「せっかく採用したのに、すぐ辞めてしまった」という悩みを抱える企業は少なくありません。株式会社マイナビの調査によると、中途採用担当者が「早期離職」と考える勤続年数の平均は、わずか9.5ヶ月以内です。

この問題の多くは、採用基準があいまいなことが原因です。本記事では、ミスマッチを防ぐための採用基準の作り方を、具体的な手順とともに解説します。

参考:

株式会社マイナビ「中途採用における『早期離職』の実態調査」

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なぜ「採用基準」を作り込む必要があるのか

採用基準があいまいだと、面接官の「なんとなく良さそう」という感覚で採用が決まってしまいます。これが採用における3つの問題を引き起こします。

ハロー効果による誤った採用

「ハロー効果」とは、一つの良い点に引きずられて、全体の評価が上がってしまう心理現象です。たとえば「有名大学出身だから、仕事もできるはず」と思い込んでしまうケースがこれにあたります。

トルコのカラビュック大学の研究によると、この問題を防ぐには「構造化面接」が有効です。これは、すべての候補者に同じ質問をして、同じ基準で評価する方法です。

「スーパーマン採用」による母集団の枯渇

現場の要望を積み上げた結果、現実には存在しない完璧な人材を求めてしまう失敗です。ハーバード・ビジネス・スクールの研究「Dismissed by Degrees」によると、本来不要な学歴要件を課す「学位インフレーション」により、実務能力のある人材を自ら排除する企業が増えています。

求人票作成支援サービスを提供するティール社の分析では、求人票の90%以上がソフトスキルを列挙するものの、約8割は具体的な説明がないそうです。

入社後の「期待とのズレ」による早期離職

面接で聞いた話と、入社後の現実が違うと、社員は「だまされた」と感じて辞めてしまいます。

学術誌MDPIの研究によると、入社前に「良いことも悪いことも正直に伝える」ことで、この問題を減らせることがわかっています。

スキルだけでなく価値観の相性も大切

早期離職の多くは、能力不足ではなく「会社の雰囲気に合わない」ことが原因です。組織心理学者クリストフ・ブラウンらの研究(2005)では、個人と会社の価値観が合っているほど、満足度や定着率が上がることがわかっています。スキルは入社後に教えられますが、価値観を変えるのは難しいため、採用時に見極めることが大切です。

参考:

Harvard Business School “Dismissed by Degrees”

MDPI “The Impact of Psychological Contract Violation on Layoff Survivors’ Turnover Intention”

DergiPark “THE IMPORTANCE OF EMPLOYEE SELECTION PROCESS IN THE CONTEXT OF HALO EFFECT”

Teal “Inside Unrealistic Job Requirements”

Personnel Psychology “Consequences of Individuals’ Fit at Work: A Meta-Analysis”

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採用基準を構成する「3つのレイヤー」

採用基準を実用的な選考ツールにするには、要件を明確に分類する必要があります。基準を「MUST」「WANT」「NEGATIVE」の3層に構造化しましょう。

MUST(必須要件)は絶対に必要なもの

採用したその日から仕事をするために、絶対に必要な条件です。たとえば運転手なら「運転免許」がこれにあたります。

設定するときは「これがないと仕事が回らないか?」「入社後3ヶ月で身につけられないか?」と考え、本当に必要なものだけに絞りましょう。米国イーストテネシー州立大学の人事ガイドラインでも、必須要件は「その仕事が存在する理由」に直結すべきと指摘されています。

WANT(歓迎要件)はあれば加点になるもの

「あると嬉しいけど、なくても大丈夫」という条件です。たとえば「英語ができると望ましい」「〇〇の資格があれば優遇」などがこれにあたります。

WANTは「MUSTを満たした人同士を比べるとき」に使います。

MUSTと混同すると、求める人材のレベルが高くなりすぎるため、誰も応募できなくなるので注意しましょう。

NEGATIVE(見送り要件)は即アウトの条件

どんなに優秀でも、これに当てはまったら採用しないという条件です。転勤できない、給与が合わない、といった条件面の不一致や、ハラスメント傾向などが含まれます。

リーダー適性検査で有名なホーガン・アセスメント・システムズ社の研究では、ストレスがかかると問題を起こす人の特徴が11種類特定されています。こうした特徴は普通の面接では見抜きにくいため、深掘り質問やリファレンスチェックが必要です。

参考:

East Tennessee State University “Minimum vs. Preferred Qualifications”

Hogan Assessments “Hogan Development Survey”

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採用基準を具体化する5ステップ

「求める人物像」を、面接で使える形に落とし込む5つのステップを紹介します。

Step1|現場にヒアリングして「活躍する人」を明らかにする

心理学者ジョン・フラナガンが1954年に発表した「クリティカル・インシデント法」を使います。

現場で活躍している人に「うまくいった場面」「失敗した場面」を具体的に聞き出す方法です。

「コミュニケーション能力が高い」ではなく、「お客様のクレームに対して、まず気持ちに寄り添い、事実を整理して、最終的に追加注文をもらえた」という具体的なエピソードを集めます。

Step2|集めた情報を「能力」として言葉にする

集めたエピソードを、知識・スキル・能力・性格の4つに分けて整理します。この分け方は米国労働省のコンピテンシーモデルでも使われています。

たとえば「コミュニケーション能力」を「対人折衝力:意見が対立したとき、相手の気持ちに配慮しながら落としどころを見つける力」のように具体化します。

Step3|MUSTとWANTに振り分ける

「この能力がない人を採用したら、3ヶ月で身につけさせられるか?」と考えます。「Yes」ならWANT、「No」ならMUSTです。この「引き算」をすることで、現実的な採用が可能になります。

Step4|面接での質問を設計する

基準を決めても、「どう質問すれば見抜けるか」がなければ意味がありません。過去の行動を聞く「STAR法」を使います。

悪い例: 「変化に柔軟に対応できますか?」→「はい」としか答えない

良い例: 「仕事の途中で方針が大きく変わった経験を教えてください。そのとき何を考え、何をして、結果はどうなりましたか?」

Step5|評価の基準を具体的に決める

面接官によって評価がバラバラにならないよう、点数の意味を具体的に決めます。パデュー大学の資料によると、この方法で評価のブレが減ることがわかっています。

点数意味具体的な行動(チームワークの例)
5点とても優秀他のチームとも連携して、会社全体の課題を解決した
3点合格自分の役割を果たし、チームと協力できる
1点不合格独断で動いて混乱を招く。人のせいにする

参考:

Psychological Bulletin “The Critical Incident Technique”

CareerOneStop “Competency Model User Guide”

Purdue University “Performance Competency Behavior Anchors”

MIT Career Advising “The STAR Method for Behavioral Interviews”

HR University “Behaviorally Anchored Rating Scale”

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AI面接で正確に評価できるのか

AIの強みと弱みを理解して、上手に活用しましょう。 

AIの強みは疲れや先入観がないので、すべての候補者を同じ基準で評価できます。

一方、弱みとしては過去のデータに偏りがあれば、それを引き継いでしまいます。また、「会社の雰囲気に合うか」といった判断は、まだ人間の方が得意です。

おすすめは「ハイブリッド型」です。AIで基本的なスキルや条件をチェックして、候補者を絞りつつ、人間が再度面接するなどして、価値観の相性や熱意を確認しましょう。

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まとめ

採用基準を明確にすることは、「良い人材を見つける」ためだけではありません。候補者にとっても「自分に合う会社かどうか」を判断しやすくなり、入社後のミスマッチを防ぐことができます。

大切なのは、基準を作って終わりにしないことです。実際に採用した人がどう活躍しているかを振り返り、基準を少しずつ改善していきましょう。「感覚」に頼った採用から、「根拠」に基づく採用へ。その第一歩として、本記事で紹介した5ステップをぜひ試してみてください。

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