離職の原因は、仕事内容への不満や人間関係の問題、将来性への不安など多岐にわたります。
離職を防ぐためには、社員が会社を辞める原因を正確に把握することが大切です。
本記事では、社員が離職する原因について、厚生労働省のデータや当社の調査データをもとに解説します。また、離職防止に向けて企業が取り組める16の対策法や企業の成功事例を紹介するので、社員の離職にお悩みの人事の方はぜひ参考にしてください。
離職につながる主な原因
社員の離職は企業にとって深刻な問題です。優秀な人材を失うことで、業務の停滞や採用・教育コストの増大など、さまざまな影響が生じます。
離職を防ぐためには、まず社員がなぜ会社を辞めるのか、その原因を正確に把握することが重要です。
以下の表は、厚生労働省が公表している「令和6年雇用動向調査結果の概況」に掲載されている、前職を離職した理由の調査結果です。
| 離職した理由 | 割合(男性) | 割合(女性) |
| 仕事の内容に興味を持てなかった | 4.4% | 3.6% |
| 能力・個性・資格を生かせなかった | 3.8% | 3.7% |
| 職場の人間関係が好ましくなかった | 9.0% | 11.7% |
| 会社の将来が不安だった | 7.4% | 5.1% |
| 給料等収入が少なかった | 10.1% | 8.3% |
| 労働時間、休日等の労働条件が悪かった | 8.6% | 12.8% |
| 結婚 | 0.6% | 1.9% |
| 出産・育児 | 0.5% | 1.8% |
| 介護・看護 | 1.2% | 1.0% |
| その他の個人的理由 | 20.2% | 24.3% |
| 定年・契約期間の満了 | 14.1% | 10.7% |
| 会社都合 | 5.2% | 5.3% |
| その他の理由(出向等を含む) | 13.5% | 7.8% |
参考:厚生労働省「令和6年雇用動向調査結果の概況」のP15「表5 転職入職者 1)が前職を辞めた理由別割合」のデータをもとにレバレジーズが作成
離職の原因は多岐にわたりますが、主に以下の6つのカテゴリーに分類できます。
- 仕事内容に対して不満がある
- 職場の人間関係に苦痛を感じる
- 会社の将来性に不安がある
- 労働条件に対して不満がある
- 仕事とプライベートの両立が難しい
- 契約上働き続けることができない
ここでは、社員の離職原因について詳しく解説します。
仕事内容に対して不満がある
仕事内容への不満は、離職の大きな要因の一つです。従業員が期待していた業務と実際の仕事内容にギャップがある場合、モチベーションの低下につながります。
仕事内容に対する具体的な不満としては、やりがいを感じられない単調な作業の繰り返し、自分のスキルを活かせない業務への配属、成長実感が得られない環境などが挙げられます。また、入社前に聞いていた職務内容と実際の業務が大きく異なる場合も、従業員の不満が募りやすいでしょう。
特に若手社員の場合、キャリアアップへの意欲が高いため、スキル向上や責任ある業務への参加機会がないと、他社への転職を早期に検討する傾向があります。
職場の人間関係に苦痛を感じる
職場の人間関係は、働く環境の質を大きく左右する要素です。上司や同僚との関係が悪化すると毎日の出勤が苦痛になり、離職を検討する原因となります。
パワハラ(パワーハラスメント)やセクハラ(セクシュアルハラスメント)などのハラスメント行為は、深刻な人間関係の問題です。また、チームワークの欠如やコミュニケーション不足、派閥の存在なども、職場の雰囲気を悪化させる要因となります。
さらに、相談できる上司や先輩がいない孤立した環境では、仕事上の悩みを一人で抱え込むことになります。ストレスが蓄積されやすくなり、離職の意思を強めてしまうでしょう。
会社の将来性に不安がある
会社の将来性への不安も、離職を決断する要因の一つです。業績の悪化や事業の縮小、市場での競争力の低下などが続くと、従業員は自分のキャリアに対する不安を感じやすくなり、離職を検討します。
経営陣のビジョンが不明確で、会社の方向性が見えない場合、従業員の不安を増大させる要因となります。若い世代ほど、安定性よりも成長性を重視する傾向があるため、企業の将来性の欠如は深刻な離職要因となります。
また、会社において昇進や新しいプロジェクトの立ち上げの機会が少なかったり、会社が技術革新についていけていなかったりする状況では、従業員は将来への希望を持ちにくくなります。
労働条件に対して不満がある
給与や労働時間などの労働条件への不満は、直接的な離職要因となります。
同業他社と比較して給与水準が低い、残業代が適切に支払われない、昇給の機会が少ないといった問題があると、従業員の不満は蓄積されていきます。
また、長時間労働が常態化している職場では、従業員の心身の健康に悪影響を与えるため、離職につながりやすくなります。有給休暇の取得が困難な環境や、休日出勤が頻繁にある場合も同様に注意が必要です。
労働条件の改善は、法的な観点からも重要であり、適切な対応が求められます。
仕事とプライベートの両立が難しい
ワークライフバランスの重要性を唱える声が高まるなか、仕事とプライベートの両立が困難な職場では離職率が高くなる傾向があります。
特に、結婚・出産・育児・介護・看護などのライフイベントを迎える従業員にとって、柔軟な働き方ができない環境は大きな負担となり、離職を検討する原因になるでしょう。
長時間労働により家族との時間が取れない、急な残業で予定がキャンセルになることが多い、有給休暇を取りづらい雰囲気があるといった状況では、従業員のストレスが増大します。
また、制度としては整備されていたとしても、育児休暇を取りづらかったり職場復帰しづらかったりする雰囲気が職場にあると、従業員はライフイベントを機に離職するケースもあります。
契約上働き続けることができない
契約期間の満了や定年退職など、契約上の理由による離職もあります。
有期雇用契約の場合、契約更新されないことで離職に至るケースがあります。また、定年制度により退職を余儀なくされることもあるでしょう。
そのほか、契約の変更内容に転勤や配置転換があった場合、地理的な制約によって応じることができないためにやむを得ず離職を選択する従業員もいます。また、家族の事情や健康上の理由で、現在の勤務条件を継続できないケースもあります。
参考:厚生労働省「令和6年雇用動向調査結果の概況」
Z世代とX・Y世代の離職の原因ランキング
レバレジーズ株式会社が実施した「【2025年版】Z世代の離職についての調査レポート」では、22〜29歳のZ世代と、30代・40代のX・Y世代の転職理由のアンケート結果が掲載されています。

世代間で開きのある項目もあり、世代間ギャップがあることが分かります
引用:レバレジーズ株式会社「【2025年版】Z世代の離職についての調査レポート」
Z世代とX・Y世代が離職する原因の上位5位は、それぞれ下記のとおりです。
< Z世代の離職原因ランキング >
- 1位:年収が低い/年収を高くしたい(33.5%)
- 2位:ワークライフバランスがとれていない/ワークライフバランスをとりたい(25.5%)
- 3位:仕事内容に納得していない/納得のいく仕事がしたい(24.5%)
同率3位:仕事にやりがいを感じていない/やりがいのある仕事がしたい(24.5%)
- 5位:残業時間が長い/残業時間を短くしたい(22.0%)
< X・Y世代の離職原因ランキング >
- 1位:年収が低い/年収を高くしたい(36.8%)
- 2位:仕事内容に納得していない/納得のいく仕事がしたい(24.8%)
- 3位:残業時間が長い/残業時間を短くしたい(22.5%)
- 4位:仕事にやりがいを感じていない/やりがいのある仕事がしたい(20.3%)
- 5位:ワークライフバランスがとれていない/ワークライフバランスをとりたい(19.8%)
同率5位:上司との人間関係がうまくいっていない/上司との人間関係をよくしたい(19.8%)
両世代とも「年収の低さ」が最大の離職原因である点は共通しています。
一方で、「働き方の質」や「やりがい」に対する重視度については、Z世代とX・Y世代の間でギャップがみられます。
Z世代は、X・Y世代と比較して「ワークライフバランス」や「仕事のやりがい」「上司との人間関係」を転職理由として挙げる割合が高くなっています。Z世代は単なる条件面だけでなく、働きやすさや日々の業務の質、周囲との良好な関係性をより重視する傾向があります。
また、転職理由として「業務のノルマやプレッシャーが強すぎる」を挙げた割合に顕著な差が出ています。
X・Y世代が12.0%であるのに対し、Z世代は19.5%に上っており、Z世代は過度なプレッシャーを伴う環境を強く敬遠する傾向があることがわかります。
本調査レポートの全文(PDF)は、「【2025年版】Z世代の離職についての調査レポート」の資料請求フォームからダウンロード可能です。ほかの調査結果や考察も掲載していますので、ぜひご覧ください。
Z世代とX・Y世代の離職防止につながる取り組み
レバレジーズ株式会社が実施した「【2025年版】Z世代の離職についての調査レポート」では、22〜29歳のZ世代と、30代・40代のX・Y世代の「離職を考え直した理由」と「離職検討時に職場に求めるはたらきかけ」のアンケート結果が掲載されています。
ここでは、調査レポートの結果をもとに、Z世代とX・Y世代の離職防止に有効な取り組みについて解説します。
離職を考え直した理由

引用:レバレジーズ株式会社「【2025年版】Z世代の離職についての調査レポート」
Z世代とX・Y世代が離職を考え直した理由の上位5位は、それぞれ下記のとおりです。
< Z世代が離職を考え直した理由の上位5位 >
- 1位:心情的に、会社(組織・上司など)が自分に寄り添おうとしている姿勢が見えたから(14.0%)
- 2位:自身の異動を提案されたから(12.9%)
- 3位:組織の変更(周囲の異動など)があったから(10.4%)
- 4位:給与アップを提案されたから(9.7%)
- 5位:福利厚生の充実を提案されたから(8.6%)
< X・Y世代が離職を考え直した理由の上位5位 >
- 1位:組織の変更(周囲の異動など)があったから(11.9%)
- 2位:心情的に、会社(組織・上司など)が自分に寄り添おうとしている姿勢が見えたから(11.0%)
- 3位:給与アップを提案されたから(10.4%)
- 4位:自身の異動を提案されたから(9.7%)
- 5位:評価制度の見直しがあったから(8.2%)
同率5位:労働条件の変更を提案されたから(8.2%)
Z世代が転職を思いとどまった理由の1位は「会社側に寄り添う姿勢が見られたから(14.0%)」であり、X・Y世代(2位:11.0%)と比較しても、信頼関係や心情面への働きかけが離職抑止に影響を与えていることが分かります。さらに、Z世代は「自身の異動の提案(12.9%)」によって思いとどまる割合も高く、転職以外の選択肢を社内で提示されることが有効にはたらいています。
一方、X・Y世代は「組織の変更(11.9%)」が思いとどまる理由のトップでした。
また、 福利厚生の充実に対する意識について、Z世代とX・Y世代の顕著なギャップが出ています。
転職を思いとどまった理由として「福利厚生の充実を提案されたから」を挙げたZ世代は8.6%であり、X・Y世代の4.7%の約2倍に上ります。Z世代にとって、福利厚生は定着を左右する重要な要素であるといえます。
離職検討時に職場に求めるはたらきかけ

引用:レバレジーズ株式会社「【2025年版】Z世代の離職についての調査レポート」
Z世代とX・Y世代が離職を検討した際に会社からあれば良かったと思ったはたらきかけの上位5位は、それぞれ下記のとおりです。
< Z世代が離職検討時に職場に求めるはたらきかけの上位5位 >
- 1位:給与アップの提案(19.5%)
- 2位:自分に寄り添う姿勢を示す行動・言動(12.8%)
- 3位:福利厚生の充実(12.5%)
- 4位:労働条件の変更(11.8%)
- 5位:昇級・昇格の提案(10.5%)
< X・Y世代が離職検討時に職場に求めるはたらきかけの上位5位 >
- 1位:給与アップの提案(22.8%)
- 2位:自分に寄り添う姿勢を示す行動・言動(12.3%)
- 3位:労働条件の変更(10.5%)
- 4位:昇級・昇格の提案(10.0%)
- 5位:福利厚生の充実(9.0%)
離職を検討した際にあれば良かった働きかけとして、両世代とも「給与アップ」がトップで、「会社側の寄り添う姿勢」も上位にランクインしています。
一方で、Z世代は給与以外の条件も重視しています。特に「労働時間短縮の提案」について、Z世代は9.0%でX・Y世代は5.8%と、求めていた割合がより高く、Z世代は柔軟で働きやすい環境を求める傾向が強いことがわかります。
本調査レポートの全文(PDF)は、「【2025年版】Z世代の離職についての調査レポート」の資料請求フォームからダウンロードできます。離職原因の究明や定着率向上のために、ぜひ参考にしてください。
参考:レバレジーズ株式会社「【2025年版】Z世代の離職についての調査レポート ― 世代・役職比較から見えたギャップとは」
離職防止のために企業ができる16の方法
離職の原因に対する理解を深めたら、次は具体的な防止策を検討する必要があります。企業が実施できる離職防止策は多岐にわたり、従業員のさまざまな状況・ニーズに対応することが大切です。
従業員の離職防止のために企業ができる16の方法は、下記のとおりです。
- 面談を定期的に行う
- メンター制度を導入する
- 従業員サーベイを実施する
- 異動を提案する
- 評価制度を整備する
- 研修の機会を増やす
- 給与・待遇を改善する
- 福利厚生を充実させる
- 労働条件を見直す
- 労働環境を改善する
- マネジメント職の教育を行う
- ハラスメント対策を行う
- リモートワークを導入する
- 柔軟な労働時間制度を採用する
- ライフイベントとの両立に柔軟な風土を作る
- 定年や再雇用に関する制度設計を行う
ここでは、効果的な離職防止策を16項目に分けて紹介します。これらの施策を組み合わせて実施することで、従業員の離職率の低下を実現しましょう。
面談を定期的に行う
定期的な面談は、従業員の状況を把握し、問題の早期発見・解決につながる重要な施策です。上司と部下が一対一で話し合う機会をコンスタントに設けることで、仕事やキャリアに関する悩みを離職を決断する前にキャッチアップすることが可能です。
面談では、現在の業務に対する満足度、将来のキャリア希望、職場環境への要望などを聞き取り、適切なフォローアップなどを行います。隔週や月次など、定期的に実施して面談記録を残すことで、継続的なサポートが可能になるでしょう。
また、面談を実施してヒアリングの機会を設けることは、従業員に対して寄り添いの気持ちがあることを示すことにもつながります。
効果的な面談になるように、従業員が本音で話せる雰囲気づくりと、従業員の悩み・相談に対する迅速な対応を心がけましょう。
メンター制度を導入する
メンター制度とは、経験豊富な先輩社員が新入社員や若手社員をサポートする仕組みです。
メンター制度の導入は、業務指導のほか、キャリア相談や職場適応の支援を通じて、従業員の離職防止に効果を発揮します。
メンターは、メンティー(支援を受ける側)の相談相手となり、仕事の進め方や職場での立ち振る舞いについてアドバイスを提供します。また、直属の上司とは異なる立場から客観的な意見を聞けるため、従業員にとって心理的な安心感にもつながるでしょう。
メンター制度の効果を高めるためには、メンターに対する研修の実施と、メンタリング活動を評価に反映する仕組みづくりが必要です。
従業員サーベイを実施する
従業員サーベイとは、職場の満足度や問題点を定量的に把握するための調査です。
従業員サーベイは匿名性を保ちながら従業員の本音を収集できるため、離職要因の特定と改善策の検討に役立ちます。
サーベイでは、仕事の満足度、職場環境、上司との関係、キャリア開発の機会、ワークライフバランスなど、多角的な視点から質問を設定します。
サーベイの実施においては、調査結果を分析し、具体的な改善アクションにつなげることが重要です。結果を従業員にフィードバックし、改善への取り組み姿勢を示すことで、組織への信頼度向上にも寄与します。
当社の「NALYSYS モチベーション管理」は、多角的なサーベイを用いて従業員のコンディションを可視化し、離職を防ぐツールです。

「NALYSYS モチベーション管理」は、約1分で手軽に回答できる月1回の「パルスサーベイ」、根本的な組織課題を分析する「エンゲージメントサーベイ」、個人の特性を把握する「性格検査」など、目的に応じた複数のサーベイを搭載しています。
スマートフォンでの回答やSlack通知、自動リマインド機能も備えており、現場と管理側の双方の負担を最小限に抑えながら、高い回答率での効果的な定点観測を実現します。
また、サーベイ結果をAIが横断的に分析し、離職の予兆を早期検知してアラートを発信できる機能も備わっています。フォローすべき対象者がスコアで可視化されるため、優先順位をつけた迅速で的確なケアが可能です。
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異動を提案する
適切な部署への異動は、従業員のモチベーション回復と能力発揮の機会を提供します。
現在の職場で満足度が低い従業員に対して、本人の希望と適性を考慮した異動を提案することで、離職を防ぐことが可能です。
異動により、新しい業務への挑戦機会、人間関係のリセット、スキルアップの可能性が生まれます。また、別の部署を経験することで従業員の視野が広がり、将来のキャリア形成にもプラスの影響を与えるでしょう。
ただし、一方的な異動辞令では逆効果になるため、事前の相談と本人の意向確認が必須です。
評価制度を整備する
公正で透明性の高い評価制度は、従業員のモチベーション維持と離職防止に重要な役割を果たします。明確な評価基準と昇進・昇格の道筋を示すことで、従業員は将来への見通しを持ちやすくなります。
評価制度では、業務成果だけでなく、プロセスや行動面も評価対象に含めることが重要です。また、評価結果のフィードバック面談を通じて、強みと改善点を明確に伝え、成長支援につなげる仕組みを整えましょう。
そのほか、定期的な制度見直しにより、時代や組織の変化に対応した評価システムを維持することも大切です。
研修の機会を増やす
従業員のスキルアップを支援する研修制度を充実させることは、離職防止の有効な手段です。
専門知識の習得やリーダーシップ開発、コミュニケーションスキルの向上など、多様な研修プログラムを用意することで、従業員の成長意欲に応えることができます。また、研修投資により、従業員は会社からの期待と支援を実感し、組織へのコミットメントが向上します。
社内研修に加えて、外部セミナーや資格取得支援、オンライン学習プラットフォームの活用など、学習機会の多様化も効果的です。また、学んだ内容を業務で実践する機会を提供することで、研修効果をより高められるでしょう。
給与・待遇を改善する
適切な給与水準と待遇の改善は、従業員の満足度向上に直結する施策です。市場相場との比較検討を行い、競合他社に見劣りしない給与体系・待遇を整備することで、従業員の離職を防止できます。
昇給制度の明確化、賞与の充実、各種手当の新設・拡充などにより、従業員の経済的な満足度を高めることが可能です。また、成果に応じたインセンティブ制度の導入により、モチベーション向上も期待できるでしょう。
福利厚生を充実させる
充実した福利厚生制度は、従業員の生活の質向上と組織への愛着形成に寄与し、離職防止につながります。
健康保険や退職金制度などの基本的な制度に加え、住宅手当や育児支援、レクリエーション施設の利用など、多様なニーズに対応した制度設計を検討しましょう。
近年は、「カフェテリアプラン」のように従業員が自由に選択できる福利厚生制度も注目されています。また、健康経営の観点から、フィットネスクラブの法人契約や健康診断の充実なども効果が期待できます。
労働条件を見直す
適切な労働条件の設定と定期的な見直しは、従業員の満足度向上に直結する施策であり、離職防止に有効にはたらきます。
労働基準法の遵守はもちろん、時代の変化に対応した労働条件の改善が求められています。
残業時間の削減や有給休暇の取得促進、休憩時間の確保など、働きやすい環境づくりが重要です。また、フレックスタイム制度や変形労働時間制の導入により、従業員の多様な働き方に対応することも効果的でしょう。
労働環境を改善する
快適な労働環境の整備は、従業員の満足度と生産性向上に大きく影響します。労働環境の改善に取り組むことで、働く環境に不満を覚えていた従業員の離職を防止できるでしょう。
労働環境の改善策の例は、オフィスの設備更新、照明や温度環境の改善、清潔な職場の維持などです。また、コミュニケーションスペースの設置や、リフレッシュルームの整備など、従業員同士の交流を促進する環境づくりも効果的でしょう。
そのほか、最新のITツールの導入により業務効率化を図り、従業員の負担軽減を実現することも重要です。業務DXによって、従業員の労働環境を劇的に改善できる可能性があります。
マネジメント職の教育を行う
優秀なマネジメント職の育成は、部下の離職防止に直結する重要な施策です。
マネジメントスキルやコーチング技術、コミュニケーション能力などの向上を目的とした実践的な研修プログラムを実施することで、管理職の質を高められます。また、コンプライアンス遵守やハラスメント防止、労務管理などに関する教育を実施することも重要です。
マネジメント職の成長支援により、組織全体のマネジメント力向上を図りましょう。
ハラスメント対策を行う
ハラスメントが横行する職場では従業員の離職が相次ぎ、企業の評判も大きく下がるおそれがあります。
ハラスメントの防止と適切な対応体制の整備は、安全で働きやすい職場環境の実現に不可欠です。パワーハラスメントやセクシュアルハラスメント、マタニティハラスメントなど、あらゆるハラスメントに対する予防策と対応策を講じましょう。
ハラスメント防止に関する研修の実施、相談窓口の設置、事案発生時の調査・対応手順の明確化などが基本的な対策となります。
相談窓口を設置する際は、匿名性を保てる仕組みを作ります。匿名で相談できる仕組みを整えることにより、被害者が相談しやすい環境を整備しましょう。
リモートワークを導入する
リモートワークの導入は、働き方の多様化と従業員満足度の向上に効果的です。リモートワークを導入することで、通勤の不便さに不満を抱いていた従業員や、ライフイベントと仕事の両立が難しくなっていた従業員の離職防止につながることがあります。
リモートワーク制度を始めるためには、通信環境やクラウド環境などのインフラ整備、セキュリティ対策の強化、コミュニケーション手段の確立などが導入の前提となります。また、リモートワーク時の労務管理や人事評価の方法についても検討が必要です。
リモートワークを導入する準備が整ったら、一部の部署から段階的に導入したり、試行期間を設けたりすることがおすすめです。組織と従業員の双方が新しい働き方に適応できる環境を整備していきましょう。
柔軟な労働時間制度を採用する
多様な働き方に対応できる労働時間制度の導入は、従業員のワークライフバランス向上に貢献します。柔軟な労働時間制度によって、優秀な人材の離職防止や多様な背景を持つ従業員の活躍促進が期待できます。
労働時間制度の種類には、変形労働時間制やフレックスタイム制、時差出勤制、短時間正社員制度、週休3日制などが挙げられます。労働時間制度を整備する際は、従業員のライフスタイルに合わせた選択肢を提供することが重要です。
また、制度導入にあたっては、業務の特性や顧客対応への影響を考慮した設計が必要になります。
ライフイベントとの両立に柔軟な風土を作る
結婚・出産・育児・介護・看護など、従業員のライフイベントに柔軟に対応できる組織風土の醸成は、長期的な雇用関係の維持に重要です。ライフイベントとの両立に柔軟な風土を作ることで、仕事とライフイベントとの両立が困難であることが原因で離職を検討していた従業員を思いとどまらせることができる可能性があります。
制度の整備だけでなく、利用しやすい雰囲気作りが大切です。管理職や同僚の理解促進を図り、ライフイベントを迎える従業員を組織全体でサポートする文化を構築しましょう。
産前産後休業や育児休暇、介護休業、短時間勤務などの制度を利用しやすくするほか、復職支援プログラムを用意することで円滑な職場復帰をサポートすることも効果的です。
定年や再雇用に関する制度設計を行う
定年によって優秀な人材が離職してしまうことは、企業にとって痛手です。経験豊富なシニア人材の知識・スキルを活用し、組織の持続的発展を図る制度設計が求められています。
高齢化社会の進展に伴い、定年制度や再雇用制度の見直しが重要な課題となっています。定年年齢の引き上げや継続雇用制度の拡充、勤務形態の多様化など、シニア世代のニーズに対応した働き方を提供しましょう。また、アドバイザーやコンサルタントなど、若手社員への技術伝承や指導役としての役割を明確化することで、やりがいのある働き方を実現できるでしょう。
世代を超えた協働を促進し、全ての年齢層の従業員が活躍できる職場環境を整備することが、組織力向上につながります。
ツール導入により離職原因を解消した成功事例
離職原因の解消には、人材マネジメントツールを活用することも有効です。
レバレジーズが提供する「NALYSYS モチベーション管理」は、AI・データを活用して従業員の定着率向上を支援するマネジメントプラットフォームです。離職につながる課題について、「可視化・検知・特定・改善」まで一気通貫でサポートします。
ここでは、「NALYSYS モチベーション管理」を導入することによって、離職原因の解消に成功した企業事例を紹介します。
日新シャーリング社さまの事例
| 会社名 | 日新シャーリング株式会社 |
| 業種・業界 | 卸売業 |
| 従業員数 | 95名 |
| 会社の所在地 | 東京都 |
| 課題 | ・個人の悩みに合わせた1on1の強化 ・人間関係の改善 |
| 導入したサービス | NALYSYS モチベーション管理 |
※取材当時の情報です
日新シャーリング株式会社さまは、従業員と顧客の双方が笑顔になれる企業を目指す一方で、上司と部下の人間関係に起因する望まない離職という課題を抱えていました。
同社では成果を上げた社員を管理職に登用していましたが、それが必ずしも部下の個性を生かす指導力と直結しておらず、相互理解の不足からミスマッチが生じていたのです。
さらに、過去に定期的な面談や心理状態の可視化ツールを導入したものの、「状況は把握できても、次にどのような改善行動をとるべきか分からない」という壁に突き当たっていました。
これらの課題を解決するために導入されたのが、「NALYSYSモチベーション管理」です。
本ツールの導入の決め手となったのは、モチベーションスコアや性格検査の客観的なデータをもとにAIが従業員の特性を紐解き、次にとるべき具体的なアクションを明確に提示してくれる点にあります。
「NALYSYSモチベーション管理」の導入によって、これまで上司が「なんとなく合わない」と感じていた部下の思考回路が可視化され、「どのような言葉が響くのか」という深い理解につながりました。感覚に頼っていた面談が、データに基づく個々に寄り添った的確な指導へと進化しています。
「NALYSYS モチベーション管理」は、上司のマネジメントを柔軟にし、人間関係の悩みを定量的に解決へ導くことで、従業員が自分らしく活躍できる環境づくりと離職防止に貢献しています。
インタビュー全文は「個性が活きる職場へ。データで叶える“最高の笑顔”日新シャーリング社が挑む、従業員の心に寄り添う組織づくり」からご覧ください。
どんぐり財団さまの事例
| 会社名 | 一般財団法人どんぐり財団 |
| 業種・業界 | スポーツ、文化、産業振興、健康増進に関わる事業 |
| 従業員数 | 30名 |
| 会社の所在地 | 広島県 |
| 課題 | ・経験頼みのマネジメントへの不安 ・1on1面談の改善 |
| 導入したサービス | NALYSYS モチベーション管理 |
※取材当時の情報です
一般財団法人どんぐり財団さまは、人材マネジメントにおいて大きな悩みを抱えていました。
これまで担当者の経験や勘に頼った指導を行っていましたが、「自分の判断は本当に正しいのか」「1on1面談でどのような質問をすれば本音を引き出せるのか」と、属人的なやり方に不安を常に感じていました。専門家に相談できる環境もなくなり、手探りのマネジメントでは職員との認識にズレが生じ、モチベーション低下や離職につながる懸念があったのです。
この状況を打破するために導入されたのが、「NALYSYSモチベーション管理」でした。
同システムは、AIが職員の特性を分析し、面談で話すべきポイントを具体的に提案してくれます。たとえば、これまで消極的に見えていた職員に対し、AIの(この職員は)「ある程度任せていくといいタイプ」という示唆をもとに接し方を変えたところ、職員自ら「任せてほしい」と目を輝かせて前向きな姿勢を見せるようになりました。
AIの客観的なデータによって担当者の迷いは消え、自信を持って対話できる環境が整いました。一人ひとりの特性に合わせたコミュニケーションが実現したことで、職員が活き活きと働けるようになり、組織全体のエンゲージメントが向上しています。
「NALYSYSモチベーション管理」の導入によって感覚頼りの面談から脱却し、お互いを理解し合える仕組みを構築できました。「誰一人取りこぼさない」という組織文化を強化し、従業員の離職防止につながっています。
インタビュー全文は「『感覚頼り』の面談から脱却。NALYSYS AIと共に目指す『人を大事にできる』組織づくり」のページで閲覧可能です。ぜひご覧ください。
上尾中央総合病院さまの事例
| 会社名 | 上尾中央総合病院 |
| 業種・業界 | 医療・福祉業 |
| 従業員数 | 常勤 :2,221 名 非常勤:486 名 |
| 会社の所在地 | 埼玉県 |
| 課題 | ・働きやすい職場環境作りの実現 ・属人的な「感覚」に頼ったコンディション把握 |
| 導入したサービス | NALYSYS モチベーション管理 |
※取材当時の情報です
上尾中央総合病院さまは、看護師など職員のメンタルヘルス不調による離脱という課題を抱えていました。
これまで、職員のコンディション把握は現場の管理職の「なんとなく様子がおかしい」といった属人的な感覚に依存しており、客観的な指標が存在しませんでした。そのため、四半期ごとの定期面談などで話を聞く頃にはすでに本人の悩みが深刻化してしまっており、ケアが間に合わなくなっている状態でした。
この課題を解決するため、同院は「NALYSYSモチベーション管理」を導入しました。ツールの活用により、これまで見えにくかった職員の心の状態がスコアとして明確に可視化されるようになりました。
データの可視化によって、専任のサポート担当者はスコアが低下している職員を素早く見つけ出し、優先順位をつけてピンポイントで声かけを行えるようになりました。現場の管理職が「もう少し様子を見よう」と介入をためらうような場面でも、客観的な数値を根拠にアプローチできるため、サポートの初動を大幅に早めることが可能になったのです。
結果として、悩みが深刻化する前の「少しモヤモヤする」といった初期段階で職員からのSOSを拾い上げ、接点を持てるようになりました。これまでサポートが手薄になりがちだった2年目の職員の悩みも的確にキャッチできるようになり、面談を通じて前向きさを取り戻すケースが増加しています。
「NALYSYSモチベーション管理」の導入により、不調のサインを逃さず、早い段階で適切なケアを行う仕組みが構築されました。職員が安心して働き続けられる環境づくりと離職防止が実現しています。
インタビュー全文は「『職員を大切にする組織』が実現する働きやすい環境とは―NALYSYS活用で目指す、看護師が輝く組織づくり」のページに掲載しています。
当社の「NALYSYS(ナリシス)」は、無料トライアルを受付中です。ご希望の場合は、無料トライアルの申し込みフォームよりお申込みください。
「NALYSYSモチベーション管理」を含む、NALYSYSのすべての機能からご希望の機能がご利用可能です。
まとめ
離職の原因は多岐にわたります。仕事内容への不満、人間関係の問題、将来性への不安、労働条件の不備、ワークライフバランスの困難、契約上の制約など、それぞれの離職原因に対する理解と対策が必要です。また、離職原因は若い世代とのギャップが生じていることがあるので、データに基づいて分析を行いましょう。
本記事では、企業が実施できる離職防止策として16の方法をご紹介しました。従業員の声に耳を傾け、組織の実情に合わせた施策を選択・実施しましょう。
定期面談やサーベイによる現状把握から始まり、評価制度の整備、研修機会の拡充、労働環境の改善、柔軟な働き方の導入まで、総合的なアプローチを検討します。
離職防止は短期間で成果が出るものではありません。継続的な取り組みと改善により、従業員が長く働き続けたいと思える魅力的な組織づくりを目指すことが重要です。優秀な人材の定着により、企業の競争力向上と持続的成長を実現できるでしょう。

