです。DXで新しい技術を取り入れるだけではなく、ユーザーに利用し続けてもらえるサービスの提供が求められるためです。どのような見た目が良いか、使い勝手が良いかなどを試行錯誤できる、ユーザーインターフェースの知識を習得しましょう。
DX人材を採用するときのポイント
社内のDX化を進めるためには、DX人材の採用が必要です。
DX人材を採用する際のポイントは次のとおりです。
ターゲットを明確にする
まずはどのようなDX人材を採用したいかを明確にしましょう。自社の事業方針や課題などを踏まえて、求める人物像を決めることが重要です。
自社の特徴をアピールする
DX人材の採用時には、自社の特徴をアピールしましょう。
DX人材を求めている企業は多く、優秀な人材の獲得競争が激しくなっています。
ビジネス市場全体で需要が高いDX人材の心をつかむためには、自社ならではの特徴をアピールし、どのようなポジションで活躍できるかを説明することが大切です。
DX人材の育成方法
DX人材を採用するのが難しい場合、自社での育成も検討しましょう。
DX人材を社内で育成する方法をいくつか紹介します。
座学研修を行う
これからDX化に向けて動き出す企業は、座学研修を取り入れましょう。
自社に講師となれる従業員がいない場合は、外部講師を招いたり、体験型学習のソフトを利用したりするのが有効です。
OJTで育てる
社内にDX人材が在籍している場合は、OJTで育てましょう。実務を通して学ぶことにより、習熟度が上がります。また、OJTで実践する際には、座学も合わせて実施ましょう。勉強と実践を組み合わせることで、さらなるスキルアップが期待できます。
DX人材が活躍する職種
DX人材が活躍する主な職種は次のとおりです。
ビジネスプロデューサー
ビジネスプロデューサーとは、DX化全体を指揮するリーダーのことです。
企業全体の視点から組織を動かします。ビジネスプロデューサーとして活躍するためには、DX全体の知識はもちろん、経営知識や新技術の習得も必要です。そのため、経営層がビジネスプロデューサーを兼任するケースもあります。
ビジネスデザイナー
ビジネスデザイナーとは、ビジネスの企画立案や実行を行う役割です。
ビジネスプロデューサーが立てた戦略を実行する立場と覚えておきましょう。ビジネスデザイナーには、企画を実現するためのマネジメント能力や対外的な交渉力が求められます。
UXデザイナー
UXデザイナーは、DXで使用するサービスやシステムのインターフェースを扱う役割です。システムなどがより使いやすく、見やすいようにデザインを行います。優れたUXデザイナーがいることで、ユーザーの満足度が向上し、良いサービスとして受け入れられるでしょう。
データサイエンティスト・AIエンジニア
データサイエンティストやAIエンジニアは、DXに関する技術に詳しい人物です。
ビジネスの推進や改善に必要なデータを集め、分析を行うことで事業に活かします。
アーキテクト
アーキテクトは、DX実現のためにシステム設計を行う人物です。
アーキテクトがシステムの設計図を考え、その設計図をもとにエンジニアがシステム構築を行います。アーキテクトは自社のDX化や改革を行うため、経営的な視点も求められます。
エンジニア、プログラマ
アーキテクトが設計したシステムを構築する人物が、エンジニアとプログラマです。
プログラミング技術を用いて、ソフトウェア・ハードウェアの実装を行います。
先端技術エンジニア
先端技術エンジニアとは、DXで使用される最先端技術を使用するエンジニアのことです。
使用される技術の例としては、AIやディープラーニング、ブロックチェーンなどがあります。
まとめ
今後も続いていく社会の発展に対応するためには、DX人材の獲得が重要です。
DX人材を採用する際には、求める人物像と自社の強みを明確にすることが大切です。
社内でDX人材を育成する場合は、外部講師を招いて研修を行ったり、体験型の学習ツールを利用したりすると良いでしょう。DX人材の採用・育成を行い、自社のビジネスを成長させていきましょう。