「採用選考段階でミスマッチを防ぐ方法を知りたい」

このような要望を持つ企業や担当者は多いでしょう。

ここでいうミスマッチとは、採用した人材が組織や仕事に対して抱いていたイメージと、現実との間にギャップが生じている状態を指します。

ミスマッチは多岐にわたる弊害をもたらすため、可能な限り選考段階で防ぐことが重要です。

本記事では、ミスマッチを防ぐために、採用活動で意識すべきポイントについて解説します。

ミスマッチを未然に回避し、組織の業績や文化の改善に貢献する人材を採用したい方は、ぜひ参考にしてください。

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人材採用におけるミスマッチの実態

人材採用において、採用後のミスマッチは決して珍しいことではありません。

実際に、マンパワーグループが企業の新卒採用担当者を対象に実施した調査では、82.5%もの担当者が「新卒採用で、うまくいかなかったこと・ミスマッチだったことがある」と回答しているほどです。

以下は、同調査で具体的なミスマッチの内容として挙げられた主な意見です。

  • 配属先のメンバーや上司との相性がよくなかった:37.0%
  • 仕事に対する意欲に問題があった:36.8%
  • 本人の期待と実態にギャップが生じた:36.3%
  • 必要とされる経験やスキルが足りなかった:30.3%
  • 採用した人の価値観と社風が合わなかった:27.8%

上記のうち、「配属先のメンバーや上司との相性」といった人間関係の問題は、選考段階で完全に予測するのは難しく、採用担当者に責任を問うのはやや酷といえます。

しかし、それ以外の要素、すなわち「仕事に対する意欲」「期待と実態のギャップ」「スキル不足」「価値観と社風の不一致」などは、選考プロセスにおいて採用担当者が見極めるべき重要なポイントです。

これらの要素をいかに正確に評価し、見抜くことができるかが、採用のミスマッチによる損失を防ぐ鍵となるでしょう。

参考:

マンパワーグループ株式会社「新卒採用におけるミスマッチは8割超!ミスマッチによる悪影響の1位は採用した社員の早期退職」

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採用でミスマッチが起こる弊害

人材採用の現場において、ミスマッチは多岐にわたる弊害をもたらします。その中でも、とくに企業にとって大きな問題となるのが、採用した人材による「早期離職」です。

先ほど紹介したマンパワーグループ株式会社の調査の中でも、「ミスマッチの結果、起きてしまったことは何かありましたか?」との問いに対して、最も多く挙げられた意見が「採用した社員が早期退職した(57.9%)」でした。

早期離職が問題となるのは、企業が被る経済的損失が大きいためです。

エン株式会社の調査によれば、仮に年収600万円の人材がわずか6ヶ月で退職した場合、企業が負う損失額は最大で「640万円」にまで及ぶといいます。

▼早期離職による損失額「640万円」の主な内訳

項目費用
【採用費用】人材紹介サービスへの紹介料や採用担当者への人件費など、退職者の採用活動に要した費用200万円
【在籍人件費】退職者が在籍期間中に支払った給与や社会保険料などの費用360万円
【教育研修費】退職者に対して実施した研修やOJTに要した費用18万円
【その他費用】後任者への業務引継ぎに要した人件費や、退職者の対応を行った上司の人件費など62万円

上記以外にも、早期離職者が増えれば採用市場での企業イメージが損なわれ、優秀な人材の獲得がより一層難しくなるという、将来的な人材確保の面でも大きな損失を被ることにつながるでしょう。

こうした損失を最小限に抑えるためにも、採用選考の段階でミスマッチを防ぐ対策を講じることが重要であるといえます。

参考:

PR TIMES「「早期離職」に関する実態調査。入社から半年で早期離職が発生した場合、企業の損失額は「640万円」」

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応募者側もミスマッチに不安を抱えている

人材採用において、ミスマッチを恐れているのは企業側だけではありません。

応募者側もまた、「この会社でうまくやっていけるだろうか」「本当にこの会社でいいのだろうか」などと、入社後にミスマッチが起きないか不安を抱えています。

実際に、株式会社学情が新卒就活生を対象に実施した調査でも、74.7%が「就職活動において、ミスマッチに不安がある」と回答しているほどです。

以下は同調査の中で、応募者がミスマッチを防ぐために知りたい項目として、とくに多く挙げられた意見です。

  • 働き方(休日休暇・労働時間):70.0%
  • 福利厚生:52.7%
  • 会社の雰囲気・カルチャー:51.4%
  • 仕事内容・配属先:47.9%
  • 勤務地・転勤の有無:44.1%
  • キャリア形成に関する制度(異動・昇進など):38.7%

企業によっては、内定辞退を恐れて、上記のような情報を応募者に対して意図的に開示しないケースも少なくないでしょう。

しかし、重要な情報を隠した結果ミスマッチが発生し、早期離職につながってしまえば、企業は内定を辞退されるよりもはるかに大きな損失を被る可能性が高いです。

したがって、ミスマッチのリスクを下げ、企業と応募者双方にとって健全な採用を実現するためには、応募者側が求めている情報を極力隠さずに伝えることが大切だといえます。

参考:

株式会社学情「就職活動で「ミスマッチに不安がある」の回答が7割超。「企業が公表している離職率を見て、その高さに不安になることがある」の声」

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ミスマッチを防ぐための採用活動のコツ

ハーバード・ビジネス・レビューの記事(以下、同記事)をもとに、ミスマッチを防ぐために採用活動で意識すべきポイントを紹介します。

定番質問だけに頼らない

採用面接で定番の「あなたの強みは何ですか?」「困難を乗り越えた経験を教えてください」などといった質問だけで、応募者の能力や適性を測るには限界があります。

これらの質問で主に測れるのは、自分の経歴をいかに巧みに話すかという「会話力」にすぎないためです。

面接での受け答えが上手な人を採用した結果、職務遂行に最低限必要な知識やスキルすら不足しているケースは決して少なくありません。

同記事では、企業にとって本当に必要な人材を見極めるために、「先を読んで行動する能力」と「強いプレッシャー下でも真の知識を引き出せる力」を測ることに焦点を当てた、新しい評価アプローチを提唱しています。

具体的には、面接で以下のような質問を投げかけることで、応募者の多角的な能力を検証できるといいます。

質問項目具体例
【準備姿勢、自発的な行動力】事前に調べれば回答できる簡単な質問を通じて、応募者の準備姿勢を評価する「弊社の事業についてどのようなことをご存知か教えてください」
【問題解決能力、実務への適用力】具体的な状況を仮定したうえで、その課題に対し、応募者がどのように行動するかを問う「顧客から『この製品の操作が難しすぎる』というクレームが寄せられました。製品の問題点を社内のエンジニアに正確に伝えるために、あなたならどのように対応しますか?」
【指示への応答力、明瞭な説明力】あるテーマについて、聞き手が何も知らない前提で説明させることで、指示への応答力や明瞭さを評価する「学生時代のあなたの研究テーマについて、専門知識のない私たちでも理解できるように説明してください」

このような質問により、ただ面接の受け答えが上手な人材ではなく、実際に企業の業績や文化の改善に貢献する、真に優秀な人材を見極められる可能性が高まるのです。

文章力を測る選考プロセスを設ける

従業員の多くは、同僚や上司、顧客といった社内外のあらゆる関係者と、日常的に文章でコミュニケーションを取っています。 そのため、業務を円滑に進める力があるかどうかは、「文章力」に大きく左右されます。

しかし、エントリーシートや履歴書を見るだけでは、真の文章力や論理的な思考プロセスを測ることは困難です。

したがって、業務遂行能力の指標として、「文章力」を測る独立した選考プロセスを設けることが重要です。

同記事では、効果的に文章力を評価するために、以下のような実務に即した具体的な課題を設けることを推奨しています。

▼選考課題の例:顧客からのクレーム対応

課題激怒している顧客(架空)に対し、状況を収め、信頼を回復するための謝罪メールを作成する
進め方執筆に取り掛かる前に、返信に必要な情報を得るため、できる限り多く質問をするよう応募者に促す
時間制限実務を想定し、30分から45分以内という時間制限を設ける

作成された文章は、主に以下の2点から評価します。

  • 文章の内容:怒っている顧客に対し、感情的にならず、冷静で適切なトーンで返信を構成できているかをチェックする
  • 論理的な思考と意図:文章の背後にある論理的な思考や、読者(顧客)に対する明確な意図を確認する(応募者に対し、特定の言葉や文章構造を採用した理由を尋ねる時間を設ける)

このように、実務に即した課題を通じて文章力と情報処理能力を評価することは、入社後に業務をスムーズに進められる、真に優秀な人材を見極めるための鍵となるでしょう。

ゲームを通じて企業文化との相性を確認する

採用活動において評価すべきなのは、応募者の「能力」だけではありません。「企業文化との相性」を確認することも必要不可欠です。

組織にはそれぞれ独自の文化が存在します。チームワークを重視する企業もあれば、チャレンジ精神を持つこと、結果を出すことを重視する企業もあるでしょう。

能力がどれだけ高くても、その企業文化に合わない人材は、早期に離職してしまう可能性が高いです。

実際に、過去のさまざまな研究によって、組織に対する愛着や貢献意欲が強い従業員ほど、会社に長く留まる傾向にあることが明らかになっています。

企業文化との相性を確認する方法として、同記事では選考プロセスの一環として「ゲーム」を実施することを提唱しています。

ゲームを通じて応募者をリラックスした環境に置き、通常の面接では見えにくい自然な振る舞いや、他者との関わり方をリアルタイムで観察するためです。

具体的にどのようなゲームを採用すべきかは、組織が重視する文化によって異なります。たとえば、チームワーク重視の企業であれば、メンバーで力を合わせて一つの目標を追求する、ボードゲームなどを選ぶのがよいでしょう。

ここで注意すべきなのは、ゲームの結果そのものは、評価においてまったく重要ではないという点です。ゲームはあくまで、応募者が同僚とどのように関わり、チームに貢献しようとするかをチェックするための手段に過ぎません。

  • 他者への配慮
  • 好奇心
  • その場を楽しみ、貢献しようとする熱意

などの要素を兼ね備えた人材こそが、企業文化に合致した人材だといえます。

参考:

DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー「採用プロセスを改善するための4つのアプローチ」

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「応募者対応が多すぎて、優秀層のフォローまで手が回らない」

採用のプロのノウハウを学習したAIが、候補者の回答を深掘りし、客観的に評価。面接の質を担保しながら工数削減を実現。

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まとめ

ミスマッチを防ぐために、採用活動で意識すべきポイントについて解説しました。

人材採用において、採用後のミスマッチは決して珍しいことではありません。

ミスマッチは多岐にわたる弊害をもたらし、中でもとくに企業にとって大きな問題となるのが、採用した人材による「早期離職」です。

一説では、早期離職によって1人あたり数百万円もの損失が発生するともいわれており、これを防ぐためには、可能な限り選考段階でミスマッチを防ぐ必要があります。

本記事の内容を実践することでミスマッチを未然に回避し、組織の業績や文化の改善に貢献する人材の採用を目指してください。

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