このページのまとめ

  • R&Dとは、新しい商品を生み出すために行われる研究のこと
  • R&Dの種類は「基礎研究」「応用研究」「開発研究」の3つに分類できる
  • R&Dは成果が出ないケースもあるため、リスクも考えて実施する必要がある

企業が持続的に発展していくためには、新しいサービスや商品を生み出すことが必要です。そこで注目されているのがR&Dです。R&Dは研究開発のことであり、自社技術をよりレベルアップさせるために行われます。今回は、R&Dのメリット・デメリットや企業の導入事例を解説します。企業戦略を考える際の参考にしてみてください。

R&Dとは

R&Dとは、「Research&Development」を略した言葉です。日本では「研究開発」と訳されることが一般的です。新商品の開発や既存の商品の改良を行うための研修のことをR&Dと呼びます。
R&Dには、他社よりも優れたサービスを生み出す目的があります。
独自の技術が発明できれば、特許使用料の取得を含めた売上アップが見込めます。
また、他社にはない製品を開発しているという点において競争優位性が高まり、企業イメージの向上も期待できるでしょう。

R&Dの種類

R&Dは「基礎研究」「応用研究」「開発研究」の3種類に分類可能です。
それぞれの違いは以下のとおりです。

基礎研究

基礎研究とは、新しい発見を目的とした研究のことです。
仮説に基づき、その仮説を立証することを目的としています。
新しい発見ができれば自社独自の技術の開発に発展させることができます。
ただし、基礎研究には時間がかかり、発見した技術が必ず役に立つとは限りません。
基礎研究を行う際には、長期的な視野で考えることが大切です。

応用研究

応用研究は、基礎研究で発見した内容を実用化するための研究です。
基礎研究の理論を自社サービスに活用するための研修を行います。また、既存の技術を新しく利用できないかを探る目的もあります。
基礎研究よりも一歩進んだ、実用化に向けての研究といえるでしょう。

開発研究

基礎研究や応用研究で得た内容を、商品やサービスに落とし込むのが開発研究です。
より具体的な商品になるように開発を進めます。
開発研究には、消費者のニーズを調査するマーケティングも必要です。
ニーズをもとに、必要なサービスや商品を開発することを目的としています。

R&Dを実施している企業例

R&Dの事例から、どのような取り組みが行われているか学びましょう。ここでは、R&Dに取り組む企業の事例を2つ紹介します。

自社システムの技術研究例

鉄道システムを扱っているA社では、自社システムをさらに安全に利用できるようにR&Dを実施しています。新しい技術を開発するだけでなく、既存の技術の改良を行うこともR&Dの目的の一つです。

人材開発への活用例

B社では人や組織に対する技術開発を行い、人材開発を行っています。
具体的には、「労働政策」「人材ビジネス」などの労働にまつわる幅広い分野を研修していることが特徴です。研究結果については社内だけでなく外部へも公表しているため、他社がデータを活用することもできます。

R&Dを実施する際に押さえておくべきポイント 

R&Dを実施する際には、以下の点を押さえておきましょう。
懸念点を理解したうえで、実施すべきかどうかを慎重に検討することが大切です。

成果が出ない可能性もある

R&Dを実施しても、成果が出ることが保証されているわけではありません。
成果が出ない日が続き、R&Dを打ち切らなければならないケースも出てくるでしょう。
あくまでも研究であるため、成果が出なかった場合のリスクを考慮することが大切です。

コストが必要

R&Dの実施には、機械や人材、時間などのコストが掛かります。
商品やサービスとして世に出るまで、コストが掛かり続けることを知っておきましょう。
また、商品やサービスとしてリリースできた際に、R&Dでかけたコストが回収できるかどうかも含めて検討する必要があります。

人材確保が難しい

R&Dに取り組める人材の確保も必要になります。
他社も同じようにR&Dを実施している場合、優秀な人材の取り合いになります。
待遇面や労働環境など、他社よりも優れた条件で人材確保に取り組むことが大切です。

情報流出のリスクがある

R&Dで開発した技術が流出してしまう可能性にも注意しましょう。
R&Dを委託する場合や、社内でR&Dを担当していた従業員が他社に転職した場合に技術が流出してしまう恐れがあります。情報漏洩を未然に防ぐ対策を考えておきましょう。

まとめ

企業が商品やサービスを良くしていくための方法の一つに、R&Dの実施があります。ただし、R&Dは必ず成果が出るわけではないため、長期的な視点で行うことが必要になります。R&Dで成果を出すことができれば企業間の競争で優位になることが期待できるため、メリットとリスクの両方を照らし合わせたうえで実施を検討してみてください。