パルスサーベイツールとは、従業員の状況を把握するために短いスパンで実施する調査ツールで、従業員の離職防止やエンゲージメント向上に役立ちます。
本記事では、パルスサーベイツールの機能や活用場面、利用のメリット、適切なサービスの選び方を紹介します。「パルスサーベイツールはマネジメントに有効?」と疑問をお持ちの人事・マネージャーはぜひ参考にしてください。
パルスサーベイとは
パルスサーベイとは、従業員や組織の健康状態を定期的かつ高頻度でチェックすることを目的とした、短いスパンで簡易的な質問を繰り返す調査手法のことです。
従来の年1〜2回の調査では見落としがちだった、従業員の細かな心理変化やモチベーションの変動を、週次や月次といった短いサイクルで捉えることが可能です。
パルスサーベイとセンサスサーベイの違い
パルスサーベイとセンサスサーベイの違いは、頻度と目的です。
センサスサーベイとは、年に1~2回程度、50~100問におよぶ多数の設問に回答する大規模な調査です。
パルスサーベイが従業員の状況変化への即応性を高める調査手法であるのに対して、センサスサーベイは組織全体の構造的な課題を深く掘り下げるのに適した調査手法となっています。
パルスサーベイとエンゲージメントサーベイの違い
パルスサーベイとエンゲージメントサーベイの違いは、定義の性質にあります。
エンゲージメントサーベイとは、従業員が会社に対して抱く愛着心や貢献意欲を測定することを目的とした調査のことを指します。エンゲージメントサーベイが調査の目的に焦点を当てた呼び名である一方で、パルスサーベイは頻度に着目した呼称です。
一般的に、エンゲージメントサーベイはセンサスサーベイとして年1回程度の頻度で実施されます。会社によっては、定点観測を行うパルスサーベイをエンゲージメントサーベイに含む場合があります。
パルスサーベイツールの主な機能
パルスサーベイの実施は、パルスサーベイツールを利用すると円滑に進められます。
パルスサーベイツールの主な機能は下記のとおりです。
- サーベイの自動定期配信
- 回答の自動リマインド
- 現場管理者への面談依頼
- AIによる面談サポート
- 面談内容の共有
- AIを用いた従業員のスコア分析
- 根本的な要因の特定
- 従業員の変化のキャッチアップ
- 性格タイプの把握
- 適切なフォローの補助
このようにパルスサーベイツールには、調査の効率化と分析を支援する多彩な機能が備わっています。人事・マネジメント層がネクストアクションを決めやすくなる仕組みが豊富です。
「NALYSYS モチベーション管理」は、パルスサーベイをはじめとする人材マネジメントを支援する機能を多数搭載したプラットフォームです。NALYSYSのパルスサーベイツールによる調査によって社員の状態をリアルタイムで可視化し、離職につながる課題を早い段階で検知します。目的や職種に応じて設問を自由に設計可能で、自社に合わせたオリジナルサーベイを作成できます。
ツールを利用して従業員のモチベーション管理を行い、組織改善に役立てましょう。
パルスサーベイツールの活用シーン
パルスサーベイツールの主な活用シーンは、モチベーションフォロー面談・フィードバック面談・進捗確認面談です。ツールを導入することで、これまで属人的に行われていたコミュニケーションが、データに基づいた精度の高いものへと進化します。
ここでは、各場面におけるパルスサーベイツールの活用方法について解説します。
モチベーションフォロー面談
従業員のモチベーションスコアが低下傾向にあるとき、その予兆をパルスサーベイツールが察知します。モチベーションが下がっている要因も特定できます。
人事や管理職は、手遅れになる前に従業員に声をかけることが可能です。早期のアプローチにより、離職やメンタルヘルス不調を未然に防ぐことができます。
フィードバック面談
パルスサーベイツールで得られた回答結果を、部下との振り返りの材料として活用できます。
パルスサーベイツールによって従業員の状態を客観的な数値で確認できるため、上司の主観だけでなく、事実に基づいた客観的なフィードバックが可能です。また、パルスサーベイでポジティブな結果が数値として出ている場合、具体的な称賛や動機付けにも役立ちます。
進捗確認面談
パルスサーベイツールは、進捗確認の面談にも活用できます。
パルスサーベイツールを利用することで、従業員が携わる業務の進捗状況のほか、その業務に対する納得感や負荷状況を把握することが可能です。
面談を実施する前に従業員のモチベーションを把握できるため、面談の時間を課題解決のための具体的な相談に充てることができるでしょう。
パルスサーベイツールを導入するメリット
パルスサーベイツールを導入すれば従業員のモチベーションを客観的に測れるようになり、会社にも従業員にもポジティブな効果をもたらします。
ここでは、パルスサーベイツールを導入するメリットについて解説します。
パルスサーベイの配信を自動化できる
パルスサーベイツールを使えば、調査の配布・回収・集計のプロセスをすべて自動化することが可能です。
調査をExcelや紙で運用した場合は時間がかかり、集計が終わる頃には状況が変わっていることも珍しくありません。
パルスサーベイツールを利用した場合は、設定したスケジュールどおりに自動で配信され、回答後にはすぐに結果が可視化されます。人事や管理職の事務負担を大幅に削減し、本来重視すべき従業員との対話に時間を割けるようになるでしょう。
従業員の日常的な変化を把握できる
年に1~2回の頻度で実施するセンサスサーベイのみでは、従業員の日々の細かな変化に気づけないおそれがあります。
ツールを利用してパルスサーベイを継続して実施することによって、銃上院の日常的に起こる微細な変化をキャッチできます。状況・モチベーションが悪化し始める予兆を見逃さず、迅速な対策を講じることが可能になるでしょう。
個々の従業員に適した業務を任せられるようになる
パルスサーベイを実施することにより、従業員がどのような業務にやりがいを感じ、どのような場面でストレスを感じるかの傾向を知ることができます。また、パルスサーベイツールを利用して調査を行うことで、従業員のデータが蓄積されます。
蓄積したデータを分析することで、本人の適性や現在のコンディションに合わせたアサインが可能になるでしょう。組織全体のパフォーマンスと従業員満足度を同時に高められます。
精度の高いフィードバックが可能になる
上司の記憶や印象に頼った主観的なフィードバックには時に偏りが生じ、部下の不信感を買うことがあります。
パルスサーベイツールに記録されたログがあれば、データに基づいた根拠のあるフィードバックが可能になります。適切なフィードバックにより、従業員の成長を促進できるでしょう。
部下も上司からのアドバイスを納得感を持って受け入れやすくなり、信頼関係の構築がスムーズになります。
満足度が高い面談・1on1を実施できる
「最近どうですか?」といったような漠然とした問いかけから始まる面談は、従業員から本心を聞き出せず、面談を有意義なものにしづらくなります。
パルスサーベイツールを実施して部下の状態を事前に確認しておくことで、面談の冒頭から気になっているポイントに焦点を当てた深い対話ができます。限られた時間で本質的な悩みにアプローチできるため、部下は「自分のことを見てくれている」と感じ、面談の満足度や自己有用感が向上するでしょう。
パルスサーベイツールを選ぶ際の判断基準
パルスサーベイツールを選ぶときは、機能性や利便性をチェックしましょう。
ここでは、自社の課題解決に最適なツールを選ぶためのポイントを解説します。
機能
パルスサーベイツールを選ぶときは、自社が抱えている課題を解決するために必要な機能が備わっているかを確認しましょう。
自動アラート機能や属性別のクロス集計、過去比較、さらにはAIによる改善アドバイス機能など、ツールによって強みが異なります。各サービスの製品紹介ページを閲覧したり資料請求をしたりするなどして、パルスサーベイツールの機能を確認してください。
カスタマイズの幅
カスタマイズの幅があるパルスサーベイツールを選べば、長期的なマネジメントに役立てやすくなります。
自社独自の行動指針やカルチャーに合わせた設問を追加できるかをチェックしてください。また、部署や職種、雇用形態など、対象者の分類に応じて設問を出し分けたい場合、柔軟なカスタマイズ性が必要になります。
ただし、自由度が高すぎると運用設計に時間がかかるため、テンプレートの充実度もあわせて確認しましょう。
API連携
パルスサーベイツールの選定基準の一つは、API連携の可否です。
すでに会社で導入している人事労務システムやビジネスチャットと連携できるかは、パルスサーベイツール運用を定着させる鍵です。
チャットツール上で回答が完結すれば、従業員の回答ハードルが下がります。また、人事マスタデータと連携できれば、入社年次や部署異動などの情報を手動で更新する手間が省けて、最新の組織図に基づいた分析が可能になります。
UI・UX
パルスサーベイツールを選ぶときは、作成者側と回答者側の両方の観点でUI・UXをチェックしましょう。
パルスサーベイツールの作成画面の使い勝手が良いと設問の設定ミスが起きにくくなります。最低限のマニュアル確認だけで直感的な操作ができるのが理想です。
また、分析ダッシュボードの見やすさも大切です。
回答者にとって、パルスサーベイの答えやすさは重要です。考える負担や操作の負担を最小限にする必要があります。
スマホから回答できたり直感的な操作ができたりすると、従業員が答えやすくなります。また、プログレスバーやオートセーブ機能が備わっていると、回答のハードルが下がるでしょう。
費用
パルスサーベイツールの導入にかかる初期費用や運用コストを確認してください。料金体系には月額課金や従量課金などの制度があります。また、対象とする従業員の人数によって料金が変動するサービスもあります。
パルスサーベイツールにかけられる予算と費用の金額を照らし合わせて、導入を検討します。
コストパフォーマンスを判断する際は、単なる安さだけでなく、パルスサーベイツール導入によって削減できる事務工数や離職防止による採用・教育コストの抑制効果を考慮に入れましょう。
サポート体制
パルスサーベイツールを導入するときは、サポート体制が充実しているかどうかを確認することが必要です。
導入初期のセットアップ支援やツールの使い方のレクチャーのほか、運用面のサポートがあると安心です。定期的な勉強会や他社の成功事例の共有など、カスタマーサクセスがどの程度伴走してくれるかを確認してください。
特に初めて導入する場合は、伴走型のサポートがあるサービスを選ぶと失敗が少なくなります。
導入実績
パルスサーベイツールを選ぶときは、公式サイトの事例集などを確認し、自社の組織課題に近いケースがあるか探してみましょう。自社と同規模、あるいは同業種での導入実績があるかは、信頼性の目安になります。
また、実績豊富なツールはユーザーの声を受けて機能改善が繰り返されているため、実用性が高い傾向にあります。
「NALYSYS(ナリシス)」の導入事例のページでは、パルスサーベイツール機能の利用を含む成功事例を紹介しています。「多店舗展開の壁を越えた組織改善へ。関係性の強化を目指したNALYSYSの導入」では、パルスサーベイの使用感や調査実施による効果について詳しく紹介しているのでぜひご覧ください。
セキュリティ対策
従業員の機密性の高い情報を扱うため、パルスサーベイツールを選ぶにあたってセキュリティの堅牢さは重要事項です。
PマークやISMS(ISO27001)の取得状況、データの暗号化、IPアドレス制限、二段階認証などの機能を確認しましょう。また、管理者側の権限設定が細かく行えるかどうかも、従業員が安心して本音を回答するために大事な要素です。
パルスサーベイツールの導入・利用の手順
パルスサーベイツールの導入・利用を行う際は、さまざまな準備が必要です。
ここでは、パルスサーベイツールの運用を成功させるためのステップを解説します。
1.課題分析・目標設定を行う
パルスサーベイの目的が曖昧なまま始めると、回答を取るだけで改善施策まで至らず、かえって従業員の不満を招くリスクがあります。
パルスサーベイツールを導入する前に、「なぜパルスサーベイを行うのか」を明確にしましょう。「離職率を〇%下げる」「若手の本音を吸い上げる」など、具体的な目標を設定します。
解決したい課題が明確になれば、選ぶべきパルスサーベイツールの要件や重視すべき分析項目も自然と定まってきます。
2.パルスサーベイツールを選定する
設定した目標と予算に基づき、複数のパルスサーベイツールを比較検討します。前述の判断基準を照らし合わせ、自社のITリテラシーや組織規模に合ったものを選びましょう。
候補を絞ったら、無料トライアルを利用して一部の部署でテスト運用を行うのがおすすめです。現場の管理職や従業員から管理画面の使いやすさや回答のしやすさ、結果の有用性などについてフィードバックを得ることによって、導入後のミスマッチを防げます。
3.質問項目を作成する
パルスサーベイツールにもともと備え付けられているテンプレートを活用しつつ、自社の目的に合わせた設問を選定します。
パルスサーベイの質問項目は、短く答えやすいものを作成することが大切です。設問数は5〜10問程度に抑え、直感的に答えられる選択式を中心に構成しましょう。
また、質問内容が毎回変わると経時変化を追えなくなるため、固定の質問と時期によって入れ替える質問を組み合わせるのが効果的です。
4.関係者との連携体制を整える
パルスサーベイツールを本格始動させる前に、全従業員に対して実施の目的とメリットを丁寧に説明します。「監視のためではなく、より良い職場環境を作るためである」というメッセージを伝えることが重要です。
また、サーベイの結果を誰が確認し、誰が面談などのアクションを起こすのか、責任者と実務担当者の役割分担を明確にしておきましょう。
5.調査を実施する
パルスサーベイツールを運用する準備が整ったら、パルスサーベイの配信を開始します。開始当初は回答漏れが発生しやすいため、チャットツールなどでのリマインドを活用しましょう。
パルスサーベイの回答率が低い場合は、配信タイミングが適切かどうかや、設問数が多すぎないかなどを検証します。回答すること自体が従業員の負担にならないよう、細心の注意を払いながら運用してください。
6.データの集計・分析を行う
パルスサーベイツールを使って収集されたデータをリアルタイムで分析します。スコアの数値のほか、急激な低下や継続的な下降も注視してください。
全体平均の推移だけでなく、部署別・職種別・入社年次別などの属性別でセグメント分析しましょう。また、項目間の相関分析や定性的データの分析も、人材マネジメントに有効です。
7.分析結果を活かして施策を実行する
パルスサーベイツールのデータを集計・分析したら、それらのデータを活かしてマネジメント施策を実行します。
課題が感知された従業員のフォローや職場環境の整備、管理職向け研修の実施など、具体的なアクションを起こしましょう。
マネジメント施策の実行やパルスサーベイ内容の改善を繰り返していくことによって、より良い組織へと成長させられます。
「NALYSYS モチベーション管理」では、データの集計・分析から解決策の示唆まで、AIがサポートします。
調査結果をもとにAIが組織状態を可視化し、分析結果から次のアクションにつながる改善提案をします。


「NALYSYS モチベーション管理」は1on1でのマネジメント行動のレコメンド機能も搭載しています。サーベイ結果や性格検査、過去の面談記録などを学習したAIが、従業員一人ひとりの特性に合わせたアプローチをサポートします。

パルスサーベイを実施する際の注意点
パルスサーベイを実施する際は、フィードバックを実施し具体的な行動に移す体制が整っているかどうかに注意する必要があります。
パルスサーベイを成功させるためのポイントは、従業員に答えっぱなしにさせないことです。
パルスサーベイを行い高頻度で回答を求める以上、従業員は「回答したことで何が変わるのか」を常に見ています。回答しても状況が何も変わらない場合、従業員の不信感を高めてしまいます。結果を速やかに開示し、課題に対してどのような対策を講じるのかを誠実に伝えましょう。
調査・分析・改善のサイクルを回し続ける体制を整えることで、パルスサーベイツールは組織を活性化させるための大きな推進力となります。
まとめ
パルスサーベイとは、週次・月次などの高い頻度で実施する調査手法のことです。
人事担当者や管理職にとって、従業員の本音やコンディションをリアルタイムで把握することは、組織運営において重要事項です。パルスサーベイを定量化・効率化できるツールを導入し、マネジメントを円滑に進行させましょう。
パルスサーベイツールを導入する際の主な判断基準は、「機能」「カスタマイズの幅」「API連携」「UI・UX」「費用」「サポート体制」「導入実績」「セキュリティ対策」です。
自社のマネジメントの課題や目的、予算などに応じて最適なパルスサーベイツールを選びましょう。
