このページのまとめ

  • タックマンモデルとは、組織が成長する過程を5つのステージで表したもの
  • タックマンモデルのステージには、形成期・混乱期・統一期・機能期・散会期がある
  • タックマンモデルでは混乱期の乗り越え方が重要になる

組織を成長させるための手法の一つに、タックマンモデルがあります。タックマンモデルとは、組織の成長プロセスを形成期・混乱期・統一期・機能期・散会期の5つのステージに分類することです。組織の置かれているステージに適した施策を考え、従業員に適切な役割を与えることで組織を成長させていく目的があります。今回は、タックマンモデルの各ステージの目的・実施するポイントについて詳しく解説します。

タックマンモデルとは 

タックマンモデルとは、組織が成長する過程を5つのステージに分類したものです。
5つのステージは形成期・混乱期・統一期・機能期・散会期で構成されています。
組織の状況に適した施策を行うための手法として注目を集めています。

タックマンモデルの5ステージ 

タックマンモデルでは、チーム状況を5つのステージに分類しています。機能的なチームを作るために、それぞれのステージの状況や、どのような対処を行うことが大切かを知っておきましょう。

形成期

形成期とは、チームが成立したばかりの状況です。メンバー同士がお互いのことを知らないため、相互理解が必要になります。チームとしての団結力を高めるために、まずはリーダーが目標を周知したり、個々の従業員の役割を決めたりしましょう。形成期で良好な人間関係を築くことが、その後の組織の成長に大きな影響を与えます。

混乱期

混乱期とは、チーム運営を進めるなかでお互いの価値観が食い違う時期のことです。
混乱期で大切なことは、お互いの意見を正面からしっかりぶつけ合うことです。
リーダーがチームのメンバーを取りまとめ、全員が同じ目標を目指せるようにチームを引っ張りましょう。

統一期

統一期は、混乱期を乗り越え、価値観などが共有できるようになった状況です。チームメンバーの役割が明確になり、同じ目標に向けて業務を進めることができるでしょう。
統一期で注意したい点は、目指すべき方向性を間違えないことです。リーダーは自分たちの進んでいる方向が正しいかをその都度確認し、状況に応じて軌道修正することが求められます。

機能期

機能期は、チームが機能し始め、徐々に成功や目標達成が増え始める時期です。
リーダーの指示に従うだけではなく、メンバーが自分たちで判断して成果を出すことが求められます。それにともない、リーダー自身もメンバーに主要業務を任せながら目標達成を管理する役割へと変化します。基本はサポートに周り、必要最低限の指示でもメンバーが成果を出せるように導きましょう。

散会期

散会期とは、チームが解散する時期のことです。どのようなチームやプロジェクトであっても、いつかは終わりを迎えます。散会期では、メンバーが新しいチームで活躍できるようにモチベーションを高めることが重要です。チームのメンバーに労いの言葉をかけながら、新たな門出を気持ち良く応援しましょう。

タックマンモデルの目的 

タックマンモデルは、次のような目的で活用されています。

チームの目標と役割の理解

タックマンモデルでチームの状態を5つのステージに分けることで、現状のチームの目標と役割が理解しやすくなります。各ステージに応じた適切な行動が理解できていれば、チームの状況が目まぐるしく変化した場合でも落ち着いて対応できるでしょう。

メンバー同士の相互理解

タックマンモデルにより、メンバー同士の相互理解の必要性が学べます。
チームの成長にはコミュニケーションが必要なことを学び、普段からコミュニケーションをとる意識が高まるでしょう。コミュニケーションをとる習慣を定着させることが、ひいてはメンバー同士の相互理解につながります。

リーダーの育成

各ステージに応じて適切な役割を経験することで、リーダーとしての資質が育っていきます。
たとえば、混乱期ではチームの意見をまとめる力が身に付き、機能期ではチームで協力しながら成果を出す方法を学べます。タックマンモデルで経験を積むことで、リーダーとして必要なスキルが成長するでしょう。

タックマンモデル実施時のポイント 

タックマンモデルを活用する際には、次のポイントを押さえておきましょう。

実現可能な目標にする

チームで達成する目標は、実現できる目標にしましょう。目標達成があまりにも現実的ではない場合、チームメンバーのモチベーションが低下してしまいます。個人プレーが常態化しないように、目標はチーム全員で協力して達成できるものにしましょう。

チーム編成を工夫する

従業員に活躍の機会があるように、チーム編成を工夫しましょう。チームとして活動するためには、メンバーの適性や得意分野を活かして業務に臨めることが理想です。全員が活躍できるチャンスを与えられるように、お互いの苦手分野を補い合えるチーム編成にすると良いでしょう。

メンバーの役割を明確にする

混乱期では、メンバーの役割を明確にさせましょう。役割が明確になることで、チームとしての形が出来上がるためです。混乱期はチームとして確立できていない部分が多く、メンバーの役割やチーム目標、今後の方針など曖昧な点が多くあります。役割などを確立させることで、チームとしてのまとまりが生まれ、目標達成もしやすくなるでしょう。混乱期でのリーダーは、個々のメンバーの特徴を把握しながら、役割分担を行うことが大切です。

メンバー同士で助け合う

チームのメンバー全員がお互いをフォローすることを意識しましょう。
リーダーに任せっきりにせず、困っているメンバーがいたら積極的に声をかけて助け合う習慣をつくることが大切です。助け合いの習慣が根付くように、リーダーが個々のメンバーと定期的に面談をするなどしてフォローしましょう。

メンバー同士でフィードバックを行う

混乱期ではフィードバックを行い、相手に意見を伝えることが重要です。相手を非難するフィードバックは衝突の原因になるため、伝え方には十分に気を配りましょう。言いにくいことを伝えるときでも、相手の意見を受け入れたうえでポジティブな表現を用いることが大切です。

まとめ

タックマンモデルを活用することで、チームが置かれている状況を冷静に把握し、各ステージに応じた適切な業務を行うことができます。メンバー同士でコミュニケーションをとり、誰かが困っていたら積極的に手を差し伸べる風土を形成することがチームの成長につながります。チームを着実に大きくしていくための指標として、タックマンモデルを活用してみましょう。