このページのまとめ

  • 新入社員の教育で大切なのは、新入社員との関係性を築いたうえで指導すること
  • 新入社員を教育する場合、座学と実践の両方を行う必要がある
  • 新入社員はもちろん、教育係へのフォローを行うことも大切

組織の強化を行うためには、新入社員の教育が欠かせません。新入社員の教育では、新入社員との関係性を築いたうえで指導を行うことが非常に重要です。また、新入社員だけでなく、新入社員を教育する従業員のフォローも必要になります。今回は、新入社員を教育する際の注意点や企業でできるサポートについて解説します。新入社員教育の効果を高めるためにも、参考にしてみてください。

新入社員の教育に入る前に行うこと 

新入社員の指導に入る前に、新入社員としっかりコミュニケーションをとりましょう。
お互いのことがほとんど分からない状態で指導に入ると、新入社員が恐縮して気兼ねなく質問ができなくなってしまいます。まずは雑談を交えて新入社員とコミュニケーションをとり、「分からないことがあったら遠慮なく質問してね」という言葉をかけて安心させてあげることが大切です。

新入社員を教育する際の手順 

新入社員の教育は、以下の手順で行います。

業務内容を説明する

実際に業務を行ってもらう前に、業務のやり方を説明しましょう。
その際に大切なのが、その業務を行う目的と理由を共有することです。
OJTで教育する場合は、「座学だけだと分からないことも多いと思うから、実際の作業を見てイメージを掴んでね」と伝えます。作業の手順を教えるときは、「この手順でやらないとミスが発生しやすくなるから順番を守ってね」というように、手順どおりに行う理由を伝えると良いでしょう。
なぜその業務を行うのかが理解できれば、やり方のみを覚えて作業するよりも抜け漏れが発生しにくくなります。

見本を見せる

新入社員に業務を実践させる前に、実演でお手本を見せましょう。百聞は一見に如かずという言葉があるように、実際に見本を示すことで業務のイメージが明確になります。
実演時も重要なポイントを解説し、新入社員が重要なポイントを聞き逃さないように注意しましょう。

業務を実践してもらう

実演を見てもらったら、実際に業務を経験してもらいましょう。
細かいミスがあっても口を挟まず、まずは自分の力でチャレンジさせることが大切です。

フィードバックを行う

新入社員に業務を行ってもらったら、必ずフィードバックを行いましょう。
上手くいっていた場合は「どの点が良かったか」を伝え、上手くいかなかった場合は「どうすれば上手くできたか」を説明してあげることが大切です。
新入社員のモチベーションが下がらないように、フィードバックを前向きに受け止めてもらえるように伝え方を工夫しましょう。

教育内容の復習

指導内容を定着させるために、一度教えた内容を繰り返し復習する時間を取りましょう。
何度も復習することで忘れかけていた知識を思い出し、少しずつスムーズに業務ができるようになります。習熟度は新入社員によって差があるため、復習の頻度や内容は一人ひとりに合わせて調整すると良いでしょう。

新入社員を教育する際の注意点 

新入社員を教育する際は、コミュニケーションに注意しましょう。話し方や伝え方によって、与える印象が変わります。ここでは、新入社員に教育する際の注意点を解説するため、参考にしてください。

意見や経験を押し付けない

新入社員の教育では、意見や経験を押し付けないように注意しましょう。
こちらが一つの答えを提示することで、新入社員は自ら考えて答えを出す機会を失ってしまいます。
成長の方法は人それぞれです。新入社員に意見を押し付けないようにしましょう。

指導内容を無理に詰め込まない

一度に大量の内容を詰め込まないように注意しましょう。新入社員がキャパオーバーになり、指導が止まってしまう可能性があります。「ここまでの内容は理解できた?」「分からなかったところはない?」と都度確認しながら、新入社員のペースに合わせた指導を行うことが大切です。

できている部分は褒める

新入社員の教育で大切なのは、日々成長しているという自信を与えることです。
できていない部分を指摘するだけでなく、できている部分があれば積極的に褒めてあげましょう。
着実に成長していると実感することで、新入社員のモチベーションがアップするはずです。

企業が実施すべき教育係へのサポート 

新入社員を教育する従業員は、「コミュニケーションが上手くとれない」「自分の業務に追われて新人教育に時間を割けない」といった悩みを抱えることがあるでしょう。新入社員の教育では、新入社員本人はもちろん、教育担当者へのサポートも重要です。教育担当者に対して行えるサポートには、次のようなものがあります。

教育担当者の業務量を調整する

新人教育によって従業員の業務量が大幅に増えてしまう場合は、業務量を調整できないか検討しましょう。業務量を減らすことが難しい場合は、ほかの従業員に依頼することも一つの方法です。

教育マニュアルを作成する

教育係が自信をもって指導できるように、教育マニュアルを作成しましょう。
マニュアルを作成することで、「教育担当者によって教え方が異なる」というトラブルを防ぐことができます。また、業務のやり方をまとめた資料を一から作成する手間が省けるため、従業員が時間を有効活用できるようになるでしょう。

教育担当者への研修を実施する

マニュアルを作成したら、教育担当者への研修を行いましょう。
研修を通して指導の流れを確認することで、教育担当者も自信をもって教育にあたれるはずです。
また、指導内容の統一が図れるため、新入社員の間で知識やスキルにバラつきが生じることもなくなります。

教育担当者同士で情報共有できる場を作る

教育係同士で、相談や情報共有ができる機会を作りましょう。同じ立場で頑張っている従業員同士で悩みを共有することで、自分だけでは気づけなかった解決策が見つかることがあります。

まとめ

新入社員の教育では、新入社員と教育担当者が良好な関係性を築くことが大切です。
従業員の習熟度に合わせた指導を行い、良い部分を積極的に褒めることでモチベーションを高めてあげることも重要になります。また、指導内容の統一化を図るために、教育マニュアルの作成や教育担当者用の研修などを行うと良いでしょう。教育担当者が心にゆとりをもって指導できる体制を整えることで、新入社員も気兼ねなく質問や相談ができるようになるでしょう。