このページのまとめ

  • フレームワークとは、問題解決に使用できる枠組みのこと
  • フレームワークを活用することで新しい発想や思考の整理ができる
  • フレームワークは種類が多いため、状況に応じて使い分けるようにする

フレームワークとは、問題を解決するときに用いられる考え方の枠組みのことです。フレークワークにはテンプレートがあり、テンプレートに沿って解決策を考えることができます。今回は、数あるフレームワークのなかから15種類を厳選してご紹介します。業務の生産性向上やマーケティングなどさまざまな目的で活用できるため、参考にしてみてください。

フレームワークとは 

フレームワークとは、課題の解決や行動を起こす際に当てはめて考えることができる枠組みのことです。フレームワークの利用により、問題解決や意思決定がしやすくなる特徴があります。
フレームワークにはさまざまな種類があり、状況に合わせて適切なフレームワークを選ぶのが大切です。

ビジネスに有効なフレームワーク15選

ここからは、15種類のフレームワークを紹介します。

ピラミッドストラクチャー

ピラミッドストラクチャーとは、自分の主張を頂点に置き、主張を裏付ける根拠を並べていく方法です。相手を納得させる根拠となるデータを準備するために用います。
たとえば、「来年の新入社員は最低3名必要だ」という主張があったとします。この主張に対しては、「退職者が3名出たから」「A部署で2名、B部署で1名人材が不足しているから」といった根拠を並べることができるでしょう。主張の根拠を集めたいときに役立つフレームワークです。

ロジックツリー

ロジックツリーとは、一つの問題を深掘りしていく考え方のことです。深掘りした考えが枝分かれのように広がっていくことから、ロジックツリーと名付けられました。

ロジックツリーでは、課題に対して「なぜ」「どのように」を軸に深掘りを進めていきます。
たとえば、「人材が定着しない」という問題があった場合、「労働時間が長い」「給与が少ない」などの要因が考えられます。そこから、「労働時間が長いのは業務量が多いから」「業務の効率が悪いから」などのように掘り進めていきます。
問題の要因を深掘りし、根本の課題を突き詰めて考える際に役立ちます。

SMARTの法則

SMARTの法則は、目標を設定する際に役立つフレームワークです。
目標設定では、以下の5つを基準に考えます。

  • Specific  :具体的な目標
  • Measurable :計測可能な目標
  • Achievable  :達成可能な目標
  • Realistic      :現実的な目標
  • Time-related:期限がある目標

たとえば、会社の売り上げを増加させたい場合、「売上を増加させる」だけでは目標とはいえません。「売上を5%増加させる」「半年以内に達成する」などのように、具体的な目標を決めましょう。

4P分析

4P分析とは、以下の4つの要素から分析を行うフレームワークです。

  • 商品:Product
  • 価格:Price
  • 販促:Promotion
  • 流通:Place

マーケティングで使用されることが多く、新商品の発売などの場面で利用できるでしょう。
たとえば、4つの要素の中で販促・流通の詳細が定まっていない場合、どのような方法で売り出すのか、どのような流通経路を確保するのかが課題になることが分かるでしょう。
4つのPを基準に分析を行うことで、現時点で決めなければならない課題が明確になります。

PDCAサイクル

PCDAサイクルは、物事を改善する際に利用するフレームワークです。
次の4つの手順を繰り返すことでより良い方法を見つけるために用いられます。

  • Plan   :計画を立てる
  • Do   :行動に移す
  • Check:評価する
  • Action:改善する

たとえば、プレゼンで失敗してしまった場合、何が問題であったかを考えます。話し方が良くなければ、「発表の練習時間を増やす」ことが改善になるでしょう。資料が分かりにくかったのであれば、「資料の内容を上司にチェックしてもらう」ことが改善になります。このように、計画・行動・評価・改善を繰り返すことで人材育成や事業の成長につなげていく目的があります。

MECE(ミーシー)

MECEとは、物事を考える際に、「重複がなく、漏れがなく」考えるための方法です。
「Mutually- Exclusive-and-Collectively-Exhaustive」の頭文字をとって名付けられました。
たとえば、従業員を20代と30代に分類する場合、重複や漏れは起こりにくいでしょう。
しかし、従業員を20代・30代・課長職以上に分類する場合は、「20代の課長職」「30代の課長職」などの重複が起こりやすくなります。
MECEは、このような重複や漏れがないように物事を考えるための手法です。

SCAMPER

SCAMPERは、新しいアイデアを出すために使うフレームワークです。
SCAMPERには次の言葉が含まれています。

  • Substitute       :代用する
  • Combine         :結合する
  • Adapt              :応用する
  • Modify     :修正する
  • Put other uses:転用する
  • Eliminate        :削除する
  • Reverse         :逆転させる

たとえば、「上司と部下の仕事を逆転させて、それぞれの役割や気持ちを理解しよう」と取り組んだ企業があります。この考え方は、SCAMPERのReverseに該当し、新しいアイデアの創出につながるでしょう。

SWOT分析

SWOT分析とは、現状を適切に把握するために使用するフレームワークです。
SWOT分析では以下の4つの観点から分析を行います。

  • Strength     :長所
  • Weakness  :短所
  • Opportunity:機会・チャンス
  • Threat        :脅威

通信販売を行っている企業を例にすると、「長所は受注生産体制があること」「短所は細かいオーダーメイドに対応できないこと」などが考えられます。さらに、「機会はブランドの認知度が高いこと」「脅威は新興ブランドに人気が押されていること」などが考えられるでしょう。
このように、状況を適切に把握し、解決すべき問題を明らかにするためにSWOT分析が用いられます。

STP分析

STP分析は、次の3つからマーケティングの分析を行う方法です。

  • Segmentation:市場を分類する
  • Targeting        :市場の決定する
  • Positioning     :自社のポジショニングを決める

まず、サービスの利用者や購入者をいくつかに分類し、どこにアプローチするかを決めます。
そして、自社のポジショニングを意識し、他社との差別化を行いましょう。たとえば、とある地域で新しくラーメン屋を出店する場合、一人で来る人が多いか、家族連れの人が多いかなどを分析します。そこからメインの客層を定め、価格帯やメニューなどを決めていきます。
「家族連れに向けて安く販売する」という方向性が決まったら、競合にはどのような店がいるのかを調べます。このように分析を行うことで、他社との差別化や、戦うべき競合が明確になるでしょう。

3C分析

3C分析は、自社・顧客・競合の3つから分析を行うフレームワークです。
この3つの要素を分析することで、自社の置かれている状況を客観的に把握できます。

たとえば、自社が新商品を開発し、低品質・低価格で売り出すとしましょう。
顧客が安さを求めているのであればプラスになりますが、高品質の商品を求めている場合はマイナスに作用する可能性があります。また、自社の売り出し方を決める際に、競合の商品を分析することも有効です。自社・顧客・競合の3つの要素を分析し、自社の商品開発やマーケティングに活かせます。

バリューチェーン

バリューチェーンは、商品やサービスを販売する際に使用されるフレームワークです。企画から販売までの全体像を把握し、誰が、何を行うのかを整理します。
たとえば、新商品を開発する際は次の工程が必要になるでしょう。

  • 商品の企画
  • 設計
  • デザイン
  • 販売

上記の工程に対し、誰が・いつまでに・何を・どのように行うかを決めるのがバリューチェーンです。工程を細分化することで、必要な内容を漏れなく考えることができるでしょう。

ECRS

ECRSは、次の4つの視点から業務の効率化を図るフレームワークです。

  • Eliminate   :排除
  • Combine   :結合と分離
  • Rearrange:入替え
  • Simplify    :簡単にする

たとえば、無駄な手順を省くことはEliminateに該当します。複雑な手順を簡単にできる場合はSimplifyに当たります。このように、ECRSの視点で考えることにより、改善策を発見することができるでしょう。

AIDMA

AIDMAとは、消費者の行動に対して仮説を立てるために使用するフレームワークです。
消費者が商品を購入するまでの過程には、次の5つのステップがあるとされています。

  • Attention:注意を向ける
  • Interest  :関心を持つ
  • Desire :欲しい欲求が出る
  • Memory :記憶に残る
  • Action    :行動に移す

AIDMAの使用により、商品やサービスを利用してもらうために、何が必要かを分析できます。たとえば、注意をひくために目立つパッケージにしよう、印象に残る名前をつけよう、などと考えることができるでしょう。

7S

7Sは、経営方針を決める際に使用されるフレームワークです。
企業には以下の7つの経営資源があるとし、自社の持つ資源を当てはめることで今後の方針を定めます。

  • 戦略
  • 組織構造
  • システム
  • 共通の理念
  • 経営スタイル
  • 人材
  • スキル

上記の7つの経営資源は、ソフトとハードに分けられています。
ソフトが「戦略」「組織構造」「システム」、ハードが「共通の理念」「経営スタイル」「人材」「スキル」です。
企業が成長するためには、7つの経営資源のうち、自社に不足しているものを見極めて解決策を考えることが必要です。

KPT

KPTは、業務内容を簡単に振り返ることができるフレームワークです。
KEEP・Problem・Tryの3つの視点で考えます。

  • Keep  :今後も続けること
  • Problem  :改善したいこと
  • Try          :KeepとProblemをもとに今後行うこと

KPTの特徴は、シンプルで簡単に振り返りができる点です。時間がないときでも実施でき、次にやるべきことが明確になるでしょう。

まとめ

課題やアイデアの洗い出しに行き詰ったときは、フレームワークを取り入れてみましょう。
フレームワークにはさまざまな種類があるため、目的に合わせたフレームワークを選択することが大切です。目的に応じてフレームワークを使い分け、企業全体の成長につなげていきましょう。