このページのまとめ

  • 部下をダメにする上司の特徴は、教え方やコミュニケーションが下手
  • 部下をダメにする上司の口癖は「他人と比較した内容」「自身の苦労話」「人格否定」
  • 部下をダメにする上司から脱却するには、社員に適切な目標や挑戦の場を与える

部下をダメにする上司は、組織にマイナスの影響を与えます。優秀な部下が配属されても、部下のメンタルを追い詰めてしまい、退職・休職に至らせてしまう上司もいるようです。そのため、部下の信頼を得て、尊敬される上司は、企業にとっても貴重な人材といえるでしょう。このコラムでは、部下をダメにする上司の特徴や、口癖を解説します。自身の言動の振り返りをはじめ、人材育成や人員配置にお役立てください。

部下をダメにする上司の特徴

部下をダメにする上司の特徴としては、コミュニケーションや教え方が下手であったり、感情的に接したりすることが挙げられます。

コミュニケーションが下手

コミュニケーションが下手だと、「指示や報告・連絡が伝わらない」「信頼関係が構築できない」などの弊害が生じるでしょう。このような状態が続けば、部下が相談をしたいと思っても、「上司に相談しても意思疎通が測れず無意味に終わりそう」と思われてしまいます。その結果、部下の悩みは改善されず、ダメになっていってしまう可能性があるでしょう。
また、上司と部下でコミュニケーションが取れず連携がうまくできなければ、トラブルが発生する可能性は高くなるもの。トラブルにより業務が止まれば、直接の部下だけではなくほかの従業員にも迷惑がかかることも想定されます。

命令ばかりしている

部下に考えることをさせず、命令ばかりしているのも特徴です。部下から考える能力を奪い、「指示がなければ動けない人材」にしてしまうからです。命令でしか動けない部下は、主体性がなくなり、活躍できない部下になってしまいます。

教え方が下手

上司の教え方に問題があると、部下が成長しなくなります。部下はスキルを覚えられず、活躍の場がなくなってしまうからです。部下が活躍できる場面を作るためにも、成長できるように指導を行いましょう。たとえば、指示内容は伝わっているか、部下が分からない言葉や専門用語を使っていないかといった点に注意しながら進めることが大切です。

感情的に叱る

感情的に叱る上司も代表的です。怒鳴って注意するのは、部下のためではなく「自分の立場を守りたい」「問題や失敗の責任を負いたくない」のが明白。怒られた本人は萎縮したり反発心を抱いたりして、生産性を下げる可能性があるでしょう。
また、感情的ではなくても、大勢の社員がいる前で注意したり、部下の話を聞かずに一方的に叱ったりする上司は、部下のモチベーションを下げてしまいます。上司であれば、部下の成長を考えて注意をすることが必要です。

部下をダメにする上司の口癖 

部下をダメにする上司は、余計な一言や相手を否定するような言葉など、人を傷つけるような口癖を発していることがあります。代表的な口癖の例を見ていきましょう。

「Aさんならできるのに」

「Aさんならできる」というように、ほかの社員と比較する発言は部下に劣等感を与えます。特に、部下の同期やライバルとの比較は、本人のプライドを傷つけモチベーションを下げてしまうもの。業務で気になる点があれば、部下の失敗や課題に焦点を向けるべきであり、他人と比較する必要はありません。

「俺の時代は大変だった」

「俺の時代は大変だった」といった過去の苦労話を持ち出すのも、部下のモチベーションを下げる原因です。これは、「自分を優秀に見せたい・凄いと思われたい」「部下の努力が足りない」といった内容を伝えたいために発言されていると思われます。
しかし、過去と現在の状況が全く同じであることはなく、上司と部下の能力・個性も違うのは当たり前。さらに、自分の過去を持ち出し、比較しても、現状の課題は解決できません。
部下は「どれだけ努力しても認められることはない」と感じ、自ら成長することをやめてしまうでしょう。

「だからお前はダメなんだ」

人格否定をするような発言は、部下を傷つけ、萎縮させるだけの言葉です。上司によっては、「お前はダメ」と話すことで、「発破をかけている・応援している」と勘違いしている場合もあります。しかし、人格否定は、ただ部下を傷つけるだけなのでやめましょう。

「こんなこともできないの?」

自分ができることを部下ができない場合、「こんなこともできないの?」「これくらい誰でもできるのに」と発言する上司がいます。しかし、部下とは経験と年数、得意なことが違うので、馬鹿にするのはやめましょう。失敗は良いことではありませんが、必要なのは失敗の原因を探し、改善していくことです。馬鹿にしたり、非難するのではなく、成功させる方法を部下と考えましょう。

「お前には期待していない」

部下が失敗やミスをすると、「お前には期待していない」と突き放す上司がいます。
この発言も、部下を傷つけ、モチベーションを下げるだけの発言です。期待していないと伝えることで、負けん気を発揮させようと考える上司もいますが、効果があるのは一部と考えられるでしょう。ほとんどの人は、期待されていないと感じ傷付くはずです。部下を否定するような言葉は、安易に発してはいけません。

部下をダメにする上司から卒業する方法

部下をダメにする上司から卒業するには、行動や発言を変えることが重要です。特に、自分中心な発言をしたり、非難や否定から入るのはやめましょう。部下の手本となるような、信頼される行動が求められます。

部下の意見を尊重する

部下の意見を尊重し、まずは傾聴することが重要です。自分の意見が絶対だと思わず、部下の話にも耳を傾けてみましょう。話を聞いてもらえると感じた部下は、安心して話せます。コミュニケーションの活性化にもなるので、良い循環ができると考えられるでしょう。

適切な目標を与える

部下のスキルや能力に応じた、適切な目標を与えましょう。低すぎる目標も、高すぎる目標も、モチベーションが上がらないからです。たとえば、成功できるかできないか微妙なラインで目標設定すると、部下の努力が分かりやすいでしょう。一方で、低すぎる目標は努力せず達成できてしまうため無意味になってしまいます。高すぎると努力をしても達成できず意欲を下げてしまい、部下の成長を妨げる要因になることも。部下が自分の実力や課題を発見できるように、適切な目標を与えましょう。

部下に自分で考えさせる

上司から指示を行うだけではなく、部下に自分で考えさせることも大切です。自分で考えられる部下は、主体性が伸び、成長もしやすくなるでしょう。上司によくある失敗として、全て上司が指示をしたり、最初から正解を教えてしまったりすることです。まずは部下に考えさせ、考える力を伸ばしてあげましょう。

結果だけではなく過程も見る

結果は大事ですが、過程も同じく大切にしましょう。結果だけで判断してしまうと、部下の頑張りを見逃すことにつながるからです。たとえば、営業のように売上が評価になる世界では、過程は軽視される傾向にあります。しかし、売上があがらなくても、営業件数を増やしたり、顧客との関係性を構築したりなど、過程で努力した部下もいるでしょう。部下のモチベーションを上げるためにも、結果だけで評価せず、過程も見ながら評価することが大切です。

部下に挑戦させる

部下の挑戦を応援し、積極的にサポートしましょう。挑戦は成功と失敗にかかわらず、部下の成長を促進するからです。部下に挑戦させることは、上司としては失敗のリスクもあります。しかし、部下や今後の会社のことを思えば、必要なステップと考えられるでしょう。失敗の責任は上司がとると覚悟を決め、部下に挑戦させてください。

まとめ

組織を率いる人間として、上司の素質は重要です。部下をダメにしてしまう上司がいれば、組織の成果は悪くなり、メンバーの成長も見込めません。良い上司でいるためには、部下の話を聴き、成長を促進するようなサポートが重要です。