このページのまとめ

  • 働き方の多様化もあり、テレワークでの新人教育が増加している
  • テレワークでの新人教育は、具体的な言葉で教えることが大切
  • テレワークでの新人教育は理解度に差が出やすいため、理解度の確認を徹底する

テレワークの普及もあり、新人教育の方法が対面からオンラインに移行している企業も多いことでしょう。対面での直接指導と異なり、オンラインでの指導が思うようにいかず悩んでいる担当者の方もいるかと思います。今回は、テレワークで新人教育を行う際のポイントや実施手順について詳しく解説します。オンラインでの新人教育をスムーズに進めるための参考にしてみてください。

テレワークによる新人教育の変化

テレワークが普及し、新人教育をテレワークで行う企業が増えています。新入社員は出社せず、テレワークで研修を受ける形式です。従来の研修は対面で行うことがほとんどであり、出社が基本でした。しかし、現代はe-ラーニングの普及や、研修システムの発展の影響もあり、テレワークでも問題なく新人教育を行える環境ができ始めています。

テレワークによる新人教育の課題 

テレワークによる新人教育には、以下のような課題があります。

コミュニケーションが難しい

テレワークの研修では、ビデオ通話や音声通話を利用します。自宅の通信環境に不備があると、映像や音声が途切れてコミュニケーションに支障が出てしまう場合があります。通信環境がその場で改善されない場合は、新人教育を別日に変更したり、資料やチャットを使って説明しなければならなくなったりするでしょう。

見せて教えることが難しい

ビデオ通話などで指導を行う場合、物理的に仕事のやり方を見てもらうことができません。
細かい手の動きや力の入れ方などの加減が伝わりにくいため、感覚的なコツを丁寧に言語化して伝える必要があります。同じ空間で指導するよりも、実際に見て覚えるハードルが上がってしまうのが課題の一つです。

新入社員が孤独を感じやすい

互いに励まし合える同期や仕事を教えてくれる先輩がそばにいないことで、新入社員が孤独を感じやすいのもテレワークの特徴です。孤独感が強くなると、モチベーションが下がって研修に集中できなくなる従業員も発生するでしょう。早期退職につながる可能性もあるため、注意が必要です。

テレワーク下での新人教育のポイント

テレワークでの新人教育は、次のポイントを押さえて実施しましょう。

テレワークでできる教育プランを組む

まずは、テレワークに沿った教育プランを組みましょう。指導内容を動画にしたり、資料を画面共有しながら説明したりすると分かりやすくなります。また、どこまで理解できたかを確認するために、一つの項目のレクチャーが終わったら「ここまでで何か分からないことはありますか?」と聞いてあげると新入社員が質問しやすくなるでしょう。

複数人で指導する

新入社員のサポートをしやすくするためにも、複数人で指導しましょう。教育担当者が数名いることで、一人の教育担当者が気づかなかった異変にほかの教育担当者が気づいてフォローすることができます。特定の教育担当者に対して「忙しそうだから今質問したら迷惑かな」と遠慮してしまう新入社員がいるかもしれません。そのようなときに教育担当者が複数いれば、ほかの教育担当者に質問することができるでしょう。
教育担当者はもちろん、新入社員の心理的な負担を軽くするためにも、複数の教育担当者を配置するのがおすすめです。

具体的な言葉で伝える

画面を通して仕事のやり方を見せるときは、できるかぎり具体的な言葉で伝えるようにしましょう。
たとえば、「入力を間違えたときはショートカットキーで戻ってね」と伝えるよりも、「入力を間違えたときは『Ctrl+Z』のショートカットキーを押して一つ前の作業段階に戻ってね」と伝えたほうが分かりやすくなります。
業務について右も左も分からない新入社員に理解してもらうためにはどのような説明をするべきかを考え、具体的な表現を用いて伝えることが大切です。

テレワークでの新人教育の手順

テレワークでの新人教育の主な手順を紹介します。

研修内容を決める

最初に、研修で教える内容とレクチャーの進め方を決めておきましょう。また、パソコン操作になれていない新入社員もいるため、パソコンの基本操作やシステムの使い方の指導も必要になります。

必要なシステムやツールの準備

研修で利用するパソコンやシステムなどを準備しましょう。パソコンは問題なく作動するか、システムの使いやすさは問題ないかなどを確認します。当日の状況によってはパソコンの動作不良やシステムエラーなどが生じる可能性があるため、トラブルが発生した場合の対応についても決めておきましょう。

新人教育の実施

研修の準備ができたら、新人教育を実施します。一方的な指導にならないよう、新入社員に都度質問を投げかけたり、発言を促したりすることが大切です。複数の新入社員を一度に指導する場合は、新入社員同士でディスカッションの機会を設けるのも効果的です。

フォローとフィードバックを行う

研修後に、研修内容のフォローとフィードバックを行いましょう。
研修後のフォローやフィードバックには、レポートを提出してもらったり、研修内容の理解度を確認するためのフォロー研修を実施したりする方法があります。
実務に直結する内容はなるべく早めにフィードバックを行い、そのほかの内容は数ヶ月後の研修で理解度を確認するなどの工夫をすると良いでしょう。研修を行う際には、フォローとフィードバックをセットで実施するようにしましょう。

まとめ

テレワークでの新人教育では、できるだけ具体的な表現を用いて分かりやすく説明しましょう。画面越しでもスムーズに理解してもらえるように、動画や資料を作成しておくと安心です。また、新入社員の理解度を確認するために、「ここまでで何か分からないことはありますか?」と質問しながら進めると良いでしょう。画面越しに一人で指導を受けている新入社員の立場に立ち、指導方法を工夫しましょう。