「リファラル採用のデメリットを把握してから導入を判断したい」とお考えの採用担当者も多いのではないでしょうか。
デメリットは企業・紹介する社員・候補者の立場ごとに異なり、その多くは制度の設計で抑えられます。
本記事では、立場別のリファラル採用のデメリットや同質化の要因を紹介。また、リファラル採用が機能する企業の条件や向いていない場面、デメリットへの対策法を解説するのでぜひ参考にしてください。
リファラル採用のデメリット(立場別)
リファラル採用とは、自社の社員から知人や元同僚を紹介してもらい、その候補者を選考して採用することです。
リファラル採用は、低コストで採用できたり質の高いマッチングができたりするメリットがあります。しかし適切な運用をしなければ、以下のようなデメリットが生じるおそれがあります。
| 立場 | リファラル採用で生じ得るデメリット |
| 企業と社内 | ・社内の人間関係が悪化し、紹介の連鎖で離職が広がる・入社後になれ合いが生まれ、指導や評価がしにくくなる・組織の同質化が進む・紹介という経路の情報が加わり、選考基準が緩む・紹介報酬をめぐる不公平感が生まれ、コネ採用と見られる・採用要件から外れた候補者が紹介される・短期間に多数を採用する用途には使えない・紹介の受付、進捗管理、記録に運用の手間がかかる |
| 紹介者となる社員 | ・不採用のときに候補者との間で気まずさが生じる・紹介の連鎖で、一方の離職判断がもう一方に影響する・紹介後も候補者の状況を気にし続け、自分の評価への影響も気になる |
| 紹介を受ける候補者 | ・知人からの誘いを断りにくい・紹介者との関係を意識して、選考中の判断がしにくい・入社前に得た情報が良い面に偏り、入社後にギャップが生じる |
ここからは、リファラル採用の実施にあたって生じる可能性があるデメリットを、立場別に紹介します。
企業と社内に生じるデメリット
リファラル採用を実施する際には、企業と社内に及ぶ可能性があるデメリットに注意する必要があります。
人間関係に関連するリファラル採用のデメリットは、紹介という個人の関係が業務上の関係と重なることから生じます。紹介者と被紹介者が同じ部署に入れば、指導する側とされる側が知人同士になり、指摘がしにくくなることがあります。また、一方の退職の判断が、もう一方に影響することもリファラル採用の懸念点の一つです。
また、リファラル採用による社内での不公平感にも注意が必要です。人脈を持つ社員が一部に限られていれば、紹介報酬は同じ社員に偏り、不満を覚える社員も出てくるでしょう。
採用の質に影響する可能性があることにも注意する必要があります。
リファラル採用の採用要件が明確に定められていない場合、選考基準が緩むおそれがあります。また、採用要件が社員に共有されていなければ、紹介者それぞれの解釈で要件から外れた候補者が紹介されてしまいます。
組織の同質化も、企業側で確認しておきたい論点です。採用を重ねるうちに、入口となる母集団の構成が偏ることがあります。
そのほか、リファラル採用の運用面においては、短期間に多数を採用したいケースには不向きであること、運用の手間がかかることを留意しましょう。
紹介者となる社員側のデメリット
リファラル採用の実施にあたっては、紹介者となる社員に生じうるデメリットにも配慮が必要です。
リファラル採用で紹介する側の社員の負担は、選考のルールが曖昧だと重くなります。不採用の基準が事前に共有されず、結果も説明されないと、知人の候補者に何をどこまで伝えればよいか分からず、気まずさを抱えます。
離職の連鎖が起こりうることも、リファラル採用のデメリットの一つです。紹介者と被紹介者は同じ人間関係のネットワークに属するため、一方が退職を判断すると、もう一方の意思決定にも影響が及びます。
紹介後の負担も見落とせません。社員によっては候補者の選考状況や入社後の様子にプレッシャーを覚えたり、結果が自分の評価に響くのではないかを心配したりする可能性があります。
紹介を受ける候補者側のデメリット
リファラル採用を行う際は、紹介を受けた候補者側のデメリットにも考慮する必要があります。
候補者側のデメリットは、選考のやりとりに知人が介在することから生まれます。
求人への応募と違い、選考が終了しても知人との関係が続くため、断りづらさを感じます。また、転職の意思が固まらない段階でも話を聞くことになりやすく、辞退も言い出しにくくなるでしょう。
リファラル採用においては、入社前に候補者が得られる情報が偏る可能性がある点にも注意が必要です。
知人に入社してほしい気持ちから、紹介者が会社の良い面ばかりを候補者に伝えていた場合、候補者の期待値が上がります。期待どおりであれば問題ありませんが、もし会社の実態が期待を下回るものであればギャップを感じ、早期離職につながるおそれがあります。
リファラル採用のメリット(立場別)
リファラル採用には多くのメリットがあります。
リファラル採用の立場別のメリットは、以下の表のとおりです。
| 立場 | リファラル採用で得られるメリット |
| 企業 | ・採用単価を抑えられる・ミスマッチを防止できる・転職潜在層へアプローチできる |
| 紹介者となる社員 | ・インセンティブを獲得できる・信頼できる知人と働ける |
| 紹介を受ける候補者 | ・会社のリアルな情報を入社前に知れる・職場に早く馴染める |
ここでは、リファラル採用の主なメリットを立場別に紹介します。
企業が得られるメリット
リファラル採用を行う企業が得られる主なメリットは、採用単価の抑制・ミスマッチの防止・転職潜在層へのアプローチが可能なことです。
リファラル採用での紹介は媒体費や紹介手数料に依存しない経路のため、採用単価を抑えやすいです。
実際、厚生労働省の調査(令和4年)によると、縁故(知り合い・社員等からの紹介)の利用理由の1位は「採用に係るコストが安い」で60.8%でした。
また、同調査における正社員1件あたりの平均採用コストは次のとおりです。
| 採用手段 | 1件あたりの平均採用コスト(正社員) |
| スカウトサービス | 91.4万円 |
| 民間職業紹介事業者(人材紹介) | 85.1万円 |
| インターネットの求人情報サイト | 28.5万円 |
| 知り合い・社員等からの紹介(縁故) | 4.4万円 |
縁故経由の平均採用コストは、民間職業紹介事業者や求人情報サイトと比べて低い水準にあります。
また、リファラル採用にはミスマッチを防止できるメリットもあります。
同調査では、縁故採用(リファラル採用)を利用する理由の2位が「就職後の離職率が低い」で44.8%、3位が「希望する能力を持った求職者を採用できる」で35.2%でした。
そのほか、転職潜在層にアプローチできる点も、リファラル採用のメリットの一つです。紹介は社員の知人をたどる経路のため、転職市場にいない潜在層にも接点を作れます。
参考:厚生労働省「採用における人材サービスの利用に関するアンケート調査 調査結果(令和4年)」
紹介者の社員が得られるメリット
リファラル採用において紹介者の社員が得られる主なメリットは、インセンティブを獲得できることと信頼できる知人と働けることです。
リファラル採用で候補者を会社に紹介した従業員は、企業で導入されているリファラル採用の紹介手当を受け取れます。
また、知人と同じ職場で仕事ができることもメリットです。気心が知れた友人や前職の優秀な同僚を呼び込むことで、業務上のコミュニケーションや連携が取りやすくなるでしょう。
紹介を受ける候補者が得られるメリット
リファラル採用の紹介を受ける候補者が得られるメリットには、入社前に会社の実態を把握できることや職場に馴染みやすいことが挙げられます。
リファラル採用の紹介経由であれば、候補者は入社前に現場の情報を得られます。求人票だけでは見えない「社風」「業務の忙しさ」「職場の雰囲気」といった情報を事前に知ったうえで応募・入社を検討することが可能です。
また、入社初日から社内に相談できる味方がいるため、環境変化のストレスが軽減され、早く職場に馴染めます。
リファラル採用が機能する企業の条件
リファラル採用が機能するかどうかは、前提条件を満たしていることが必要です。
以下の3点が、リファラル採用がうまくいく企業の条件です。
- 従業員が自社を知人に勧められる状態になっている
- 採用要件を言語化していて社員に共有している
- 別経路で募集人数を充足できる採用計画がある
リファラル採用の紹介が集まらないときは、この3点のどれが欠けているかを確認しましょう。
ここでは、リファラル採用が機能する企業の3つの条件をそれぞれ解説します。
従業員が自社を知人に勧められる状態になっている
リファラル採用が機能するかどうかは、従業員エンゲージメントが高い状態、つまり社員が自社を知人に勧められる状態にあるかどうかに左右されます。
従業員エンゲージメントとは、従業員が自社に対して抱く愛着心や帰属意識、自発的に貢献したいと思う意欲のことです。
自社の理念やカルチャー、働きやすさに満足している社員は、「自分の大切な知人にこの会社を勧めたい」という心理が働きます。自社を信頼しているからこそ、自信を持って知人を勧誘できます。 また、自社に愛着を持っている従業員は会社の事業や風土を深く理解しているため、自社に合う人物像を正確に把握できます。その結果、スキルや人柄がマッチする優秀な人材を紹介しやすくなります。
従業員のエンゲージメントが低いと感じている場合は、以下の記事も参考にしてください。原因や対処法を解説しています。
採用要件を言語化していて社員に共有している
採用要件が言語化され社員に共有されているかどうかも、リファラル採用が機能する企業の条件の一つです。
求める人物像が曖昧だと、リファラル採用の存在を知っていたとしても「どんな人を紹介すればいいかわからない」「不採用になったら気まずい」と迷いが生じ、従業員からの紹介は滞ります。
「どのようなスキル・人柄の人を求めているか」という採用要件が言語化されていれば、社員は自分の知人ネットワークの中から該当する人物を正確に思い浮かべやすくなります。基準が明確であれば、従業員も安心して知人を紹介できるでしょう。
採用要件を言語化する具体的な方法については、以下の記事で解説しています。
別経路で募集人数を充足できる採用計画がある
リファラル採用が機能する企業の条件には、別経路で募集人数を充足できる採用計画があることが挙げられます。
リファラル採用は従業員の紹介に頼る採用手法であるため、採用の時期や人数を調整しにくいです。リファラル採用だけでは、必要な採用人数を充足する計画は成立しにくいでしょう。
リファラル採用は、募集人数を他経路でも担保できる採用計画のうえに成り立ちます。
リファラル採用が向かない場面
リファラル採用のデメリットが生じやすい状況下は、リファラル採用に不向きな場面だといえます。
リファラル採用が向かない場面には、以下のものが挙げられます。
- 短期間での大量採用がしたいとき
- 組織の多様性を高めたいとき
- 既存の従業員と似通わない、新たな人材を採用したいとき
上記のようなシーンでは、リファラル採用よりも別の採用手法を活用したほうが、採用目標を達成しやすくなります。
ほかの採用手法については、下記の記事でも解説しているので参考にしてください。
また、自社が以下のような状態にある場合も、リファラル採用は向いていません。
- 従業員エンゲージメントが低い状態であるとき
- 採用要件が曖昧な状態であるとき
- リファラル採用の制度が未整備な状態であるとき
- ほかの採用経路が整っていない状態であるとき
このような状況下では、すぐにリファラル採用を始めるのは得策ではありません。まずは会社の状態を改善したり、リファラル採用に関する制度を整備したりする必要があります。
リファラル採用で組織の同質化が起きる理由
組織の同質化は、リファラル採用という手法の構造から生じます。理由は、接点が生まれる範囲と、集まる候補者の属性の2つに分けられます。
紹介で届く接点が社員のつながりの範囲に限られるから
リファラル採用で組織の同質化が指摘されるのは、紹介で生まれる接点が現在の社員と職務経験・業界・学校などの客観的属性、あるいは価値観や思考特性といった心理的属性を共有する範囲に限られるためです。
人は自分と似た体験や価値観を持つ人に親近感を抱きやすい傾向(類似性魅力)があります。そのため、リファラル採用の紹介で届く接点は元同僚・同業の知り合い・同じ学校の知人など、現在の社員と背景や価値観を共有する層になりやすく、母集団の属性や思考パターンが固定化しやすくなります。
接点の起点が社員個人にあるという点が、求人媒体やエージェントを経由する採用とリファラル採用の違いです。そのため紹介で届く範囲には、人数の面でも属性の多様性の面でも構造的な上限が生じます。
リファラル採用の制度の周知を広げて紹介の件数が増えても、接点が社員のつながりから生まれるという根本の構造は変わりません。
解消するためには、多様な背景を持つ社員への重点的な働きかけや、他部門との交流を通じた紹介範囲の拡大などといった特定の層にアプローチを偏らせないための積極的な工夫を行う必要があります。
現在の社員と重なる属性の候補者が集まりやすいから
リファラル採用の紹介で届く範囲が現在の社員と重なるため、採用を重ねるほど、新しく加わる人の属性や価値観は今の社員構成に近づいていきます。現在の社員と属性・思考を共有する候補者が母集団に入り、その中から採用した人がまた次の紹介の起点になるという連鎖が生じるためです。
ただし、1〜2名の採用で組織の構成が変わることはありません。影響は、採用全体に占めるリファラル経由の割合が高く、その状態が長く続くほど大きくなります。
採用経路の構成比を変えれば、入口の構成は元に戻せます。一方で、すでに入社した人の配置や組織文化を後から変更するのは困難です。
したがって管理の対象になるのは入口の比率です。制度そのものを止める必要はなく、採用計画のうちリファラル経由の比率に上限を置くという粒度で扱うことができます。
リファラル採用のデメリットを抑えるには
リファラル採用のデメリットは、施策を講じることで解消・軽減することが可能です。
リファラル採用のデメリットを抑える主な方法は、以下のとおりです。
- 採用要件を言語化して評価基準を統一する
- 紹介の手続きと責任範囲を明文化する
- リファラル採用のプロセスを効率化する
- 報酬に頼らず賃金として位置づける
- 他経路と併用して構成比を管理する
- 紹介者と候補者に対してフォローを行う
ここでは、リファラル採用のデメリットを抑える6つの方法を紹介します。
採用要件を言語化して評価基準を統一する
リファラル採用のデメリットを抑える方法の一つは、採用要件を言語化して評価基準を統一することです。
従業員に採用要件に合った人材を紹介してもらい、採用を成功させるためには、採用要件の言語化と評価基準の統一が必要です。
資料「採用のミスマッチはなぜ起きるのか」のなかで曽和利光氏は、採用要件の言語化と評価基準の統一は、主観的な思い込みによる採用ミスマッチを防ぐために重要だとしています。
まず経営者の主観や現場の感覚に頼らず、社員向けの適性検査結果などの客観的データを用いて、実際に自社で活躍している多面的な人材像を組み立てます。次に、人によって解釈が大きく分かれる「コミュニケーション能力」といった曖昧な抽象表現を排除します。社内でこれらの言葉を取り上げてブレイクダウンし、具体的な行動レベルへと再定義することで全員の認識をすり合わせます。
採用要件を的確に言語化することによって従業員に求める人物像が伝わり、リファラル採用における紹介精度の向上が期待できます。
さらに、面接官が無意識の偏見やバイアスで判断するのを防ぐため、定期的な自己認知トレーニングの実施、複数人での面接による評価のすり合わせ、客観的な適性検査や性格検査などのテスト結果の活用を徹底しましょう。
このように要件の具体化と評価の多角化を進めることで選考における判断のズレを排除し、リファラル採用の評価においても統一された選考基準を確立できます。
参考:レバレジーズ株式会社「採用のミスマッチはなぜ起きるのか」
紹介で集まった候補者を経路に関係なく同じ基準で見極める方法として、AI面接を一次選考に置く選択肢もあります。
当社の「NALYSYS AI面接」では、AIアバターが対話形式で一次面接を実施し、回答に応じて深掘りします。面接の設計で使えるのは、評価モデル3種と33の評価項目、カスタム質問の追加です。面接の内容は録画と文字起こしを含む評価レポートとして残ります。
AI面接の仕組みは、次の記事で解説しています。
紹介の手続きと責任範囲を明文化する
リファラル採用のデメリットを抑えるためには、紹介の手続きと責任範囲を明文化することが重要です。
リファラル採用の紹介は情報提供であって推薦ではないと定め、合否の責任は人事が負うと明文化しておくと、紹介者の負担と入社後のやりづらさが抑えられます。
リファラル採用の実施にあたって明文化する主な項目は次のとおりです。
- 紹介は情報提供であり、合否の責任は人事が負う
- 紹介者は選考プロセスに関与しない
- 紹介した候補者が不採用でも、紹介者の評価には影響しない
- 候補者の同意を得てから情報を渡す
- 紹介者を被紹介者の評価者や直接の指導担当者にしない
不採用通知を含め、選考に関する連絡はすべて人事から候補者へ直接行い、紹介者を経由させない形式にしましょう。
また、こうしたリファラル採用に関するやりとりは、後々のトラブルを防ぐために、応募フォームやメールなど同意の記録が残る形で取得することが推奨されます。
リファラル採用のプロセスを効率化する
リファラル採用のデメリットを抑える方法は、リファラル採用において発生する工程を効率化することです。
リファラル採用の制度運用の手間は、記録する項目を絞れば軽くなります。リファラル採用における必要最低限の記録項目は、紹介者・候補者・同意取得日・選考ステータス・結果連絡日・在籍状況の6つです。
リファラル採用の紹介の受付と記録の更新は人事の担当者1名に固定し、更新は受付時、選考結果の確定時、入社後にひもづけておきましょう。この6項目なら表計算ソフトでも運用することが可能です。
また、効率化にはリファラル採用ツールを導入することもおすすめです。
報酬に頼らず賃金として位置づける
報酬に頼らず賃金として位置づけることも、リファラル採用を運用するうえで大切です。
リファラル採用で報酬額を上げて紹介を増やす設計は、期待した結果につながりにくいといえます。紹介するかどうかを決めるのは報酬額よりも、自社を知人に勧められるかどうかです。
報酬を目的とした紹介が増えると、採用要件から外れた候補者が増えて選考の工数が膨らむというリスクもあります。
リファラル採用を行うにあたっては、就業規則や賃金規程に定めた賃金として支給する形が一般的です。紹介報酬の支払い方は職業安定法や社会保険の取り扱いに関わる論点があり、自社の設計が適法かどうかの判断は社労士や弁護士への確認が前提になります。
他経路と併用して構成比を管理する
リファラル採用のデメリットを抑える方法の一つは、他経路と併用して構成比を管理することです。
リファラル経由の比率は、採用計画の段階で上限を決めておきます。残りは他経路で充足する形にすれば、入口の構成を戻せる状態を保てます。
リファラル採用の併用先には、求人媒体やエージェント、自社サイトからの応募のように、社員のつながりとは別の範囲から候補者が集まる経路を選びましょう。
紹介者と候補者に対してフォローを行う
リファラル採用のデメリットを抑えるためには、紹介者と候補者に情報提供やフォローを行うことが大切です。
リファラル採用において、選考前に行うべきフォローは、双方の「不安や警戒感の払拭」と「期待値の調整」が中心となります。
紹介者となる従業員には、「合否の判断や通知はすべて人事が責任を持つ」「不採用でも紹介者の評価には一切影響しない」ことを事前に伝え、精神的負担を軽減しましょう。また、候補者に会社を魅力的に語れるよう、最新の採用要件や会社の目指す方向性、具体的なポジション情報を事前に提供します。
紹介される側の候補者には、紹介者から聞いている話と実際の業務・条件にズレがないか確認し、企業カルチャーや求められる役割を客観的かつ丁寧に伝えます。また、人事や希望部署の社員とフラットに話せるカジュアル面談の実施もおすすめです。
リファラル採用での内定後には、「入社承諾率の向上(辞退防止)」と「入社後のギャップ解消」を目的にフォローを実施します。
紹介者の従業員には、できるだけ早く内定が出た旨を報告し、紹介してくれたことへの感謝を伝えましょう。また、リファラル採用の紹介手当の支給条件や時期を含め、制度上の手続きを明確に案内します。
紹介によって入社が決まった内定者に対しては、提示年収や期待する役割について、人事から丁寧な理由の説明を行い、納得感を高めます。そのほか、配属予定部署のメンバーやリファラルで入社した他の中途社員との懇親会をセッティングし、人間関係の不安をなくすフォローも有効です。
まとめ
リファラル採用のデメリットは、企業と社内、紹介する社員、候補者の立場ごとに表れます。
企業がリファラル採用がうまく機能する条件を満たしていない場合や向いていない場面・状況に当てはまる場合は、対策を講じたり別の採用手法を活用したりすることが必要です。
リファラル採用で発生するデメリットへの対策には、採用要件の言語化と評価基準の統一、紹介の手続きと責任範囲の明文化、リファラル採用のプロセス効率化、賃金の位置づけ、構成比の管理、紹介者と候補者へのフォローが挙げられます。リファラル採用を適切に運用し、効果を最大化しましょう。
よくある質問
Q. リファラル採用はやめたほうがよいですか?
A. リファラル採用を実施するべきかどうかは、自社の状況次第です。従業員が自社を知人に勧められる状態か、採用要件を言語化して社員に共有しているか、別経路で募集人数を充足できるかの3点で判断が分かれます。
いずれの場合も、主力の採用手段には据えない前提で検討しましょう。
Q. リファラル採用のリスクが強調されるのはなぜですか?
A. リファラル採用で想定されるリスクの多くは、選考や連絡のルールが決まっていない状態から生じています。準備が整っていない状態で始めると失敗する可能性があるため、リスクに備えるべき論調があります。
本記事では考えられるリスクや対策法を解説しているので、リファラル採用を始める前に参考にし、準備を進めましょう。
Q. リファラル採用が向かないのはどのような企業ですか?
A. リファラル採用に不向きなのは、短期間に多数を採用する必要がある企業、従業員が自社を知人に勧められる状態にない企業、採用要件が言語化・共有されていない企業の3つです。
これらの3つのいずれかに当てはまる場合は、ほかの採用手法を試したり、リファラル採用の実施に向けた準備を整えてから始めたりすることがおすすめです。
