「AI面接を導入している企業は、実際にどのような効果を得ているのだろう」とお考えの採用担当者の方も多いのではないでしょうか。
AI面接の導入は、応募数が多く選考工数に課題を抱える企業を中心に、中小企業にも広がっています。
本記事では、AI面接を導入した3社の実例をもとに、各社の課題・導入の決め手・効果と、サービス選定時に重視された観点を解説します。導入を検討している採用担当者の方は参考にしてください。
AI面接の導入企業と導入が広がる背景
AI面接の導入は、応募数が多く選考工数が課題になりやすい大量採用・アルバイト採用の現場で進んでおり、従業員数十名〜100名超の中小企業にも広がっています。 本記事で後述する3社の導入事例も、従業員40〜100名超の企業がAI面接によって採用体制を変えた実例です。
まずは、AI面接の導入がどのような企業で、なぜ進んでいるのかを整理します。
採用活動におけるAI活用の広がり
採用活動での生成AIの活用は、すでに珍しいものではなくなりつつあります。
レバテックの「IT白書2025」によると、採用活動に生成AIをすでに導入している企業は20.6%、今後の導入を検討している企業は36.3%で、過半数(56.9%)の企業が活用に前向きです。

引用:レバテック株式会社「採用活動におけるAI活用状況と導入シーン(IT白書2025)」
一方で、生成AIの普及は応募者側にも及び、市場ではエントリーシートなど書類選考での見極めが難しくなっています。
レバレジーズが2026年2月に実施した「新卒・中途採用におけるAI面接導入に関する実態調査」では、AI面接を導入している企業の約7割(69.7%)が、生成AIの普及により書類選考で「人物の見極めを行うことが難しくなった」と回答しています。

引用:レバレジーズ株式会社「新卒・中途採用におけるAI面接導入に関する実態調査」
応募書類が候補者の実像を映しにくくなった結果、書類の情報ではなく「実際に話した内容」で見極めたいというニーズが強まり、面接の情報量を選考の早い段階で確保できるAI面接への注目が高まっています。
参考:レバテック株式会社「採用活動におけるAI活用状況と導入シーン(IT白書2025)」
参考:レバレジーズ株式会社「新卒・中途採用におけるAI面接導入に関する実態調査」
導入が進む企業の特徴と共通する採用課題
AI面接の導入が進んでいるのは、「応募は集まるものの、選考にかける時間と人手が足りない」という企業です。
本記事で導入事例として紹介する3社には、次のような課題がそれぞれみられました。
- 面接を担う担当者が店舗運営や経営など本来の業務と兼務しており、面接の時間を確保しにくい
- 応募対応や面接日程の調整に手が回らず、選考が停滞・長期化する
- 面接の評価や実施が、特定の担当者に集中している
こうした条件に当てはまる企業ほど、24時間365日受験できるAI面接の効果を実感しやすいといえます。
AI面接のメリットや効果、導入時の注意点を把握しておきたい場合は、次の記事を参考にしてください。
AI面接の導入企業事例3選【業種別】
ここからは、レバレジーズが提供する「NALYSYS AI面接」を導入した3社の事例を、業種・企業規模とあわせて紹介します。
| 企業名 | 業種 | 従業員数 | 主な導入効果 |
| First fit株式会社様 | フィットネスクラブ | 114名 | 採用工数を約80%削減、応募から内定まで平均30日→10日程度 |
| 株式会社征東様 | 小売(ベーカリー) | 43名 | 200名超の応募に対応し、約40名のオープニングスタッフを採用 |
| 株式会社アルス・ノヴァ様 | Web・モバイルアプリ開発 | 40名 | 一次面接をAIに置き換え、オファー数を増やす体制づくりへ(導入初期・効果見込み) |
それぞれの課題・導入の決め手・効果を紹介します。
フィットネス業:採用工数80%削減と選考期間の短縮

パーソナルジム「THE PERSONAL GYM」を運営するFirst fit株式会社様は、AI面接の導入で採用工数を約80%削減し、応募から内定までの期間を平均30日から10日程度に短縮しました。
同社では事業拡大に伴い、多い月には100〜200件近い応募が集まる一方、人事部長が店舗業務を兼務しているため、候補者との日程調整だけで2〜3週間かかることが常態化していました。選考が遅れている間に、優秀なトレーナー候補が他社に決まってしまうことが最大の悩みでした。
「NALYSYS AI面接」導入の決め手は、書類選考以上の情報を24時間いつでも得られる点でした。導入から2ヶ月で100名以上がAI面接を受験し、評価レポートと面接動画から人柄や熱意を確認できる体制に変わっています。
また、AI面接を完了した候補者は志望度が高い状態で次の選考に進むため、後続面接の直前キャンセルが減ったという変化もありました。
詳細はFirst fit株式会社様の導入事例のページで紹介しています。
小売業:200名超の応募対応と約40名の採用

北海道生まれのベーカリー、「ペンギンベーカリー」のフランチャイズ1号店を立ち上げた株式会社征東様は、200名を超える応募者への一次面接をほぼ自動化し、約40名のオープニングスタッフ採用を実現しました。
開店前は北海道での研修や機材搬入など準備業務が山積みで、面接の時間を確保できないうえ、店舗の引き渡し前で面接を行う場所すらない状況でした。店長自身も飲食業界や採用の経験が乏しく、評価が担当者の感覚に依存してしまうことへの懸念もあったといいます。
そこで「NALYSYS AI面接」を導入し、求人サイトからの応募に対してAI面接のURLを自動送信するフローを構築しました。候補者は24時間好きな場所で受験し、企業側は届いた評価レポートを確認したうえで最終確認のWeb面談を行う運用です。
結果として採用にかかる工数は80%以上削減されました。AI面接を経てWeb面談に進んだ候補者は入社意欲が高く、連絡が取れなくなるケースもほとんどなかったとのことです。
詳細は株式会社征東様の導入事例で紹介しています。
IT業:一次面接の工数削減と母集団形成の最大化へ

Web・モバイルアプリ開発の株式会社アルス・ノヴァ様は、代表自らが担っていた一次面接をAI面接に置き換え、オファー数を増やせる採用体制への転換を進めています。
同社の一次面接は、会社のビジョンや沿革を丁寧に伝えるため、1回あたり平均2時間かかっていました。そのうえ在職中の候補者に合わせて夜間や土日の対応も多く、面接工数がネックとなり、採用媒体でのオファーを控えめにせざるを得ない状況でした。
「NALYSYS AI面接」の導入の決め手は、面接官アバターの自然さに加え、「この価格帯でスタートできる導入のしやすさ」だったといいます。
導入後は一次スクリーニングをAI面接が担うため、オファー数を増やし、これまで機会損失していた候補者との接点を広げる計画です。
新卒採用でも、応募人数が多い年はグループ面接に頼らざるを得ませんでしたが、AI面接によって一人ひとりと向き合う個別選考の実現を見込んでいます。
詳細は株式会社アルス・ノヴァ様の導入事例で紹介しています。
中途採用・アルバイト採用など、雇用区分ごとの活用方法や事例は、次の記事で紹介していますのであわせてご覧ください。
導入企業が実感しているAI面接の効果
レバレジーズの実態調査では、AI面接を導入している企業の86.7%がAI面接に満足していると回答しています(「AI面接に対する満足度」の設問)。 では、導入企業は具体的にどのような効果を実感しているのでしょうか。
同調査で導入効果として回答が多かったのは、次の3点です。
- 従来の書類選考基準であれば不合格にしていた層から優秀な人材を採用できた(62.4%)
- 選考にかかる時間・工数を削減できた(52.8%)
- 面接官との相性に左右されない公平な評価ができるようになった(37.6%)

引用:レバレジーズ株式会社「新卒・中途採用におけるAI面接導入に関する実態調査」
それぞれの効果をについて詳しく解説します。
書類選考では埋もれていた人材の採用
AI面接の導入効果の1位は、「従来の書類選考基準であれば不合格にしていた層から、優秀な人材を採用できた(62.4%)」でした。 書類の情報量では判断できなかった候補者に対して選考の機会を広げられることは、AI面接導入による価値ある変化の一つです。
書類選考は面接選考よりも短時間で多数を絞り込める一方、経歴や文章力に表れない人柄・意欲を評価しにくい手法です。AI面接を一次面接に導入することで、話し方や回答の中身といった面接レベルの情報を早い段階で得られるため、「会っていれば採用していた人材」の取りこぼしを防げます。
前項で紹介したFirst fit様の事例でも、書類の情報だけで不採用と判断せざるを得なかった候補者と接点を持てるようになったことが、導入の価値として語られていました。
選考の時間・工数の削減
AI面接の導入効果で2番目に多いものは「選考にかかる時間・工数を削減できた(52.8%)」です。
AI面接は候補者が時間や場所を問わず受験できるため、面接のたびに発生していた日程調整・面接実施・評価記録の作成といった作業がまとめて自動化されます。
特に効果が大きいのは、採用担当者が現場業務を兼務している企業です。担当者が別の業務をしている間も選考が自動で進み、空いた時間を候補者フォローや教育など人にしかできない業務に充てられます。
選考スピードの向上は、候補者側の離脱防止にも有効です。応募から面接までの待ち時間が短くなるほど、他社への流出や辞退のリスクを抑えられます。
面接官との相性に左右されない公平な評価
AI面接の導入効果の3位は、「面接官との相性に左右されない公平な評価ができるようになった(37.6%)」です。
AI面接はあらかじめ定めた評価軸・基準に沿って質問と評価を行う設計のため、面接官ごとの目線のばらつきや、その日の状況による評価のぶれが入り込みにくくなります。
評価基準を仕組みとして統一できることは、担当者の交代や採用規模の拡大を見据えた体制づくりにも有効です。
参考:レバレジーズ株式会社「新卒・中途採用におけるAI面接導入に関する実態調査」
NALYSYS AI面接の機能や評価の仕組み、導入企業の活用イメージは、資料「3分でわかるNALYSYS AI面接」で詳しく紹介しています。
▶ 「3分でわかるNALYSYS AI面接」をダウンロードする
導入企業に見る選考フローの変化
AI面接の導入企業の多くは、面接を置き換えるだけでなく、書類選考を含む選考フロー全体を見直しています。
ここでは実態調査のデータから、導入企業が選考プロセスをどう変えたのかを紹介します。
書類選考の緩和・廃止による間口の拡大
AI面接の導入にあわせて、86.7%の企業が選考の間口を広げる方向にフローを変更しています。
内訳は「書類選考の通過基準を緩和し、AI面接に進める人数を増やした」が53.2%、「書類選考を廃止し、応募者全員がAI面接を受けられるようにした」が33.5%です。

引用:レバレジーズ株式会社「新卒・中途採用におけるAI面接導入に関する実態調査」
書類で絞り込む前提を見直せるのは、AI面接によって「全員と面接する」ことの工数負担がなくなるためです。母集団を狭めずに選考できるため、応募者数の不足に悩む企業ほど恩恵が大きい変化といえます。
前述の征東様の事例のように、書類選考を挟まず応募者全員をAI面接に案内する運用は、その典型例です。
AIスコアと人の確認を組み合わせる合否判定
一方で、AIのスコアだけで合否を自動判定している企業は38.1%にとどまり、約6割(58.3%)は人の確認を組み合わせたハイブリッド型で運用しています。 同調査では、判断に迷うボーダーライン層のみ人が動画を確認して合否を決める企業が36.7%、AIスコアは参考程度にとどめ基本的に全応募者の動画を人が確認する企業が21.6%でした。

引用:レバレジーズ株式会社「新卒・中途採用におけるAI面接導入に関する実態調査」
人の確認を残す理由は、効率だけでは説明できない責任の所在にあります。合否は候補者の人生に関わる判断であり、評価の根拠を説明できる状態を保つこと、最終判断を人が担うことが、公平性への配慮として重視されています。
AI面接導入企業の多数は、AIのスコアを人の判断材料として使う運用を選んでいます。
AIがどのような仕組みで候補者を評価しているのかが気になる場合は、次の記事が参考になります。
参考:レバレジーズ株式会社「新卒・中途採用におけるAI面接導入に関する実態調査」
導入企業がAI面接サービスの選定で重視した観点
本記事で導入事例として紹介した3社が語る「AI面接導入の決め手」には、共通する観点があります。
ここでは、AI面接サービスを検討するときの参考として、3社に共通した3つの観点を紹介します。
候補者が受験しやすい仕組み
導入企業がAI面接サービスの選定で重視した観点の一つは、候補者にとって受けやすい仕組みになっているかです。
First fit様は、深夜や早朝でも候補者が自分のタイミングで受験できる点を挙げています。AI面接の導入によって生まれる時間や場所を選ばず受験できる環境は、日中に時間を取りにくい在職中の転職希望者や、学業・仕事と並行して応募するアルバイト候補者を逃さないための土台になっています。
加えて、アルス・ノヴァ様は面接官アバターの自然さを決め手に挙げています。候補者が構えずに話せるかどうかは、受験完了率に直結します。AI面接サービスの検討時には、実際の面接画面を試して確認することがおすすめです。
なお候補者側がAI面接をどう受け止めているかは、就活生の声を集めた次のレポートも参考になります。
評価レポートの精度と情報量
AI面接サービスの選定時に重視する2つ目の観点は、面接後に届く評価レポートで合否判断ができるかです。
征東様は「人が作成するよりも詳細で客観的なレポート」であることを、First fit様は評価レポートと面接動画から人柄や清潔感まで確認できることを、それぞれ決め手に挙げていました。
書類選考以上の情報が得られるサービス内容であれば、AI面接を挟む意義が大きくなります。AI面接サービス導入前に、レポートの項目・具体性と、動画や文字起こしで一次情報までさかのぼれるかをチェックしましょう。
選考を自動で進められる運用負担の小ささ
AI面接サービスを選定する際に重視する3つ目の観点は、担当者が手を動かさなくても選考が進む仕組みがあるかです。
征東様は応募と同時にAI面接の案内が自動送信される設定を組み、店舗立ち上げ業務に集中しながら選考を進めました。
案内送信や進捗管理を手作業で行う運用では、面接自体を自動化しても工数削減の効果が薄れます。AI面接の導入によって応募から受験案内、結果確認までの流れをどこまで自動化できるかを、既存の採用フローと照らし合わせて確認することが大切です。
AI面接導入の流れと費用の目安
AI面接の導入は、応募者への案内文や評価基準の設計が準備の中心で、システム開発を伴わずに始められるケースが多くあります。
ここでは、AI面接導入の流れと費用感を紹介します。
導入の流れと準備期間の考え方
AI面接の導入は「課題の整理→サービス選定→評価基準・質問の設計→テスト運用→本格運用」という流れが一般的です。
自社の採用課題(工数・スピード・評価のばらつきなど)を整理したうえでAI面接サービスを選び、自社が重視する評価項目と質問を設計してから、小規模なテスト運用を経て本格導入します。
準備期間はサービスや選考規模によって異なりますが、応募者への案内文や評価項目の設計が主な準備作業です。外部サービスを活用すれば、システム開発を伴う大規模なプロジェクトにはなりにくいのが特徴です。紹介した征東様のように、店舗オープン準備と並行してAI面接サービス導入プロジェクトを立ち上げた例もあります。
はじめてAI面接サービスを導入する場合は、つまずきやすいポイントを先に把握しておくと準備が進めやすくなります。
AI面接の導入に当たっては、下記の記事もあわせて参考にしてください。
料金体系の種類と費用の考え方
AI面接サービスの料金体系は、大きく「月額固定型」と「受験数に応じた従量課金型」に分かれ、両者を組み合わせた併用型を用意しているサービスもあります。
AI面接サービスの初期費用は無料のサービスから100万円程度かかるものまで幅があり、課金単位もサービスによって異なるため、自社の応募数と照らし合わせた比較が必要です。
大量採用で受験数が多い企業は月額固定型が割安になりやすく、採用時期が限られる企業は従量課金型で無駄を抑えられる場合があります。アルス・ノヴァ様の事例のように、中小企業が導入コストの手頃さを決め手に挙げるケースもあり、料金水準はサービスによって幅があります。
AI面接導入の具体的な費用相場やコストを抑える方法は、次の記事で詳しく解説しています。
まとめ
本記事では、AI面接の導入企業について、3社の導入事例とレバレジーズの実態調査データから解説しました。
AI面接は近年注目が高まっている採用手法の一つです。書類選考の間口を広げ、AIの評価レポートを人の判断材料として使う運用が、導入企業の主流になりつつあります。
応募対応に追われる中小・中堅企業でも、AI面接の導入によって選考スピードと採用工数は変えられます。
自社の選考のどこに時間がかかっているかを整理したうえで、候補者の受けやすさや評価レポートの内容、料金体系を比較しながら、AI面接サービスの検討を進めてみてください。
AI面接の導入企業に関するよくある質問
最後に、AI面接の導入を検討する担当者からよく寄せられる質問に回答します。
Q. 中小企業でもAI面接を導入できますか?
A. AI面接は中小企業でも導入できます。
本記事で紹介した3社は、いずれも従業員40〜114名の企業です。応募対応を少人数で担う中小企業ほど、日程調整や一次面接の自動化による工数削減の効果を実感しやすい傾向があります。費用感は本記事の「AI面接導入の流れと費用の目安」で紹介しています。
Q. AI面接だけで合否を決める企業が多いのですか?
A. AI面接に依存する合否判断は多数派ではありません。
レバレジーズの実態調査では、AIのスコアのみで合否を自動判定している企業は38.1%にとどまり、約6割は人の確認を組み合わせて運用しています。詳しくは本記事の「導入企業に見る選考フローの変化」で解説しています。
Q. 候補者はAI面接に抵抗を感じませんか?
A. 日程調整が不要で、自分のペースで話せるAI面接の利点を評価する声が候補者からあがっています。
征東様の事例では、AI面接を受験して入社したスタッフが「AI面接は緊張せずにリラックスして受けられました」と振り返っています。一方で初めて受験する候補者には不安もあるため、事前の案内でAI面接の所要時間や流れを丁寧に伝えることが大切です。
