「ダイレクトリクルーティングの費用には何がかかる?」と疑問をお持ちの採用担当者の方も多いのではないでしょうか。
ダイレクトリクルーティングの費用は、サービスに支払う費用と、自社の運用にかかる人件費の2つの層に分かれます。
本記事では、費用の内訳や主な料金体系、採用単価の計算方法・試算例、見積もりで確認したい項目、費用を抑える方法を解説します。予算の検討や社内への説明の材料として参考にしてください。
ダイレクトリクルーティングの費用の内訳
ダイレクトリクルーティングの費用は、サービスに支払う費用と、自社の運用にかかる人件費という2つの層で捉える必要があります。
ダイレクトリクルーティングの予算策定や上申の場面では、見積書に記載される費目に加えて、運用を担う社内の工数も費用の一部として考えることが重要です。
ここでは、ダイレクトリクルーティングの実施において何に費用がかかるのか、その内訳を整理します。
初期費用・データベース利用料などサービスに支払う費用
ダイレクトリクルーティングサービスに支払う費用は、見積書の段階でおおむね「初期費用」「データベース利用料」「成功報酬」「オプション費用」の4つの費目に分解できます。
| サービスに支払う費用の種類 | 概要 |
| 初期費用 | アカウントの開設や導入時の設定に対して発生する費用。初期費用が発生しないサービスもある |
| データベース利用料 | 候補者データベースを一定期間利用する対価として発生する費用。費用の中心になることが多い項目 |
| 成功報酬 | 採用が決まった時点で発生する費用 |
| オプション費用 | スカウト送信通数の追加、運用代行やサポートなどに対して発生する費用 |
ダイレクトリクルーティングサービスの利用にあたってどの費目が発生するかは、サービスや契約プランによって異なるため、見積もりのどこに何が含まれているかを事前に確認しましょう。
スカウト運用にかかる自社の人件費
ダイレクトリクルーティングで発生する費用には、見積書には表れない自社の運用工数、いわゆる人件費も含まれます。
ダイレクトリクルーティングは基本的に、候補者の検索や選定、スカウト文面の作成、返信対応、日程調整までを自社の採用担当者が担う手法であるため、相応の工数がかかります。
レバレジーズが2023年に実施した、ダイレクトリクルーティングの利用中もしくは利用経験がある企業の採用担当者123名を対象とした実態調査では、デメリットとして最も多く挙げられた回答が「採用候補となる求職者を探すのに時間がかかる」で、61.7%にのぼりました。また、「スカウト文面を作成するのに時間がかかる」という回答も30.0%でした。

引用:レバレジーズ株式会社「新卒・中途採用におけるダイレクトリクルーティングについての実態調査」
ダイレクトリクルーティングの費用の見積もりの際は、この工数を社内の誰がどれだけ担うのかを試算に織り込んでおくと、上申時に人件費まで含めた総額を示せます。
ダイレクトリクルーティングという採用手法の概要や導入時の確認ポイントなどについては、以下の記事で解説しているのであわせて参考にしてください。
参考:レバレジーズ株式会社「新卒・中途採用におけるダイレクトリクルーティングについての実態調査」
ダイレクトリクルーティングの4つの料金体系
ダイレクトリクルーティングの主な料金体系は、定額型・成功報酬型・ハイブリッド型・従量課金型の4つです。
先述した費目との対応でみると、体系によって費用の中心となる項目が変わります。定額型はデータベース利用料が費用の主体になり、成功報酬型は成功報酬が主体になります。
ダイレクトリクルーティングの料金体系ごとの違いを表にまとめると、次のとおりです。
| 料金体系 | 費用が発生するタイミング | 向いているケース |
| 定額型 | 契約時点 | 年間で複数名の採用を見込む場合 |
| 成功報酬型 | 採用決定・入社確定の時点 | 採用人数が少ない・時期が読めない場合 |
| ハイブリッド型 | 契約時点と採用決定時点の両方 | 定額部分を抑えつつ成果にも連動させたい場合 |
| 従量課金型 | スカウトの送信などの利用の都度 | 小規模で試したい場合 |
なお、ダイレクトリクルーティングの費用はサービスの種類や契約条件による差が大きく、一律の相場を示すと実際の見積もりとずれる場合があります。そのため本記事では、金額の目安ではなく、料金体系の仕組みと自社の条件で費用を計算する方法を解説します。
定額型:データベース利用料を期間契約で支払う
定額型は、データベース利用料を半年〜1年などの期間契約で支払うダイレクトリクルーティングの料金体系です。
定額型では、費用は契約時点で確定し、契約期間内であれば採用人数にかかわらず一定の金額を支払います。
そのため、年間で複数名の採用を見込むケースに向いている料金体系です。一方で、採用に至らなかった場合でも契約期間中は費用が発生し続けることは、あらかじめ想定しておきましょう。
成功報酬型:採用が決まった時点で費用が発生する
成功報酬型は、候補者の採用が決定し入社が確定した時点で費用が発生するダイレクトリクルーティングの料金体系です。
選考を進めている段階では基本的に費用がかからない形をとっているサービスが多く、成果が出るまでのコストを抑えやすい仕組みになっています。
成功報酬型の料金体系は、採用人数が少ない場合や採用時期が読みにくい場合に向いています。一方で、採用人数が増えるほど総額は膨らみやすくなります。
ハイブリッド型:定額と成功報酬を組み合わせる
ハイブリッド型は、定額の基本料と採用時の成功報酬を組み合わせたダイレクトリクルーティングの料金体系です。
ハイブリッド型では定額部分は契約時点で確定し、成功報酬部分は採用が決まった時点で加わるため、費用は2段階に分けて発生します。
定額部分を抑えつつ成果にも費用を連動させたいケースに向いている料金体系です。ただし、両方の費目が発生するぶん、見積もり時に確認すべき項目が増える点には注意が必要です。
従量課金型:スカウトの送信数などに応じて支払う
従量課金型は、スカウトの送信通数などの利用量に応じて費用を支払うダイレクトリクルーティングの料金体系です。
従量課金型はサービスを利用した分だけ費用が発生する仕組みのため、小さく試しながら自社に合うかどうかを見極めたい場合に向いています。
ただし、送信数が増えるほど費用も増えるため、返信率が低いまま数を打つ運用を続けると割高になる可能性があります。
自社の採用単価の計算方法と試算例
ダイレクトリクルーティングの費用は、相場ではなく、自社の条件から採用単価を割り出します。
ここではダイレクトリクルーティングの費用の計算式と試算例を示すので、見積もりを受け取ったら自社の採用単価を計算できるようにしておきましょう。
採用単価は「年間費用÷採用人数」で計算する
ダイレクトリクルーティングで発生する1名あたりの採用単価は、「(年間利用料+オプション費用など)÷年間の採用人数」で計算できます。
定額型の場合は、「データベース利用料(+初期費用やオプション費用)」が分子となります。
成功報酬型の場合、「採用人数分のアウトカム費用(または定額の成功報酬額)」が分子となります(初期費用等がない場合、1名あたりの成功報酬額がほぼそのまま採用単価となります)。
ハイブリッド型の場合は、「定額の基本料 + 採用人数分の成功報酬額」の合計を分子に置きます。
従量課金型の場合は、「想定送信通数 × 通数単価」で試算した年間費用を分子に置きます。
社内工数も含めた総コストで示したい場合は、「担当者の時間単価 × 年間のスカウト運用時間」を分子に加算します。金額化が難しい場合は、「誰が月に何時間を担当するか」を付記するだけでも決裁上申時の説得力が高まります。
採用人数別の試算例:定額型は複数名の採用で単価が下がる
定額型の料金体系のダイレクトリクルーティングのサービスにおいては、年間の採用人数が増えるほど1名あたりの採用単価が下がります。
仮に定額型の年間利用料を120万円と置くと、試算は以下のとおりです。
| 年間の採用人数 | 年間利用料 | 1名あたりの採用単価 |
| 1名 | 120万円 | 120万円 |
| 2名 | 120万円 | 60万円 |
| 5名 | 120万円 | 24万円 |
一方、成功報酬型で1名あたりの費用を60万円と想定した場合、採用人数にかかわらず1名あたりの単価は60万円のまま変わりません。
両者を比べる基準になるのが、定額型の年間利用料を成功報酬額で割った人数です。
この例では120万円÷60万円で、年2名が損益分岐の目安です。年間の採用予定人数が2名を超えるなら定額型の単価が成功報酬型を下回り、年1名程度の採用であれば成功報酬型のほうが割に合うケースもあります。
これはあくまで仮の数値を置いた試算であり、実際の金額はサービスの料金や契約条件によって変わります。中途採用向けのダイレクトリクルーティングサービスでは、成功報酬が想定年収に応じた料率で決まる場合もある点もふまえてください。
ハイブリッド型の料金体系をとるダイレクトリクルーティングサービスでは、定額分の年間利用料と成功報酬分の金額の両方を式の分子に含める形です。
従量課金型の料金体系のダイレクトリクルーティングサービスにおいては、想定する送信通数に単価を掛けた金額を年間費用の位置に置くと、同じ式で採用単価を算出できます。
見積もりを取るときに確認する4つの項目
ダイレクトリクルーティングのサービス導入を検討する際、見積もりの金額だけを比較すると、契約後に想定外の費用が発覚することがあります。想定外を発生させないよう、導入前に入念に確認をとることが必要です。
ダイレクトリクルーティングのサービス導入にあたり、見積もり段階で確認しておきたい主な項目は、次の4つです。
- 初期費用の有無
- 契約期間と年間利用料
- 成功報酬の有無と料率
- 基本料金とオプション費用の範囲
それぞれ、確認するポイントを説明します。
初期費用の有無
ダイレクトリクルーティングサービスの見積もりに、初期費用が含まれているかを確認します。初期費用が含まれる場合は、アカウント開設・初期設定・操作レクチャーなど、何に対する費用かもあわせて聞いておきましょう。
初期費用がかからないサービスもあるため、複数社を比較する際は初期費用を含めた総額で見る必要があります。
契約期間と年間利用料
ダイレクトリクルーティングサービスの最低契約期間と自動更新の条件を把握します。単月あたりの表示金額が同じでも、最低契約期間の長さによって総額が変わる点に注意が必要です。
途中解約の可否や条件についても、この段階で聞いておくと安心です。
成功報酬の仕組みと料率
ダイレクトリクルーティングサービスの導入時には、成功報酬が発生する仕組みと料率をチェックしましょう。成功報酬が発生する条件が「内定承諾時点なのか」「入社時点なのか」「入社後一定期間の経過後なのか」を確かめます。また、ベースとなる金額や料率も確認します。
あわせて、早期離職が生じた場合の成功報酬の返金規定の有無も契約前に押さえておきましょう。返金規定がない場合、入社後すぐに退職が発生しても、費用は原則として全額発生するので注意が必要です。
基本料金とオプション費用の範囲
ダイレクトリクルーティングのサービスの見積もりを取る際は、基本料金とオプション費用の範囲を確認しましょう。
ダイレクトリクルーティングサービスの基本料金に含まれるスカウト送信通数の上限と、上限を超えた場合の課金条件を確認します。また、運用の代行やサポート対応が基本料金の範囲内かオプションになるのかどうかも、見積書の内訳で判断します。
複数社の見積もりを比較するときは、契約期間・採用予定人数・スカウト送信通数といった前提条件をそろえたうえで並べることが重要です。前提がそろっていない見積もりを並べても、総額の差が条件の差によるものか、価格そのものの差によるものかは判別できません。
ダイレクトリクルーティングに限らず、採用コスト全体の内訳や削減方法を整理したい場合は、次の記事が参考になります。
ダイレクトリクルーティングの費用を抑える3つの方法
ダイレクトリクルーティングの費用を抑える基本は、採用工程の質向上や効率化を目指すことです。
ここでは、ダイレクトリクルーティングの費用を抑えるための3つの方法を紹介します。
送信数を増やさず、絞った相手への返信率を高める
ダイレクトリクルーティングの費用を抑える方法には、送信数を増やさず、絞った相手への返信率を高めることがあります。
スカウトの送信数を増やして返信を稼ごうとした場合、送信や対応の工数が増え、歩留まりがかえって落ちやすくなるリスクがあります。スカウト送信の対象を広げすぎると、自社との適合度が低い相手にも文面を送ることになり、返信に至らない作業が積み上がる原因になります。これは費用増大につながります。
費用削減のためには、送信対象を絞り込んだうえで、1通あたりの文面の質に同じ稼働時間を充てるほうが、返信率の面では効率的です。
具体的には、「候補者の経歴やスキルに触れて文面を1通ずつ調整する」「件名を定型文らしくない表現にする」「候補者がサービスに登録した直後など動きのあるタイミングで送る」といった工夫が返信率の向上に効果的です。
この効果は、料金体系によって現れ方が異なります。
定額型では、返信率が上がると同じ費用のなかで採用人数が増えるため、計算式の分母が大きくなって単価が下がる仕組みです。
従量課金型では、1名の採用に必要な送信数そのものが減るため、計算式の分子が小さくなります。
成功報酬型では単価そのものは変わりませんが、返信率が上がれば同じ採用数に必要な工数が減るため、自社の人件費の削減につながります。
返信率に関わらない工程の工数を減らす
ダイレクトリクルーティングの費用を抑える方法の一つは、返信率に関わらないプロセスにかかる工数を減らすことです。
ダイレクトリクルーティングにかかる工数を減らすことで、担当者の人件費を削減できます。また、担当者がスカウトの質を上げる業務にリソースを割けるようになります。
返信率を左右しない事務的な工程は、型化や自動化で工数を減らせます。
たとえば、検索条件を保存して見直しのルールを決めておけば、母集団の抽出を都度ゼロから行う手間を省けます。返信対応や日程調整の分担、初期選考の一部の自動化も選択肢になります。
初期選考の一部を自動化する方法の一つが、AI面接による自動化です。
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面接まわりで浮いた時間をスカウト文面の推敲や絞り込みに再配分できれば、返信率の改善を通じて採用単価の抑制にもつながるでしょう。
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複数名・中長期の採用計画で単価を下げる
ダイレクトリクルーティングの費用を抑えるには、採用計画を年間単位でまとめ、契約方法を工夫することが有効です。
定額制のダイレクトリクルーティングサービスは、欠員が出るたびに短期間だけ契約すると、使い切れなかった期間の費用が無駄になりがちです。急な欠員だけでなく、年間の増員計画や複数職種の募集を一括の長期契約にまとめ、同じ契約内で何人も採用するほうが、1人あたりの採用単価は安くなります。
また、契約を継続して運用すると、「どのようなスカウト文面や条件なら求職者から返信が来るか」というデータやノウハウが社内に蓄積されます。運用効率が上がるため、同じ掲載費用でも採用成功につなげやすくなります。
もし「今年はこの1人しか採用しない」という単発の採用であれば、定額型を選ぶと割高になります。その場合は、採用できるまで費用が発生しない「成功報酬型」を選ぶのが賢明です。
まとめ
ダイレクトリクルーティングの費用は、サービスに支払う費用と自社の運用人件費という2つの層で捉えることが重要です。前者には初期費用やデータベース利用料、成功報酬、オプション費用が含まれ、後者には候補者にアプローチするためにかかる社内の工数が含まれます。
料金体系には定額型、成功報酬型、ハイブリッド型、従量課金型があり、自社の採用人数や採用を進める時期によって向き不向きが分かれます。採用単価は年間費用を採用人数で割ることで算出できるため、自社の条件に当てはめて計算してみましょう。
ダイレクトリクルーティングにかかる費用の見積もりを取る際は、初期費用、契約期間と年間利用料、成功報酬の条件と返金規定、オプション費用という項目を確認します。複数社を比較する場合は、契約期間や採用予定人数などの前提条件をそろえたうえで検討しましょう。
よくある質問
Q. 新卒採用と中途採用でダイレクトリクルーティングの費用は違いますか?
新卒採用と中途採用では、ダイレクトリクルーティングの料金の基準が異なるのが一般的です。中途採用向けのサービスでは、成功報酬が候補者の想定年収に応じた料率で設定されることが多く、新卒採用向けのサービスでは、1名あたりの固定額で設定される傾向があります。
(なお、本記事の試算は、計算を簡略化するために成功報酬を固定額で仮置きした数値です)
Q. ダイレクトリクルーティングは初期費用をかけずに始められますか?
ダイレクトリクルーティングのサービスによっては、初期費用がかからないプランや、成功報酬型で契約できるプランもあります。ただし、初期費用の有無のみで選ばず、契約期間や成功報酬の条件、オプション費用を含めた総額で比較することが大切です。
