離職率を改善するためには、多数存在する要因を特定し、自社の状況に合わせた多角的なアプローチを行うことが重要です。

本記事では、社員が辞める主な原因と離職率を改善するための取り組み12選を紹介します。また、離職率の改善に成功した企業事例や、離職防止に役立つツールも紹介します。離職率の高さや優秀な人材の流出にお悩みの人事の方は、ぜひ参考にしてください。

目次
  1. 産業別の離職率
  2. 人材の離職の実態
    1. 若手社員の離職の実態
      1. Z世代が転職を考える主な理由
      2. Z世代が転職を決断する決定的な理由
    2. IT人材の離職の実態
  3. 離職率の改善に取り組まない場合に生じるリスク
    1. 優秀な人材が流出する
    2. 既存の社員の負担が増大する
    3. 採用業務の負担がかかる
    4. 採用・教育にかかったコストを回収できない
    5. 企業イメージの低下につながる
  4. 社員が離職する主な原因
    1. 給与・待遇面に対する不満
    2. 職場の人間関係への不満
    3. 仕事に対するモチベーションの低下
    4. 会社の将来性への不安
    5. ライフイベントの発生
    6. 介護・看護への参加
  5. 離職率を改善する方法12選
    1. 1on1ミーティングを実施する
    2. 評価制度の見直し・可視化を行う
    3. 社内公募制度を創設する
    4. 研修の機会を充実させる
    5. 匿名の相談窓口を設ける
    6. 経営状況や経営ビジョンを共有する
    7. 給与改定を行う
    8. 福利厚生を充実させる
    9. 業務改善に介入する
    10. 両立を支援する制度を形骸化させない
    11. 柔軟な働き方を導入する
    12. 定期的なサーベイを行い組織の状態を可視化する
  6. 離職率改善に役立つツールのメリット
    1. 複数サーベイによるモチベーションの可視化
    2. AIによる離職予兆の検知
    3. 円滑な回答とスムーズな集計設計
    4. 1on1記録による定性面の可視化
  7. 離職率の改善に成功した企業事例
    1. 東京ダイヤモンド工具製作所さまの事例
    2. レバテック株式会社の事例
  8. まとめ

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産業別の離職率

離職率の改善に向けて、まず自社の離職率が業界水準と比較してどの程度なのかを把握しておきましょう。

厚生労働省が公表している「令和6年雇用動向調査結果の概況」によると、2024年度における産業別の一般労働者・パートタイム労働者の離職率は以下の表のとおりです。

産業区分一般労働者の離職率パートタイム労働者の離職率
(産業計)(11.5%)(21.4%)
鉱業、採石業、砂利採取業9.1%7.3%
建設業9.7%15.9%
製造業8.8%15.3%
電気・ガス・熱供給・水道業7.8%19.9%
情報通信業9.8%20.1%
運輸業、郵便業9.1%15.8%
卸売業、小売業10.7%21.3%
金融業、保険業7.4%14.1%
不動産業、物品賃貸業12.6%17.4%
学術研究、専門・技術サービス業10.3%19.5%
宿泊業、飲食サービス業18.1%29.9%
生活関連サービス業、娯楽業16.9%21.9%
教育、学習支援業8.8%22.2%
医療、福祉13.1%15.7%
複合サービス事業7.0%12.0%
サービス業(他に分類されないもの)19.0%23.8%

参考:厚生労働省「令和6年雇用動向調査結果の概況」をもとにレバレジーズが作成

業界平均の離職率と比べて自社の離職率が高い場合、注意が必要です。

離職防止に取り組む優先度が高い状態だといえます。

参考:厚生労働省「令和6年雇用動向調査結果の概況

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人材の離職の実態

優秀な人材やこれからの活躍を期待していた人材の離職は、企業にとって深刻な問題です。離職を防止するためには、まず実態を把握することが大切です。

ここでは、当社の調査結果データをもとに、若手社員とIT人材の離職の実態について解説します。

若手社員の離職の実態

レバレジーズ株式会社の「【2025年版】Z世代の離職についての調査レポート― 世代・役職比較から見えたギャップとは」の調査では、主に1990年代半ばから2010年代前半に生まれた若い世代を指す「Z世代」の転職・離職理由が示されています。

Z世代が転職を考える主な理由

レバレジーズ株式会社の調査によるZ世代とX・Y世代の離職理由のグラフ
Z世代はX・Y世代と比べて、業務のノルマやプレッシャーを理由に離職する割合が高い

引用:レバレジーズ株式会社「【2025年版】Z世代の離職についての調査レポート― 世代・役職比較から見えたギャップとは

Z世代が転職をしようと思った理由の上位は、以下のとおりです。

全世代共通で「年収」がトップですが、Z世代は生活との両立や仕事の意義を求める傾向が強いことがわかります。

  • 1位:年収が低い/年収を高くしたい(33.5%)
  • 2位:ワークライフバランスがとれていない/とりたい(25.5%)
  • 3位:仕事内容に納得していない/納得のいく仕事がしたい(24.5%)
  • 3位同率:仕事にやりがいを感じていない/やりがいのある仕事がしたい(24.5%)

また、X・Y世代の離職理由と比較すると、Z世代ならではの特徴も浮き彫りになっています。

Z世代は「業務のノルマやプレッシャーが強すぎる」ことを理由に挙げる割合が19.5%であり、X・Y世代の12.0%と比べて顕著に高く、プレッシャーの強い環境を敬遠する傾向があります。

Z世代が転職を決断する決定的な理由

レバレジーズ株式会社の調査による、Z世代とX・Y世代の離職を決断した理由のグラフ
Z世代は、会社に対して「理想のキャリアを描けない」と感じることが転職の決め手になりやすい

引用:レバレジーズ株式会社「【2025年版】Z世代の離職についての調査レポート― 世代・役職比較から見えたギャップとは

実際に転職を決断した決定的な理由としては「キャリアへの展望」が大きく影響しています。

Z世代が転職を決断した理由で多かったものは、下記の2つです。

  • 1位:理想のキャリアはこの会社では描けないことを確信したから(44.0%)
  • 2位:相談しても何も変わらなかったから(33.3%)

 X・Y世代では「他社から魅力的なオファーがあったから(14.0%)」という理由も一定数みられますが、Z世代は「自社での将来への見通しのなさ」が離職の大きなトリガーとなっています。

レポート全文については「【2025年版】Z世代の離職についての調査レポート Vol.1」の資料請求ページで無料ダウンロードが可能です。

調査結果の詳細や結果を受けてのまとめ・考察も掲載していますので、ぜひご活用ください。

IT人材の離職の実態

レバテック株式会社が調査した、IT人材の転職理由のグラフ
IT人材は、待遇面やキャリア形成に対して不満を覚えて離職する割合が多い

引用:レバテック株式会社「IT人材白書 2026

レバテック株式会社の独自調査「 IT人材白書 2026」によると、転職経験があるIT人材の直近の転職理由の上位は以下のとおりです。

IT人材が離職する理由は、待遇面とキャリア形成への不満が上位を占めています。

  • 1位:収入アップが見込めないため(31.1%)
  • 2位:スキルアップが見込めないため(26.0%)
  • 3位:希望する業務内容に携われないため(19.8%)
  • 4位:職種を変えたいため(16.6%)
  • 5位:残業時間が多いため(15.7%)

また、以下は年代別にみたIT人材の転職理由の上位3位です。

レバテック株式会社が調査した、20代・30代・40代・50代のIT人材の転職理由の上位3位
20代のIT人材はスキル習得の機会の不足が離職理由1位で、30代から50代では収入面が1位となっている

引用:レバテック株式会社「IT人材白書 2026

同レポートによると、20代のIT人材の最大の離職理由は、「スキルアップが見込めないため(33.8%)」です。

若手は給与面よりも、自己成長やスキル習得の機会が不足していることを理由に離職を決める傾向が強いことが分かります。

一方で30代〜50代では「収入アップが見込めないため」という理由が1位となっており、年代が上がるにつれて待遇面への不満が離職の主な要因となっています。

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離職率の改善に取り組まない場合に生じるリスク

離職率の高さを放置することは、企業にとって深刻なリスクを生み出します。

離職防止の取り組みを行わなかった場合に生じる主なリスクは、下記の5つです。

  • 優秀な人材が流出する
  • 既存の社員の負担が増大する
  • 採用業務の負担がかかる
  • 採用や教育にかかったコストを回収できない
  • 企業イメージの低下につながる

ここでは、離職率の改善に取り組まない場合に生じるそれぞれのリスクを詳しく解説します。

優秀な人材が流出する

離職率の改善に取り組まない場合に生じるリスクの一つは、優秀な人材が流出することです。

能力の高い人材は転職市場での価値も高く、より良い条件の企業へ転職することが容易です。

離職率が高く、従業員の不満がある状態を放置するような会社では、優秀な人材に見限られて離職されてしまうでしょう。

優秀な人材の流出は、企業の技術力や営業力の低下を招きます。長年培ってきたノウハウや顧客との関係性も同時に失われるため、事業への影響は計り知れません。

また、優秀な人材が離職することで、残った従業員のモチベーション低下も懸念されます。「あの人でも辞めるなら、この会社に将来性はないのでは」という不安が広がり、さらなる離職の連鎖を生むおそれがあります。

既存の社員の負担が増大する

離職防止の取り組みを行わないことで発生するリスクは、既存社員の負担の増大です。

離職者が発生すると、その業務を既存の社員でカバーしなければなりません。一時的な対応であれば問題ありませんが、離職率が高い状況では慢性的な人員不足となり、既存社員への負担が過重になります。

業務負担の増大は、労働時間の延長やストレスの増加を招きます。その結果、既存社員の健康状態やワークライフバランスが悪化し、さらなる離職を引き起こすリスクが高まるでしょう。

採用業務の負担がかかる

離職率の改善に取り組まない場合に生じるリスクには、採用業務の負担がかかることが挙げられます。

離職率が高く、人が次々と辞めていく環境では、継続的な採用活動が必要です。慢性化した採用活動は、人事部門の負担を増加させてしまいます。

また、本来であれば人材開発や組織改善に充てるべき時間とリソースが、採用活動に割かれてしまうため、組織力の向上にも悪影響を及ぼすでしょう。

採用・教育にかかったコストを回収できない

離職率の改善に取り組まない場合に生じるリスクの一つは、採用・教育にかかったコストを回収できないことです。

新入社員の採用から戦力化までには、相当なコストがかかります。採用費用に加えて、研修費用や指導者のリソース、設備の準備などがかかり、総合的な投資額は数百万円に及ぶことも珍しくありません。

早期離職が発生すると、これらの投資を回収する前に人材が流出することになります。

このような投資の無駄は、企業の収益性を圧迫します。離職率が高い企業ほど、人材への投資効率が悪化し、競合他社との競争において不利な状況に陥るリスクが高まるでしょう。

企業イメージの低下につながる

離職防止に努めなかった場合、企業イメージを損なうリスクがあります。

高い離職率は、企業のブランドイメージに悪影響を与えます。転職サイトや口コミサイトでの評判が悪化すると求職者からの応募が減少し、採用活動がさらに困難になるでしょう。

また、離職率の高さが業界内で知れ渡ると、同業他社からの人材の引き抜きが活発化するおそれがあります。組織の安定性を保つためにも、離職率の改善は急務だといえます。

さらに、顧客や取引先からも「人材が定着しない企業」として信頼性に疑問を持たれる可能性があります。長期的な取引関係を重視するBtoB企業では、このような評判の悪化は事業に直結するリスクとなるでしょう。

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社員が離職する主な原因

厚生労働省が公表している「令和6年雇用動向調査結果の概況」には、転職入職者が前職を辞めた理由の調査結果が掲載されています。

社員が離職を決断する背景には、職場環境や待遇、個人的な事情などさまざまな要因があります。前職を辞めた理由とその割合は、以下の表のとおりです。

離職した理由割合(男性)割合(女性)
仕事の内容に興味を持てなかった4.4%3.6%
能力・個性・資格を生かせなかった3.8%3.7%
職場の人間関係が好ましくなかった9.0%11.7%
会社の将来が不安だった7.4%5.1%
給料等収入が少なかった10.1%8.3%
労働時間、休日等の労働条件が悪かった8.6%12.8%
結婚0.6%1.9%
出産・育児0.5%1.8%
介護・看護1.2%1.0%
その他の個人的理由20.2%24.3%
定年・契約期間の満了14.1%10.7%
会社都合5.2%5.3%
その他の理由(出向等を含む)13.5%7.8%

参考:厚生労働省「令和6年雇用動向調査結果の概況」のP15「表5 転職入職者 1)が前職を辞めた理由別割合」のデータをもとにレバレジーズ作成

離職率を改善するためには、まず社員が離職する根本的な原因を理解することが重要です。

ここでは、社員が離職する主な原因について解説します。

給与・待遇面に対する不満

給与や福利厚生への不満は、離職の直接的な原因の一つです。

厚生労働省の同調査においても、「給料等収入が少なかった」の男性の回答は10.1%となっており、やむをえない事情を除く理由のなかで最も高い割合です。また、「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」の女性の回答は12.8%で、最も高い割合になっています。

同業他社や転職市場と比較して給与水準が低かったり待遇が悪かったりすると、社員は転職を検討します。

特に成果を上げているにもかかわらず適正な評価を受けていないと感じる社員は、自分の市場価値を正当に評価してくれる企業への転職を検討するでしょう。昇進機会の少なさや、年功序列的な給与体系への不満も、離職を促進する要因となります。

また、待遇面も社員が働く会社を選ぶときの大切な要素です。休日数や残業の発生・時間、有給取得のしやすさ、福利厚生の充実度など、総合的な待遇面における競争力が低い企業では、人材の定着が困難になる可能性があります。

職場の人間関係への不満

社員が離職する主な原因でよくあるのが、職場の人間関係に対する不満です。

「職場の人間関係が好ましくなかった」と回答した数は男女ともに2番目に多いものになっています。

職場での人間関係の悪化は、社員の精神的な負担を大幅に増加させます。上司や同僚、部下など、あらゆる人間関係が離職に影響を与える可能性があります。

特にパワーハラスメントやセクシュアルハラスメントなどのハラスメント行為は、被害者の離職につながるだけでなく、職場全体の雰囲気を悪化させます。また、派閥争いや嫌がらせ行為なども、健全な職場環境を阻害する要因となるでしょう。

そのほか、管理職のマネジメント能力不足も、人間関係の悪化を招く要因です。適切なコミュニケーションが取れない管理職のもとでは、部下のモチベーション維持が困難になります。

仕事に対するモチベーションの低下

仕事への興味や関心を失うことは、離職を決断する要因となります。

単調で変化のない業務、自分のスキルを活かせない職務内容、成長実感の欠如などが、モチベーション低下を招きます。

キャリアアップの機会が限られている企業では、向上心の強い社員ほど転職を検討する傾向があります。自己実現や専門性向上への欲求が満たされない環境では、長期的な勤続は困難になるでしょう。

会社の将来性への不安

企業の将来性に対する不安は、特に長期的なキャリアを考える社員にとって離職の大きな要因となります。

業績の悪化や市場シェアの低下、技術革新への対応の遅れなどは、会社の将来性への不安を増大させる要因です。

また、経営陣の意思決定能力や戦略性に疑問を感じた社員は、「この会社にいても将来が見えない」という理由で転職を検討します。特に優秀な人材は、成長企業やより安定した企業への転職機会が豊富にあるため、早期に見切りをつける傾向があるでしょう。

ライフイベントの発生

結婚・出産・育児などの人生における重要な出来事は、離職のきっかけになることがあります。これらのライフイベントに対する企業の理解や支援体制が不十分な場合、優秀な人材を失うことになります。

特に女性社員の場合、出産や育児による離職は深刻な問題です。産休・育休制度があっても、復職後の働き方や昇進機会に制限がある企業では、キャリア志向の強い女性の離職を防ぐことは困難でしょう。

男性社員においても、育児参加への意識の高まりによってワークライフバランスを重視する傾向が強くなっています。家庭との両立が困難な職場環境は、性別を問わず離職の原因となる可能性があります。

介護・看護への参加

社員が離職する主な原因となる出来事の一つは、介護・看護への参加です。

高齢化社会の進展に伴い、家族や親族の介護および看護に携わる人が増加しています。介護・看護による離職は働き盛りの中堅社員にも多くみられ、企業にとっては重要な人材の損失となるのです。

介護・看護と仕事の両立は、身体的・精神的に大きな負担を伴います。介護・看護のための時間確保が困難な職場では、やむを得ず離職を選択する社員が少なくありません。

企業側の支援制度の不備や事情への理解不足も、離職を促進する要因となります。休暇制度や柔軟な勤務体系の整備が不十分な企業では、離職防止は困難になるでしょう。

参考:

厚生労働省「令和6年雇用動向調査結果の概況

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離職率を改善する方法12選

離職率を改善する方法には、以下のような策が挙げられます。

  • 1on1ミーティングを実施する
  • 評価制度の見直しや可視化を行う
  • 社内公募制度を創設する
  • 研修の機会を充実させる
  • 匿名の相談窓口を設ける
  • 経営状況や経営ビジョンを共有する
  • 給与改定を行う
  • 福利厚生を充実させる
  • 業務改善に介入する
  • 両立を支援する制度を形骸化させない
  • 柔軟な働き方を導入する
  • 定期的なサーベイを行い組織の状態を可視化する

離職を引き起こす要因はさまざまであり、単一の施策では不十分なケースが多いです。離職を防止するためには、多角的なアプローチが必要です。

ここで紹介する12の方法は、それぞれ異なる側面から離職率の改善にアプローチするものです。自社の状況に応じて、複数の改善策を組み合わせて実施しましょう。

1on1ミーティングを実施する

離職率の改善には、1on1ミーティングを実施することが有効です。

1on1ミーティングとは、上司と部下が定期的に個別面談を行う制度です。1on1ミーティングの実施により、社員の悩みや不満を早期に発見し、適切な対応を取ることができます。

1on1ミーティングの効果は、コミュニケーションの質の向上にあります。日常業務では言い出しにくい悩みや提案も、個別の時間を設けることで率直に話し合えるようになるでしょう。上司は部下の状況をより深く理解でき、寄り添ったサポートを提供することが可能になります。

評価制度の見直し・可視化を行う

離職率を改善する方法には、評価制度の見直し・可視化を行うことが挙げられます。

評価基準が不明確だったり、評価者による主観的な判断に偏っていたりする場合、優秀な人材ほど不満を感じて離職する傾向があります。

公正で透明性の高い評価制度を構築することで、離職防止につなげることが可能です。

評価制度の見直しでは、まず評価基準の明文化と社員への周知が重要です。何を基準に評価されるのかが明確になることで、社員は目標設定や行動指針を立てやすくなります。また、評価結果のフィードバック方法も改善し、成長につながる具体的なアドバイスを提供することが必要です。

また、評価制度は定期的に見直しましょう。事業環境の変化に応じて評価項目を調整し、常に現状に適した制度を維持することで、社員の納得感を高められます。

社内公募制度を創設する

離職を防止するための取り組みの一つは、社内公募制度を創設することです。

社内公募制度とは、企業が社内で人材を募集しているポジションを公開し、社員が自らの意思で応募して異動や昇進のチャンスを掴める仕組みです。

社内公募制度のメリットは、社員の主体性を尊重できることです。現在の職務に満足しておらず離職を検討している社員も、新しいチャレンジの機会を与えられることによって会社への愛着を保つことができるでしょう。また、適材適所の人材配置が促進され、組織全体のパフォーマンス向上も期待できます。

社内公募制度の制度設計の際は、応募条件や選考プロセスを明確にし、公平性を確保することが重要です。また、上司の理解と協力を得られるよう、制度の意義を組織全体で共有する必要があります。

研修の機会を充実させる

研修の機会を充実させることは、離職率の改善につながります。

充実した研修制度を整えることによって、社員のスキルアップとモチベーション維持を図ることが可能です。「この会社では成長できない」「この会社は社員の成長のために投資する気がない」と不満を感じて転職を検討していた社員の離職を防止できます。

効果的な研修制度を構築するためには、社員のニーズに応じた多様なプログラムを提供することが重要です。新人研修やリーダー研修、専門スキル研修など、キャリアステージに応じた内容を用意しましょう。また、外部講師の招聘や他社との合同研修なども活用することもおすすめです。

そのほか、マネジメント研修やハラスメント研修、コンプライアンス研修などの研修もあります。これらの研修は、職場の人間関係の改善にも役立ちます。

匿名の相談窓口を設ける

離職率の改善方法には、匿名の相談窓口を設けることが挙げられます。

匿名の相談窓口は、社員が抱える悩みや不満を早期に発見して離職を防止するための重要な仕組みです。直接上司に相談しにくい問題や、組織全体に関わる課題を把握することができます。

匿名形式の相談窓口の設置により、ハラスメントや職場の人間関係など、深刻化する前に問題を発見できるでしょう。また、社員にとって「何かあっても相談できる場所がある」という安心感は精神的な支えとなり、離職の抑制につながります。

相談窓口の運営の際は、完全な匿名性の保証と迅速な対応が重要です。相談者の特定につながる情報の管理を徹底し、相談から対応までのプロセスを明確にすることで、制度への信頼を獲得できるでしょう。

経営状況や経営ビジョンを共有する

経営状況や経営ビジョンを共有することは、離職率の改善に貢献します。

経営情報の適切な共有は、社員の会社への理解と愛着を深めるために重要です。

会社の将来性への不安が離職の原因となっている場合、透明性の高い情報開示により不安を軽減できる可能性があります。

また、経営ビジョンや戦略の共有により、社員は自分の仕事が会社全体の目標にどう貢献しているかを理解できるようになります。この理解は、仕事への意義や誇りを感じる機会を提供し、モチベーション向上につながるでしょう。

経営状況や経営ビジョンの情報共有の方法としては、定期的な全社会議や社内報、イントラネットの活用などが考えられます。情報共有を行う際は、競合他社への情報漏洩のリスクも考慮し、共有する情報の範囲を適切に設定することが重要です。

給与改定を行う

給与水準の改善は、離職防止の直接的な効果が期待できる施策です。

市場価値と比較して給与が低い場合、優秀な人材の離職は避けられないため、適正な給与水準への調整が必要となります。給与改定を検討する際は、同業他社の給与水準や転職市場の動向を詳細に調査することが重要です。

また、全体的な底上げだけでなく、高パフォーマンス者への重点的な昇給も効果的でしょう。成果に応じたメリハリのある給与体系は、優秀な人材の定着とモチベーション向上に寄与します。

ただし、給与改定には相応のコストが発生するため、財務状況との兼ね合いを慎重に検討する必要があります。段階的な実施や、ほかの施策との組み合わせによる効率的な改善策を模索することも重要です。

福利厚生を充実させる

離職率を改善する取り組みの一つは、福利厚生を充実させることです。

働きやすさを支える福利厚生の内容は、離職を検討する際の重要な判断材料です。

福利厚生の充実は、給与以外の面で社員の満足度を向上させる重要な施策であり、離職防止につながります。

効果的な福利厚生制度を構築するためには、社員のニーズを正確に把握することが大切です。アンケート調査やヒアリングを通じて、どのような制度が求められているかを調査しましょう。健康支援や子育て支援、自己啓発支援など、多様なニーズに対応できる制度の整備が望ましいです。

制度の利用促進も重要な課題です。せっかく制度を整備しても利用率が低ければ、離職防止の効果は期待できません。制度の周知徹底と利用しやすい環境の整備に取り組むことが必要です。

業務改善に介入する

業務プロセスの改善は、社員の働きやすさと生産性の向上を同時に実現できる施策です。

非効率的な業務や過度な負担が離職を促進している場合、根本的な業務改善を行うことによって問題を解決できる可能性があります。

業務改善のアプローチとしては、まず現状の業務フローを詳細に分析することが重要です。データ分析や社員へのヒアリングによって無駄な作業や重複している工程、属人化している業務などを特定し、改善の優先順位を決定しましょう。現場の状況・声を反映した改善策の立案と実行により、効果的な業務改善を実現できます。

また、ITツールの導入による業務自動化も、効果的な改善策の一つです。ITツールを活用することで、社員の業務を飛躍的に効率化できます。

両立を支援する制度を形骸化させない

産休・育休・時短勤務制度などの家庭との両立を支援する制度を形骸化させないことが、離職を防止するうえで大切です。

ワークライフバランスを支援する制度が形骸化している企業では、制度があっても実質的に利用できない状況が生まれます。このような環境では、両立を重視する社員の離職を防ぐことは困難です。

制度の形骸化を防ぐためには、管理職の理解促進が重要です。管理職向けの研修や評価項目への組み込みなどにより、制度活用を促進する文化を醸成しましょう。

また、制度利用者の声を定期的に収集し、運用上の課題を改善することも重要です。実際に制度を利用した社員からのフィードバックをもとに、より使いやすい制度へと改良を重ねることが求められます。

柔軟な働き方を導入する

離職率を改善する方法として、柔軟な働き方を導入することが挙げられます。

働き方の選択肢が限られている企業では、育児に参加している社員や通勤が難しい社員、フレキシブルな環境で働きたい社員などが離職する可能性が高くなります。

テレワーク(リモートワーク)やフレックスタイム制などの柔軟な働き方の導入は、多様なライフスタイルを持つ社員の定着に効果的です。

柔軟な働き方の導入には、適切なルール設定が重要です。勤務時間や場所の自由度を高めつつも、業務品質や生産性を維持するための仕組みを構築しましょう。また、コミュニケーション手段の整備やマネジメント手法の見直しも必要となります。

そのほか、段階的な導入により、組織への負荷を軽減することも重要です。まず一部の部門や職種から試験的に導入し、成功事例を蓄積してから全社展開を図ることで、より円滑な制度定着を実現できるでしょう。

定期的なサーベイを行い組織の状態を可視化する

サーベイを定期的に実施することは、離職リスクの早期発見に有効な手段です。

サーベイの種類には、数問の短い質問を繰り返す「パルスサーベイ」や、年1~2回を目安に実施する大規模な「エンゲージメントサーベイ(センサスサーベイ)」などがあります。サーベイで取得した定量的なデータを活用することによって組織の課題を客観的に把握し、適切な離職率改善策を講じることができます。

効果的なサーベイ実施のためには、適切な質問設計と継続的な実施が重要です。離職意向、職場満足度、エンゲージメントレベルなど、離職に関連する指標を体系的に測定しましょう。また、結果の分析だけでなく、改善アクションプランの策定と実行まで一貫して取り組むことが成果につながります。

さらに、サーベイ結果を社員へ開示することも大切なプロセスです。調査結果と改善計画の透明性を担保することで、社員の組織への信頼感を高めることができるでしょう。

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離職率改善に役立つツールのメリット

従業員の離職率を改善するためには、日々の業務の中で抱える不満や悩みを早期にすくい上げ、適切なフォローを行う取り組みが必要です。

しかし、現場のマネージャーの経験則や勘だけでは、個々の状態を正確に把握することに限界を感じることもあるでしょう。

そこで力を発揮するのが、従業員のコンディションをデータ化し、客観的に分析できるマネジメントツール「NALYSYS モチベーション管理」です。

ここでは、「NALYSYS モチベーション管理」を導入することで得られる具体的なメリットをご紹介します。

複数サーベイによるモチベーションの可視化

従業員のコンディションを正確に把握するためには、多角的な視点からデータを収集することが重要です。

「NALYSYS モチベーション管理」では、目的に応じて使い分けられる複数のサーベイ機能を搭載しており、組織全体の課題から個人の特性までを浮き彫りにします。

NALYSYSモチベーション管理の特徴具体的なメリット
月1回のパルスサーベイによる定点観測従業員のモチベーションの変化や小さな異変をリアルタイムで、かつ、いち早く察知できる
エンゲージメントサーベイによる深い要因分析組織や戦略への共感度、労働環境への満足度など、モチベーション低下の根本的な要因を特定できる
性格検査による個人の特性理解従業員一人ひとりの性格タイプを可視化することで、その人に最適なコミュニケーションの取り方や業務の任せ方を見つけられる

AIによる離職予兆の検知

離職を防止するうえで重要なことは、本人が「辞めたい」と決意を固める前に先手を打って対策を講じることです。

「NALYSYS モチベーション管理」では、AIが過去のデータやサーベイ結果を横断的に分析し、離職のサインをいち早く検知してくれます。

NALYSYSモチベーション管理の特徴具体的なメリット
独自のアルゴリズムを用いたアラート機能忙しい現場の管理職が見落としてしまいがちな小さな変化や「SOS」のサインを、AIが客観的なデータから見つけ出し、アラートとして知らせてくれる
スコア化による優先的なフォロー対象者の特定限られたリソースや時間の中で、「今・誰に重点的なケアを行うべきか」という優先順位を明確にできる

円滑な回答とスムーズな集計設計

どれだけ優れたサーベイ機能を備えていても、従業員がきちんと回答してくれなければ有意義なデータは集まりません。また、回収したデータをスムーズに集計・分析できる仕組みも、ツールの運用を定着させるためのカギを握ります。

「NALYSYS モチベーション管理」には、現場の回答負担と管理側の集計負担を最小限に抑える工夫が施されています。

NALYSYSモチベーション管理の特徴具体的なメリット
スマートフォン対応やSlack通知による回答ハードルの低下常にPCを開かない職種の方や、多忙な現場スタッフであっても、移動中などのスキマ時間にストレスなく回答できるようにする
自動定期配信とリマインド機能の活用アンケートの配信や未回答者への催促にかかる人事や管理職の工数を大幅に削減し、回答漏れや先延ばしを防げる
組織・グループ単位での柔軟な分析機能部署やチームごとのスコア傾向を比較し、より局所的な課題の発見や、全社的な改善施策の立案に役立てることが可能になる

1on1記録による定性面の可視化

サーベイから得られる定量的な数値結果だけでは見えてこない、社員のリアルな悩みや複雑な感情をキャッチするには、1on1での対話が欠かせません。

NALYSYS モチベーション管理」では、面談の内容や過去のやり取りを記録・蓄積することで、定性的な情報をチームの大切な財産として活用できます。

NALYSYSモチベーション管理の特徴具体的なメリット
過去の面談記録の一元管理以前にどんな悩みを相談され、どのような対応をしたのかという履歴を連続して追うことで、モチベーション低下の根本原因を正しく把握し、適切なフォローアップ体制を築くことができる
録音とAIによる自動議事録・サマライズ機能面談中のメモ取りに気を取られることなく、従業員との対話や傾聴そのものに集中できる環境を作り出せる
AIからのアドバイスを活用した対話の質の向上蓄積された面談ログや性格検査の結果をもとに、AIが「何を聞くべきか」「どう接するべきか」を提案してくれるため、経験の浅い新任マネージャーでも的確で再現性のあるフォローが可能になる

以上が、離職率改善に向けて「NALYSYS モチベーション管理」を導入する主なメリットです。

「NALYSYS モチベーション管理」の詳細や導入事例について知りたい方は、資料請求ページ「3分でわかるNALYSYS(ナリシス)」をご覧ください。資料は無料でダウンロードできます。

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離職率の改善に成功した企業事例

ここでは、「NALYSYS モチベーション管理」を導入して離職率の改善に成功した企業の事例を2つ紹介します。

従業員の相次ぐ離職にお悩みの方や、従来の手作業でのサーベイに限界を感じている方はぜひ参考にしてください。

東京ダイヤモンド工具製作所さまの事例

会社名株式会社東京ダイヤモンド工具製作所
業種・業界メーカー(機械、金属製品、精密機械)
従業員数約300名
会社の所在地東京都
課題ハラスメントへの配慮による、従業員の状態把握の難化
導入したサービスNALYSYS モチベーション管理

※取材当時の情報です

近年、ハラスメントへの配慮などから社内コミュニケーションが形式的になりがちな企業は少なくありません。

株式会社東京ダイヤモンド工具製作所さまも例外ではなく、従業員との間に距離が生まれ、本音を把握することが難しくなっていました。

その結果、絶対に辞めないと思われていたエース社員の予期せぬ退職という事態に直面します。少数精鋭の部署において欠員のダメージは大きく、離職の予兆を早期に察知し、未然に防ぐ仕組みづくりが急務でした。

この課題を解決に導くために導入されたのが、「NALYSYSモチベーション管理」です。少ない質問数で現場の負担を抑えつつ、従業員の隠れた本音や状態をAIが的確に可視化します。

ツールの導入後、AIが提示するスコアの変動は、管理職が部下へ声をかける重要なサインとして機能するようになりました。調子が落ちているメンバーへは意図的にコミュニケーションを増やすなど、データに基づいた具体的なフォローが可能になったのです。

さらに、性格検査を通じて各メンバーの特性を理解することで、管理職の意識も大きく変わりました。一人ひとりの見えない不安や悩みに寄り添い、深く傾聴する姿勢が現場に根付いています。

「NALYSYSモチベーション管理」による客観的なデータを対話の糸口として活用し、上司と部下がしっかりと向き合う関係性を構築したことで、話しやすい環境の醸成につながっています。離職率の改善にも寄与する見込みです。

事例インタビュー全文は「サーベイ×AIが生む管理職のマインドシフト。「対話の深化」が、心地よい組織醸成と定着率向上へ」のページをご覧ください。

レバテック株式会社の事例

会社名レバテック株式会社
業種・業界キャリア支援サービス
従業員数892人(正社員のみ)
会社の所在地東京都
課題人事データの属人的な管理と活用不足
導入したサービスNALYSYS モチベーション管理

※取材当時の情報です

急成長を続けるレバテック株式会社では、組織の拡大に伴い社員の定着率向上が重要なミッションとなっていました。

しかし、同社は「人事データの属人化」という大きな課題を抱えていました。

従来、社員の悩みやコンディションの変化は現場のリーダーがヒアリングし、手作業で表計算ソフトに記録していましたが、貴重なデータが社内に蓄積されず、組織的な人事施策に活かせていない状態だったのです。

この状況を打破するため、同社は「NALYSYS モチベーション管理」を導入しました。

「NALYSYS モチベーション管理」は、社員のモチベーションを数値化する「NALYスコア」や、離職リスクと相関性の高い項目を測るサーベイ機能を備え、一人ひとりの状態を客観的に可視化します。

同社では、このスコアをマネージャー陣と共有し、「特定の社員のスコアが下がっている原因は何か」といったデータに基づくディスカッションを定期的に実施しています。客観的な数値をもとに早期のケアや効果的な1on1を行うことで、離職の兆候を未然に察知し、適切なフォローができる体制を構築しました。

その結果、2023年度には目標としていた離職率を5%下回る大きな成果を達成しました。

NALYSYSによるモチベーション管理は、属人的な勘に頼らないきめ細やかなサポートを実現し、社員が安心して長く働ける組織づくりに大きく貢献しています。

事例インタビュー全文は「NALYSYS導入で組織活性化と定着率向上を実現」のページをご覧ください。

AIによる面接で面接の工数を大幅に削減

“応募者対応が多すぎて、優秀層のフォローまで手が回らない”
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まとめ

離職率の改善は、企業の持続的な成長と競争力維持のために欠かせない重要な課題です。高い離職率は、優秀な人材の流出や採用コストの増大、既存社員への負担増など、多方面にわたって企業経営に深刻な影響を与えます。

社員が離職する原因は多岐にわたりますが、給与・待遇への不満、職場の人間関係、仕事へのモチベーション低下、会社の将来性への不安などが主要な要因として挙げられます。また、ライフイベントや介護への参加など、個人的な事情による離職も増加傾向にあります。

離職を防止するためには、1on1ミーティングの実施、評価制度の見直し、研修機会の充実、柔軟な働き方の導入など、多角的なアプローチが必要です。

本記事では12の改善方法をご紹介しましたが、重要なのは自社の状況に応じて適切な施策を組み合わせることです。

人事担当者として、まずは現状の離職率と原因を正確に把握し、優先度の高い課題から段階的に取り組みを開始することがおすすめです。継続的な改善活動により、社員が長く働きたいと思える職場環境の実現を目指しましょう。

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