ダイレクトリクルーティングを新卒採用で始めたいものの、いつから・何をすればよいか分からないという採用担当者も多いのではないでしょうか。
新卒のダイレクトリクルーティングは、大学3年のサマーインターン募集期を起点に、就活すスケジュールに合わせて運用する手法です。
本記事では、ダイレクトリクルーティングと就活ナビとの違いや年間スケジュール、運用設計、学生に届く文面の作り方などを解説します。
新卒採用のダイレクトリクルーティングとは
新卒採用の分野でも、企業から学生に直接アプローチする「ダイレクトリクルーティング」の手法の活用が広がっています。
まずは、新卒採用におけるダイレクトリクルーティングの仕組みや就活ナビサイトとの違いについて解説します。
ダイレクトリクルーティングは逆求人型
新卒採用のダイレクトリクルーティングとは、スカウト型の就活サービスに登録した学生に、企業側から直接アプローチする採用手法のことです。
学生が自ら企業へエントリーする一般的な流れとは逆になるため、ダイレクトリクルーティングは「逆求人型」や「オファー型」とも呼ばれます。
学生は就活サービス上にプロフィールや自己PR、希望条件などを登録し、企業側はその情報をもとに条件に合う学生を検索してスカウトを送ります。学生がスカウトに応じれば、そこから個別の説明会や面談へとつながる仕組みです。
ダイレクトリクルーティングの手法全体の仕組みや他の採用手法との違いは、以下の記事で解説しています。
就活ナビサイトとの違い
就活ナビサイトが学生からのエントリーを待つ「待ち」の手法であるのに対し、ダイレクトリクルーティングは企業側から動く「攻め」の手法です。
就活ナビサイトでは、企業が求人情報を公開し、興味を持った学生からのエントリーを集めたうえで、書類選考などを通じて母集団を絞り込む流れです。
一方でダイレクトリクルーティングは、企業があらかじめ求める人物像を条件として設定し、その条件に合う学生に個別に声をかけます。最初から対象を絞り込んだうえで、一人ひとりと接点を持っていく進め方になる点が主な違いです。
ダイレクトリクルーティングは、母集団の質を重視したい企業や、ナビサイトだけでは接点を持ちにくい層にアプローチしたい企業にとって、有用な選択肢の一つになります。
ダイレクトリクルーティングが新卒採用で注目される背景
新卒採用でダイレクトリクルーティングが注目される背景には、学生のキャリア意識の早期化と、スカウト型サービスを通じた企業との接点形成が学生の間で一般化してきたことが挙げられます。
多くの学生が早い段階から将来のキャリアを考え始めている現状において、企業側も単一の採用スケジュールに頼るだけでなく、学生との早期からの丁寧な対話やキャリア形成支援を通じた信頼関係づくりが求められています。

引用:キャリアチケット就職「28卒の就職活動に関する実態調査【前編】」
レバレジーズが運営する新卒就活支援サービス「キャリアチケット」が2028年卒業予定の大学生を対象に行った調査では、92.8%がサマーインターンへの参加意向を持っており、そのうち45.7%はすでに参加したい企業を決めていました。
さらに、44.3%の学生がすでにイベントやインターンシップを通じて企業と接触しており、早期接触のペースがより進行していることが分かります。
また、スカウト型のサービスは、低学年層も含めて広く利用されるツールとなっています。
株式会社Attackonが2024年8月に行った全国の大学生1,000名を対象にした調査によると、全体の60.4%がすでに新卒スカウトサービスの利用経験があると回答しており、ダイレクトリクルーティングは就職活動における主要なアプローチ方法として確立されつつあります。
参考:キャリアチケット就職「28卒の就職活動に関する実態調査【前編】」
参考:株式会社Attackon「【新卒スカウトサービスに関する調査】どんなスカウトなら嬉しいですか?・・・「〇〇〇〇」68.8%|全国の大学生1,000名を対象にアンケート調査を実施」
新卒ダイレクトリクルーティングのメリット・デメリット
ダイレクトリクルーティングには、学生への接触タイミングやミスマッチの防止といった面でのメリットがあります。一方で運用の負荷や向き不向きもあるため、メリット・デメリットの両面を押さえたうえで導入を検討することが大切です。
ここでは、新卒採用におけるダイレクトリクルーティングのメリットとデメリットを紹介します。
新卒採用でダイレクトリクルーティングを活用するメリット
新卒採用でダイレクトリクルーティングを活用する主なメリットは、志望度が固まる前の学生に接触できることです。
就活ナビサイトが公開されると、多くの企業が一斉に学生の獲得に動き出し、競争が激しくなります。ダイレクトリクルーティングであれば、ナビ公開前の段階から学生に接触できるため、他社との比較が本格化する前に関係を築きやすいのが特徴です。
また、新卒のナビサイトでは知名度のある企業にエントリーが集中しやすいのに対し、スカウトは学生一人ひとりに「なぜあなたに声をかけたか」を伝えるところから始まります。知名度で母集団を作りにくい企業でも、個別の接点から関係を築ける点は、新卒採用でこそ効果を実感できるメリットです。
ダイレクトリクルーティングは、学生のプロフィールを確認してから声をかける仕組みであるため、ミスマッチを減らしやすい点もメリットとして挙げられます。志向やこれまでの活動をある程度把握したうえで接点を持てるため、入社後の「思っていた人物像と違った」という食い違いを防ぎやすくなります。ダイレクトリクルーティングの手法全般のメリットは、以下の記事で詳しく扱うので参考にしてください。
新卒採用でダイレクトリクルーティングを活用するデメリット
新卒採用へのダイレクトリクルーティングの導入にあたっては、候補者選定や文面作成に一定の工数がかかる点をあらかじめ把握しておく必要があります。
レバレジーズが2023年3月に行った調査では、ダイレクトリクルーティングの利用企業の採用担当者123名を対象にダイレクトリクルーティングにおける課題について尋ねました。挙げられた課題の上位は次のとおりでした。
| 課題 | 回答率 |
| 採用候補となる求職者を探すのに時間がかかる | 61.7% |
| スカウトの返信率が悪い | 55.0% |
| 採用候補となる求職者を十分な人数確保できない | 43.3% |
| スカウト文面を作成するのに時間がかかる | 30.0% |
調査対象は新卒採用・中途採用どちらの担当者も含まれていますが、これらの課題は、新卒にも共通したダイレクトリクルーティングの課題だといえます。
候補者選定の時間については運用設計の章で、返信率の課題については文面のつくり方の章で、それぞれ対処法を扱いますので参考にしてください。
また、ダイレクトリクルーティングは学生一人ひとりへの個別対応が前提となる手法のため、大人数を一括で集める採用には向いていないことにも留意しましょう。ダイレクトリクルーティングにかかる費用については、下記の記事で詳しく解説します。
参考:レバレジーズ株式会社「ダイレクトリクルーティングの課題は『時間対効果が低いこと』」
新卒ダイレクトリクルーティングの年間スケジュール
政府の要請により、新卒採用の日程は原則として以下のように定められています。
- 広報活動開始(会社説明会の案内、登録受付など):大学3年次の3月1日以降
- 採用選考活動開始(面接・筆記試験など):大学4年次の6月1日以降
- 正式な内定日:大学4年次の10月1日以降
これらのルールを厳守しつつ、ダイレクトリクルーティング(スカウト型サービス)を効果的に機能させるための推奨スケジュールは以下の表のとおりです。
| 時期(目安) | ナビサイト等の動き | スカウトの動き |
| 大学3年 4〜5月 | プレサイトでの情報公開開始 | スカウト準備 & タイプ1等の案内サービスの選定、ターゲット・文面の作成「オープン・カンパニー(タイプ1)」等のキャリアイベント案内 |
| 大学3年 6〜9月 | サマーインターンエントリー受付本格化 | インターン(タイプ3)参加誘導スカウト夏季休暇中に実施する「5日以上のインターンシップ(タイプ3)」への参加案内 |
| 大学3年 10〜2月 | 秋冬インターン・各種イベント案内 | 接点維持・キャリア面談秋冬インターン案内夏インターン参加者等とのキャリア面談(非選考の場)秋冬のタイプ3インターン、キャリアイベントの案内 |
| 大学3年 3月〜(3/1 広報解禁) | 広報活動解禁(本エントリー受付開始) | インターン評価者への選考案内・本選考接続タイプ3インターンで得た学生情報を活用した「選考プロセス(一部免除等)」の案内開始会社説明会への誘導スカウト送信 |
| 大学4年 6月〜(6/1 選考解禁) | 選考活動解禁(面接・内々定出し) | 通常選考の案内・面接実施・内々定提示本選考(面接)の案内および実施内々定の提示、承諾への動機形成フォロー |
| 大学4年 10月〜(10/1 内定解禁) | 正式な内定解禁 | 内定式・内定者フォロー正式な内定通知書の授与入社に向けた研修やフォロー面談 |
インターンシップと選考接続に関する重要ルール
インターンシップで接触した学生を本選考に接続(スカウトによる選考プロセスの一部免除など)させる場合、プログラムの類(タイプ)と情報活用時期の制限を厳密に管理することが必要です。
キャリア形成支援活動の4類型と選考活用の可否
文部科学省・厚生労働省・経済産業省の三省合意により、学生のキャリア支援活動は以下の4つに類型化されています。
| 類型 | 特徴 | 選考利用の制限 |
| タイプ1:オープン・カンパニー(イベント・1day仕事体験等) | 就業体験なし、1日〜実施、業界・企業情報等の提供 | 【完全禁止】 取得した学生情報は、広報・選考ともに一切使用できない |
| タイプ2:キャリア教育(大学主導の授業、企業協賛プログラム等) | 主に就業体験なし、教育を目的とするプログラム | 【完全禁止】 取得した学生情報は、広報・選考ともに一切使用できない |
| タイプ3:汎用的能力・専門活用型インターンシップ | 就業体験必須(期間の半分以上)、実施期間5日以上、長期休暇中に実施、社員による実務指導・フィードバックあり | 【条件付きで利用可能】 一定の基準を満たすことで、定められた時期に学生情報を活用することが認められる |
| タイプ4:高度専門型インターンシップ | 大学院生(博士・修士)対象、実務を伴う2週間以上の実践型 | 【利用可能】 タイプ3に準ずる |
タイプ3で取得した情報の活用時期の制限
タイプ3のインターンで高評価した学生を本選考に優遇・接続する場合、以下の時期のルールを厳守してください。
| 時期 | できること |
| 3年次の3月1日(広報解禁)以降 | インターン参加者等に対し、「会社説明会の案内」や「本選考へのエントリー打診」などのスカウトを個別送信する |
| 4年次の6月1日(選考解禁)以降 | インターンでの評価に基づき、「選考プロセスの一部免除(書類選考や1次面接の免除など)」を適用した本選考(拘束を伴う面接や筆記試験など)を開始・実施する |
3年次の10月〜2月の秋冬に、インターン参加者を対象とした「早期選考(面接・試験など)」を実施したり、その案内を出すことは日程ルール違反となります。
日程の弾力化(前倒し選考)が認められる例外条件
2027年卒以降、特定の要件を満たす場合に限り、6月の採用選考活動解禁日より前に本選考を行うことが一部認められています。 ただし、この例外が適用されるのは以下の条件をすべて満たした場合のみです。
- 産学協議会が定めるタイプ3のうち、実施期間が「2週間以上」であり、職場の専門的な実務を経験させる「専門活用型インターンシップ」に参加し、企業から専門的な能力の評価を得た学生である
- 選考活動を開始できる時期は、「卒業・修了年度に入る直前の春休み(大学3年次の3月)以降」とする
したがって、一般的な5日間のインターンでは日程弾力化は適用されず、また、専門活用型(2週間以上)であっても、3年次の3月より前に選考(面接)を開始することは一切認められていません。3年次秋冬の「早期選考」はこれによっても正当化されないため、注意しましょう。
年度の途中から始める場合の動き方
年度の途中からダイレクトリクルーティング(スカウト型採用)の検討を始めた場合も、着手した時期に応じた適切な入口から開始すれば、十分に遅れを取り戻すことは可能です。
開始時期ごとの具体的な動き方は、前述のスケジュールに沿って以下のように整理できます。開始時期に合わせてアプローチするターゲットや目的を絞り込み、無理にすべてのフェーズを追いかけないことが成功のポイントです。
| 開始時期 | 動き方 |
| 秋(10〜2月)に検討を始めた場合 | 秋冬インターンシップ(タイプ3)の募集や、キャリア支援イベントの案内からスタートします。この時期は「選考」を行うのではなく、1対1のカジュアルな「キャリア面談」を通じた接点維持や、自社への興味喚起(動機形成)に特化して動く |
| 年明け〜3月に検討を始めた場合 | 3月1日の「広報活動解禁」に合わせた、自社説明会への誘導や本エントリー受付の案内に照準を合わせる。3月1日からは、これまでのインターン(タイプ3)で得た評価情報を「広報活動」に活用できるようになるため、選考優遇対象者への個別スカウト文面の設計や配信リストの整理を行う |
| 6月以降に検討を始めた場合 | 4年生向けの追加募集(秋採用・二次募集)をピンポイントで行うと同時に、並行して次年度(新3年生)向けのサマーインターンシップやオープン・カンパニー(タイプ1)の設計・準備へと移行する |
ダイレクトリクルーティングへの着手時期が遅れたとしても、「要件定義 ➔ サービス選定 ➔ スカウト送信 ➔ 面談(キャリア支援) ➔ 改善」の5つの導入プロセスを一つずつ丁寧に踏むことが重要です。
特に、最初のステップで自社の求める人物像を明確にし、学生に寄り添った非選考の「キャリア面談」で丁寧に関係性を築くことは、翌年度以降の採用運用をスムーズにする強力な基盤となります。
参考:内閣官房「2027年(令和9)年度卒業・修了予定者等の就職・採用活動に関する要請」
新卒スカウトの運用設計
メリット・デメリットの章で触れたとおり、候補者選定に時間がかかるという回答は61.7%にのぼりました(新卒・中途を含む調査)。このうち選定の負担は、ダイレクトリクルーティングにおいては条件設定とサービス選びの2点で抑えられます。あわせて、運用を止めないためのKPIと体制も送信前に決めておきましょう。
新卒スカウトの運用設計について、以下で解説します。
ターゲット学生の条件を決める
ダイレクトリクルーティングにおいてスカウトを送る前に、求める学生像を、データベースで検索できる条件に落とし込んでおく必要があります。
「コミュニケーション力が高い学生」のような抽象的な人物像のままでは適切な検索条件にならず、候補者を一人ずつ確認する作業が発生します。これが、候補者選定に時間がかかる要因の一つです。
学部系統、志向(成長環境重視・安定志向など)、課外活動の実績、希望職種といった、サービス上で絞り込める項目に分解しておきましょう。条件を具体化しておくほど、検索結果から短時間で候補を抽出できるようになります。
(※ただし、これらはあくまでマッチングのきっかけとして活用し、選考における思想・信条の不適切な評価とならないよう留意が必要です)
サービスのタイプを選ぶ
新卒向けのダイレクトリクルーティングサービスには複数のタイプがあり、求める人物像に合わせて選ぶことが重要です。
求める人物像と登録学生層が合わないサービスで探し続けることも、候補者選定に時間がかかる原因の一つです。条件で絞り込んだ人物像と学生層が合っていなければ、送信数を増やしても返信にはつながりません。
幅広い学生層を対象にした総合型、理系学生に特化した理系特化型、難関大学の学生を中心にした上位校特化型、ベンチャー・スタートアップ志向の学生が集まるタイプなど、登録している学生層はサービスごとに異なります。
また、一つのサービスに絞らず、求める人物像に応じて複数タイプを併用する企業もあります。
新卒採用の母集団形成全体を見直したい場合は、以下の関連記事もあわせてご覧ください。
送信量とKPIの目安を決める
スカウトの送信数から返信、面談、選考への歩留まりを記録し、ダイレクトリクルーティングを定期的に見直す仕組みを作っておきましょう。
見直しの周期は自社の送信量に合わせて決め、返信が想定を下回る状態が続いたら文面と対象条件を疑う、というルールにしておくのがおすすめです。他社の相場ではなく自社の送信実績を基準にするほうが、実態に合った改善につながります。
学生対応の体制をつくる
ダイレクトリクルーティングを実施するにあたって、学生からの返信には意欲が高いうちに応じる体制を整えることが、面談設定につながります。
返信を受けてから日程調整の連絡までに時間が空くと、その間に学生の関心が他社に向かい、面談化率が下がります。担当者が1人しかいない小規模な体制の場合は、送信通数を絞り込み、一通ごとの個別化を優先したほうが対応の質を保ちやすくなります。
知名度が高くない企業でも、学生一人ひとりに向けた文面と早い返信対応を徹底すれば、返信を得られる余地はあります。
採用業務全体の効率化を検討したい場合は、関連記事もあわせてご覧ください。
学生に届く新卒スカウト文面のつくり方
メリット・デメリットの章で触れたとおり、スカウトの返信率を「悪い」と回答した企業は、先ほどの調査で55.0%にのぼりました。
新卒向けのダイレクトリクルーティングにおいて返信が伸びない要因は、文面・対象条件・時期のいずれかに分かれます。このうち文面は、自社で最も早く手を入れられる要因です。
この章では、新卒向けダイレクトリクルーティングのスカウト文面で変える要素と、返信が来ないときの切り分け方を解説します。
学生向けに変える3つの要素
学生は職務経歴を持たないため、中途向けのスカウト文面をそのまま流用せず、学生の生活実感に合わせて要素を組み替える必要があります。
新卒向けのダイレクトリクルーティングのスカウト文面の作成時には、次の3つを意識します。
1点目は、プロフィール項目への言及を、学生の登録項目に合わせることです。
職務経歴やスキルではなく、学部・ゼミ・研究テーマ・ガクチカが言及の対象になります。「〇〇学部で学ばれている△△の研究に興味を持ちました」のように、実際の登録内容を踏まえた一文を入れると、受け取る学生に合わせた文章になります。
2点目は、仕事内容を学生の生活感覚に翻訳することです。
職種名や部署名だけを伝えても、就業経験のない学生にはイメージが湧きにくい場合があります。「入社1年目はどのような業務を担当するか」「1日の流れ」など、具体的な働き方のイメージにつながる言葉に置き換えると、伝わりやすくなります。
3点目は、社員や内定者の声を入れることです。
学生は社風や一緒に働く人を重視する傾向があるため、社員や内定承諾した先輩学生のコメントを添えると親近感につながります。
返信が来ないときの見直し方
新卒向けのダイレクトリクルーティングでスカウトを送っても返信が来ない場合は、文面・対象条件・時期の3つを順に切り分けて見直します。
最初に見直すのはスカウト文面です。前述の3つの要素、プロフィールへの言及、生活感覚への翻訳、社員の声が入っているかを確認します。
次に、対象条件の見直しを検討します。検索条件が広すぎて志向の合わない学生に送っていないか、逆に狭すぎて母数が不足していないかを見直します。
最後に、時期を見直します。学生の反応は学事暦の影響を受けやすく、試験期間や長期休み、インターンシップの繁忙期は反応が落ちやすくなります。同じ文面でも、送るタイミングによって返信率が変わることがあるため、時期のずれも見直しの候補に入れておきます。
新卒のダイレクトリクルーティングのスカウトの運用設計の章で触れたとおり、文面を整えて返信が増えるほど、その先の面談設定や選考の対応に工数が集中します。対応が遅れれば、せっかく高まった学生の意欲は下がっていきます。
このとき、すべての工程を人が抱え込む必要はありません。スカウトの文面や面談のように、3年次の早い時期から個別の関係を築く接点は人が担う価値が高い一方、3月以降の広報活動解禁や6月以降の選考活動解禁後に発生する「一次面接の日程調整と実施」は、待たせない速さがそのまま学生の体験につながる工程です。
この選考解禁後の工程を自動化する選択肢として、AI面接があります。
「NALYSYS AI面接」では、AIアバターが一次面接を代行します。夜間や土日を含め24時間、スマートフォンから受験できるため、授業やアルバイトで日中に時間を取りにくい学生も、意欲が高いうちに選考へ進めます。面接の様子は録画・文字起こしされ、評価レポートが自動で作成されるため、あとから採用担当者が確認して判断できます。
AI面接を導入した企業が選考プロセスをどう変えたか、導入でどのような効果を得たかについては、「新卒・中途採用におけるAI面接導入に関する実態調査」にまとめています。以下の資料は無料でダウンロード可能ですので、ぜひご活用ください。
▶ 新卒・中途採用におけるAI面接導入に関する実態調査をダウンロード
まとめ
ダイレクトリクルーティングは、企業が学生のプロフィールを検索して個別スカウトを送る「逆求人型」の採用手法です。調査では大学3年生の約6割がスカウトサービスの利用経験を持つなど、新卒採用における早期接触の手法として定着しつつあります。
自社から狙ったターゲット層へ直接アプローチできる一方で、運用には工数がかかり、スカウトの返信率が伸び悩むといった課題もあります。成功に向けては、大学3年の4〜5月に準備を済ませ、6月前後からのインターンシップ(タイプ3)の案内で接点をつくり、秋から冬にかけて「キャリア面談」などで関係を維持したうえで、3月の広報解禁・6月の選考解禁へ段階的に接続するという、ルールに準拠した年間の流れを押さえることが第一歩です。
運用面では、検索条件の言語化からサービスの選定、KPIの設計、そして返信があった際に迅速に対応できる社内体制までを事前に整えておくことが土台になります。加えて、学生の登録内容や生活感覚に合わせた丁寧なスカウト文面を作り、状況に応じて見直しを重ねることも欠かせません。
まずは自社の採用ターゲットを、スカウトサービスで検索可能な条件に落とし込むところから始めてみましょう。
よくある質問
Q. 新卒のダイレクトリクルーティングはいつから始めますか?
A. 大学3年生の春から夏にかけて、サマーインターンシップ(タイプ3)の案内を起点に始めるのが基本です。サービスの選定や配信文面の準備を含めると、募集が本格化する前の4〜5月には動き始める必要があります。
また、年度の途中(秋以降など)から着手する場合であっても、秋冬インターンを通じた学生との早期の接点構築や、3月1日の「広報活動解禁」に合わせた本エントリー・説明会への一斉アプローチからスムーズに参入することができます。
Q. 就活ナビサイトと併用したほうがよいですか?
A. 併用するのが一般的です。
ナビサイトは自社を知らない幅広い層からのエントリーを受け付ける「広い入り口」として機能させ、ダイレクトリクルーティングは「特定の専門スキルを持つ学生」や「早期から自律的にキャリアを考えている学生」など、ナビサイトの母集団の中からは見つけにくい層へピンポイントでアプローチする、といった具合に明確な役割分担をすることで、投資の重複を防ぐことが可能です。
Q. 複数サービスの併用で学生への重複は起きませんか?
A. 学生が複数のサービスに登録している場合、スカウトを受け取る段階で重複する可能性はあります。スカウトを学生が承認する前はプロフィールが「匿名」で表示される仕様が多いため、事前に対象者を完全に一元化して重複送信を100%防ぐことは実務上困難です。
重要なのは、学生がスカウトを承認し、実名が開示された後の管理です。承認後の日程調整やコミュニケーション、選考プロセスにおいては、誰がいつ・どのサービス経由で対応しているかを1つの管理リスト(ATSやスプレッドシート等)に集約し、社内で二重に対応してしまうといった管理不足の印象を学生に与えないよう体制を整えましょう。
