採用動画に本当に効果があるのか、判断しかねている採用担当者の方も多いのではないでしょうか。
当社の就活生への調査では、視聴で志望度が高まったと答えた学生は69.4%でした。採用動画は、採用の成功の一助となるツールといえます。
本記事では、採用動画の効果を調査データをもとに紹介します。また、採用動画の形式別の活用例と活用場面、効果を高める運用のポイントを解説するので参考にしてください。
採用動画とは
採用動画は採用広報の手段の一つで、求人票や採用サイトの文章だけでは伝わりにくい情報を映像で補う役割を持ちます。新卒採用を中心に、応募前の企業理解を深めるための手段として使われる場面が増えています。
採用動画の役割
採用動画とは、求職者に向けて自社の仕事内容や職場の雰囲気を伝えるために制作する動画のことです。
テキストや写真だけでは、職場の雰囲気や実際に働く人の様子まで伝えきれない場合があります。求人票や採用サイトの文章で伝えようとすると、どうしても抽象的な表現にとどまりやすい部分です。
採用動画であれば、社員の表情や話し方、オフィスや現場の空気感を映像として届けられます。実際の職場に近い情報が伝わることで、求職者は入社後の働き方をイメージしやすくなります。
採用広報の中での位置づけ
採用動画は、採用広報という活動の中の一つの手段として位置づけられます。
採用広報とは、自社の事業内容や働く環境について情報を発信し、求職者の認知や理解、関心を高める活動のことです。採用動画のほかに、採用サイトやSNS、会社説明会なども採用広報の手段にあたります。
それぞれの手段は担う役割や届く相手が異なるため、採用動画だけを単独で運用するのではなく、他の発信手段と組み合わせて使う方法が一般的です。採用サイトで詳しい情報を伝え、動画で職場の様子を補うといった役割分担を決めておくと、それぞれの手段が機能しやすくなります。
採用動画の効果
レバレジーズ株式会社が運営するキャリアチケットの調査結果から、以下のような採用動画の効果が読み取れます。
- 学生の多くに視聴され企業理解の入口になる
- 視聴した学生の志望度が高まる
- 選考参加や内定承諾の後押しになる
ここでは、採用活動において採用動画を用いる効果について解説します。
学生の多くに視聴され企業理解の入口になる
採用動画は、多くの学生が実際に視聴したうえで企業理解に役立てている手段です。
レバレジーズ株式会社の同調査では、就職活動中に採用動画を視聴したことがあるかという質問に対し、7割以上が「はい」と回答しました。
また、視聴した採用動画の内容は「会社紹介・事業説明」が86.8%、「職種紹介」が56.6%で上位に入っています。

引用:レバレジーズ株式会社「就活生の7割が採用動画視聴後に『志望度が高まった』と回答」
採用動画が、会社の事業や職種を知る機会として動画が使われている実態がうかがえます。
採用動画を用意することによって、学生が企業を知る機会を1つ増やすことが可能です。
採用動画を見てもらうには、その前段階として求職者と接点を持つ設計もあわせて必要になります。応募者を集める母集団形成の方法は、以下の記事で詳しく解説しています。
視聴した学生の志望度が高まる
同調査によると、採用動画の視聴による志望度の変化は「かなり高まった」「高まった」の合計で69.4%でした。採用動画を視聴した7割近くの就活生が、志望度を上げています。

引用:レバレジーズ株式会社「就活生の7割が採用動画視聴後に『志望度が高まった』と回答」
職場の雰囲気や働く人の様子は、文章だけで伝えるよりも動画のほうが伝わりやすい面があります。動画であれば、表情や声、現場の空気感といった情報を伝えられます。
志望度は、応募や選考参加の前段階にあたる指標です。採用担当者の立場では、動画を見てもらえた候補者は、他社と比較される場面でも自社が候補に残りやすい状態にあると捉えられます。
採用動画は、母集団を増やす施策とは別に、すでに接点を持った候補者の志望度を引き上げる手段として位置づけられるでしょう。高い意欲を持ち、成長余地のある若手を確保する採用手法である「ポテンシャル採用」については、 以下の記事で解説しています。あわせて参考にしてください。
選考参加や内定承諾の後押しになる
同調査において、採用動画が選考参加や内定承諾の決め手になったことがあると答えた学生は45.3%です。半数近くの学生が、動画を選考への参加や内定承諾を決める材料の一つとして挙げたことになります。

引用:レバレジーズ株式会社「就活生の7割が採用動画視聴後に『志望度が高まった』と回答」
採用担当者にとっては、歩留まりに関わる指標として見る価値がある数字です。採用動画を活用することで、選考への参加率や内定承諾率を高められます。
採用動画には視聴経験や志望度、選考行動に関する効果が確認されている一方で、動画を作るだけで採用課題が解決するわけではありません。視聴されなければ効果は生まれないため、どこで誰に見てもらうかという目的と使い方を決めて運用することが前提になります。新卒採用に課題を感じている場合は、 以下の記事もご覧ください。
参考:レバレジーズ株式会社「就活生の7割が採用動画視聴後に『志望度が高まった』と回答」
採用動画の形式別の活用例
採用動画は、形式によって伝えられる情報の種類が異なります。 社員インタビューのように人物を中心に据えた形式と、会社紹介のように情報を整理して伝える形式では、視聴者に残る印象も活用場面も同じではありません。
採用動画の形式ごとの特徴をふまえて選ぶと、制作にかけた工数を効果につなげやすくなります。
採用動画の主な形式とその特徴は下記の表のとおりです。
| 形式 | 主に伝えられる内容 | 向いている採用課題 |
| 社員インタビュー動画 | 社員の人柄・価値観・仕事への向き合い方 | 社風や人物像を伝えたい、応募前の不安を減らしたい |
| 仕事密着動画 | 実際の業務内容・1日の流れ・職場の雰囲気 | 業務内容のギャップによる早期離職を防ぎたい |
| 会社・事業紹介動画 | 事業内容・企業理念・市場での位置づけ | 会社や事業の認知度が低い、事業内容を伝えやすい |
| ショート・SNS動画 | 短時間で伝わる企業の雰囲気や特定の話題に絞った情報 | 母集団形成の初期段階で接点を広げたい |
以下で、採用動画の各形式の特徴を詳しく解説します。
社員インタビュー動画
採用動画のうち、社員インタビュー動画で伝えられるのは、働く人の人柄や仕事への向き合い方です。
出演者の選び方が、社員インタビュー動画の効果を左右します。求職者が入社後の自分を重ねやすいのは、入社1〜3年目の若手社員です。管理職だけが登場する構成では、応募を検討している層と経験の差が開き、参考にしにくくなります。年次や職種の異なる社員を複数名そろえると、視聴者が自分に近い立場の話を選んで見られます。
社員インタビュー動画における質問設計では、入社の理由や仕事のやりがいに加えて、入社前後で印象が変わったことや、うまくいかなかった経験まで聞いておきます。良い面だけを並べた内容は、入社後に実際の職場との差を感じさせる原因になります。
避けたいのは、用意した原稿を読み上げる形式です。話す内容の要点だけを共有し、言葉は本人に任せると、人柄が伝わる社員インタビュー動画になります。
また、1本にまとめず社員ごとに分けて公開すると、採用サイトやSNSなど複数の場面で活用できるでしょう。
仕事密着動画
仕事密着動画のタイプの採用動画で伝えられるのは、1日の業務の流れと職場の実際の様子です。
仕事密着動画は、仕事内容が求人票の記載だけでは伝わりにくい職種や、入社後のギャップによる早期離職を防ぎたい場合に向いています。出社から退勤までを追う構成にすると、業務の順序や関わる人の範囲まで一度に伝えることが可能です。
また、繁忙期と閑散期のように業務量の異なる時期をそれぞれ撮っておくと、実態に近い情報を伝えられて入社後のミスマッチを防止できるでしょう。
仕事密着動画は、撮影の段取りが負担になりやすい形式でもあります。撮影対象の社員には通常どおりに業務を進めてもらい、後から必要な場面を選ぶ進め方にすると、現場の負担を抑えられます。
会社・事業紹介動画
会社・事業紹介動画の採用動画で伝えられるのは、事業の全体像や企業理念です。
先述のレバレジーズ株式会社の調査では、視聴した採用動画の内容として「会社紹介・事業説明」が86.8%と、学生が実際に視聴した動画の内容として最も高い割合を占めています。
会社・事業紹介動画は、会社の認知度が低い場合や、事業内容が複雑でテキストだけでは伝わりにくい場合に向いた形式です。
会社・事業紹介動画の構成では、事業内容や強みを説明することに加えて、その事業が社会や顧客のどのような課題を解決しているかという文脈まで示します。事業の位置づけが伝わると、個々の職種や業務が何のためにあるのかも理解しやすくなります。
すべての事業や部署の紹介内容を1本の動画に詰め込むと、情報量が過多になり、かえって印象に残りづらくなることがあります。会社・事業紹介動画は事業別や職種別に分けて制作し、求職者の関心に応じて見てもらう形にすると効果的です。
ショート・SNS動画
ショート・SNS動画の形式の採用動画で伝えられるのは、特定の話題に絞った企業の雰囲気です。
ショート・SNS動画は、母集団形成の初期段階で接点を広げたい場合や、SNSを日常的に使う層への訴求を強化したい場合に向いています。他の形式が「関心を持った人に詳しく伝える」ものであるのに対し、この形式は「まだ関心のない人に気づいてもらう」役割を担います。
ショート・SNS動画で扱う話題は1本につき1つに絞り、冒頭で要点を示します。社員の一問一答やオフィスの一場面など、単独で完結する内容が向いています。
なお、他の形式で制作した長尺の動画から一部を切り出す方法をとると、制作の負担を抑えながらショート・SNS動画の制作本数を確保できます。
ショート・SNS動画の公開前に決めておきたいのが、視聴された後の行き先です。採用サイトや詳しい動画への導線を用意しておかないと、再生数が増えても応募にはつながらないので注意が必要です。
採用動画の活用場面
採用動画は、使用する場面によって届く相手や果たす役割が変わります。すでに自社に関心を持っている求職者に向けた場面と、まだ接点のない層に興味を持ってもらうための場面では、動画に求める尺や内容も変わります。それぞれの場面に応じて見せ方を調整すると、視聴後の行動につながりやすくなります。
ここでは、採用動画の主な活用場面を紹介します。
採用サイト・求人ページ
採用サイトや求人ページに置く採用動画は、すでに自社に関心を持って訪れた求職者に向けて、応募を検討するための判断材料を補う役割を持ちます。
採用サイト・求人ページを訪れる求職者は、応募するかどうかを判断する段階にあります。仕事内容や条件を確認したうえで、働く環境が自分に合うかを確かめたい状態です。
採用動画を置く位置も判断に影響します。ページの下部に埋もれていると、条件を読み終えた時点で離脱した求職者には届きません。
募集要項と同じ画面内か、その直後に配置しておきます。採用動画を求人情報のすぐそばに置くと、条件面を読んだ流れのまま職場の様子まで確認してもらえます。
会社説明会・インターンシップ前後の接点
会社説明会やインターンシップでは、採用動画を当日に流すのみで終わらせず、前後のタイミングで使い分けると効果を発揮しやすくなります。
会社説明会・インターンシップの前に配信するならば、事業内容や職場の概要を伝えて当日の理解を助ける内容が向いています。会社説明会・インターンシップ後に配信するならば、当日は触れられなかった社員の話など、参加後の関心に応える内容が向いています。
採用動画の配信の手段は、案内メールやフォローメールへのリンク添付が基本です。参加者の連絡先を把握している段階であるため、視聴のタイミングを企業側で設計できます。
SNS・動画プラットフォーム
SNSや動画プラットフォームに置く採用動画は、まだ自社を知らない求職者との接点をつくるために使います。
ほかの場面と異なり、SNSでは求職者が自社に狙いを定めて閲覧しにきているわけではありません。流れてくる投稿のなかで目に留めてもらう必要があるため、冒頭で内容が判別できる作りにします。
動画の表示のされ方も媒体ごとに違います。音声を出さずに視聴される場面が多い媒体では、字幕やテロップを入れることが必要です。縦型の表示が前提の媒体では、縦向きで撮影する必要があります。
採用動画を掲載する媒体を先に決めてから撮影方法を決めると、あとから作り直す手間を避けられます。
採用動画の効果を高める運用のポイント
採用動画は、公開すれば自動的に効果が出るわけではありません。採用動画の効果を高めるには、制作を始める前の設計と、公開した後の運用の両面で工夫が必要です。
ここでは、採用動画の効果を高めるための運用のポイントを4つ紹介します。
目標とKPIを数値で定める
目標が曖昧なままだと、採用動画の構成や配置先を判断する基準がなく、公開後にその成果を評価することも難しくなります。採用動画の効果を高めるためには、目標とKPIを数値で定めることが大切です。
目標を決めたら、視聴完了率や視聴後の応募数など、実際に測れる指標をあわせて設定します。
採用動画の再生数だけを追う運用では、応募や選考への貢献度は見えません。目標が「応募数の増加」であれば視聴後の応募数やエントリーフォームへの遷移数を、目標が「内定承諾率の向上」であれば内定者への視聴案内後の承諾状況を、指標として置く方法が考えられます。
目標値そのものは、前年の応募数や説明会の参加率といった既存の実績を出発点に置くと設定しやすくなります。指標と目標値を先に置いておくと、公開後の動画をどう評価するかで迷わずに済みます。採用活動におけるKPIの設定方法については、 以下の記事で詳しく解説しているのであわせて参考にしてください。
視聴データをもとに動画と使いどころを見直す
採用動画は公開して終わりにするのではなく、視聴データを定期的に確認しながら見直す運用が欠かせません。
採用動画の視聴開始からの離脱率を確認すると、途中で視聴をやめられている箇所がわかります。冒頭で離脱が集中している場合は、動画の入り方や尺そのものを見直す必要があります。
一方、視聴数自体が少ない場合は、採用動画の内容よりも置き場所や導線に課題がある可能性があります。採用動画を掲載しているページやリンクの案内方法を先に見直すと、原因を切り分けやすくなります。
出演社員の同意を得て退職時の扱いを決めておく
採用動画に出演してもらう社員からは、動画の公開範囲や利用期間について事前に同意を得ておきましょう。
採用動画は公開後も長期間使われる場合があり、出演した社員が退職した後の扱いについても、あらかじめルールを決めておかないと判断に迷う場面が出てきます。退職時に採用動画を公開し続けるのか、差し替えるのかを事前に決めておくと、退職のたびに個別の判断を迫られることがなくなります。
同意は口頭ではなく、公開範囲や利用期間を明記した書面やフォームで残しておくことが推奨されます。
応募後の選考フローを整えて志望度を保つ
採用動画の効果を高める運用のポイントには、 応募後の選考フローを整えて志望度を保つことが挙げられます。
採用動画で高まった志望度は、応募後の対応が遅れると失われます。採用動画を見て関心を持った候補者も、応募後の連絡や面接設定を待たされるうちに、選考が先に進んだ他社を選ぶケースがあります。
このような機会損失を防ぐために、応募受付から面接実施までの各工程を見直しましょう。応募を受け付けてから一次連絡を返すまでの目標時間、書類確認の担当者と判断基準、面接候補日の提示方法、日程調整の連絡手段の4点を先に決めておくと、対応の速さを保ちやすくなります。
とくに一次連絡と日程調整は、担当者の手作業が積み上がりやすい工程です。「定型のメール文面をあらかじめ用意する」「面接候補日を複数まとめて提示する」といった準備をしておくと、応募が重なった時期でも対応が滞りにくくなります。
また、採用担当者に代わってAIが面接を行う「AI面接サービス」を導入すれば、採用担当者のスケジュールに関係なく日程調整・面接が進行します。選考のリードタイムを短縮することが可能です。
AI面接の詳細は以下の記事で解説しているのであわせてご覧ください。
そのほか、応募後の離脱を防ぐという点では、採用動画を公開して見てもらうのを待つだけでなく、選考の過程で見てもらう使い方もあります。
NALYSYS AI面接の「会社説明」機能は、YouTubeと動画ファイルの2つの動画ソースに対応しており、すでに作成した採用動画をそのまま設定して利用を始められます。AI面接の前後に会社説明動画を差し込むことにより、選考の途中で企業の魅力を伝えることが可能です。候補者の応募意欲を保ち、選考からの離脱を防ぐ狙いで活用できます。
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まとめ
本記事では、調査データの結果もふまえたうえで、採用動画の効果を示しました。また、採用動画の形式別の活用例と活用場面、効果を高める運用のポイントを解説しました。
就活生への調査では、採用動画を視聴した経験がある学生は7割以上にのぼり、視聴によって志望度が高まったと答えた学生は69.4%、選考参加や内定承諾の決め手になったと答えた学生は45.3%でした。
一方で、動画を作るだけで採用課題が解決するわけではありません。目標と測る指標を先に決め、視聴データをもとに動画と使いどころを見直す運用が前提になります。また、応募後の選考フローが長期化しないための施策も必要です。
運用のポイントを押さえ、採用動画の効果を最大化しましょう。
採用動画に関するよくある質問
Q. 採用動画には本当に効果がありますか?
A. レバレジーズ株式会社による就活生への調査では、視聴によって志望度が高まったと答えた学生が69.4%、選考参加や内定承諾の決め手になったと答えた学生が45.3%でした。採用動画は、採用活動において志望度にポジティブな効果を与えるといえます。
ただし、動画を公開するだけでは高い効果は期待できません。見てもらう場面と目的を決めた運用が必要になります。また、応募以降の選考フローのリードタイムを短縮することで、採用動画の効果はより高まるでしょう。
Q. 採用動画の長さはどれくらいが適切ですか?
A. 採用動画の適切な長さは、使う場面によって変わります。
SNSで初めて接点を持つ層に向ける採用動画であれば、短い尺で内容を判別できる作りが向いています。
採用サイトや説明会など、すでに関心を持った求職者に見てもらう採用動画は、内容を伝えるための長さを確保できます。
