応募前の候補者と相互理解を深める「カジュアル面談」。選考前の接点づくりや採用ミスマッチ防止に有効ですが、担当者ごとの内容のばらつきや実質的な面接化に悩む企業も少なくありません。
本記事では、人事・採用担当者向けに、カジュアル面談と面接の違いや目的のほか、必要な事前準備や進め方、聞くべき質問・NG質問を解説します。カジュアル面談を標準化し、採用成果につなげるために参考にしてください。

この記事の監修者
大滝 圭修
レバレジーズ株式会社
HRテック事業部 事業部長 / NALYSYSサービス責任者
千葉大学大学院 融合科学研究科卒。2019年にレバレジーズへ新卒入社し、法人営業を経てエンジニアへ転向。新規事業で開発リーダーとしてサービス立ち上げに携わる。2023年10月より組織を改善するAIプラットフォーム『NALYSYS(ナリシス)』の事業責任者として、プロダクト戦略から組織運営まで統括している。
カジュアル面談とは何をする場か
カジュアル面談とは、選考の合否を判断せず、企業と候補者が互いの理解を深めるために設ける面談の場のことです。
ここでは「面接とは何が違うのか」「いつ実施するのが適切か」の以下の2点を解説します。
面接との違いは合否を出さないこと
カジュアル面談と面接の大きな違いは、合否の判断があるかどうかです。
| 項目 | カジュアル面談 | 面接 |
| 目的 | 候補者との相互理解(選考前の接点づくりと入社後のミスマッチ防止) | 採用基準に照らした評価 |
| 合否 | 出さない | 出す |
| 実施タイミング | 応募前が中心 | 応募後・選考中 |
面接は採用基準に沿って候補者を評価し、合否を出す場です。
一方カジュアル面談は、候補者との相互理解を目的とし、選考前の接点づくりと入社後のミスマッチ防止を狙いとします。
実施するタイミングは応募前が中心
カジュアル面談は、応募前の段階で実施するのが中心です。
カジュアル面談を実施する主なタイミングは次の3つです。
- スカウトを送り、返信があった直後
- 候補者が応募を検討し、情報収集をしている段階
- リファラルで候補者を紹介された直後
いずれのタイミングも、候補者が応募や選考への意思を固め切る前の段階に当たります。カジュアル面談の実施タイミングを応募前に寄せる理由は、候補者がまだ選考に進むかどうかを決めていない時期に接点を持つことで、判断材料を提供できるからです。
新卒採用においても、応募前・選考前の動機づけを目的にカジュアル面談を設けるケースがあります。
スカウト経由の候補者との接点づくりについては、次の記事も参考になります。
カジュアル面談を実施する目的
企業がカジュアル面談を実施する主な目的は、選考に進む前の候補者と接点をつくることと入社後のミスマッチを防ぐことの2つです。
選考に進む前の候補者と接点をつくるため
カジュアル面談は、転職意向が固まっていない候補者との接点をつくり、応募までの心理的な負担を下げる場になります。
スカウトへの返信やリファラルでの紹介では、まだ転職を決めていない候補者とやり取りが始まることも少なくありません。こうした候補者にいきなり応募や選考を求めると、ハードルを感じさせるおそれがあります。いきなり応募という決断を求めるのではなく、まず話を聞いてみるという形から始められるのが、カジュアル面談です。
カジュアル面談は面接の形式を取らないため、候補者は身構えずに話しやすく、企業側も候補者の状況や関心を引き出しやすくなります。
特にスカウトやリファラルを積極的に使う採用では、応募という一歩を求める前に話す機会を持てるかどうかが、その後の関係を左右する要素です。
入社後のミスマッチを防ぐため
カジュアル面談は、入社後のミスマッチを防ぐ場としても機能します。
レバレジーズの資料『なぜ採用のミスマッチがおきるのか』の中で、株式会社人材研究所の曽和利光氏は、採用のミスマッチは採用基準の設計・募集内容の検討・面接・内定者への動機づけの各段階で起こり得ると述べています。この枠組みは採用プロセス全体を対象にしたもので、カジュアル面談に限った解説ではありませんが、カジュアル面談を当てはめると、募集内容を候補者に正しく伝える段階に位置づけられるでしょう。
選考に進む前にこの段階を丁寧に扱っておくと、候補者が入社後に感じる期待のずれを防ぎやすくなります。合否を伝える場ではないため、候補者も懸念点を尋ねやすいのが特徴です。企業側にとっては、募集内容がどう伝わっているかを確認する機会にもなるでしょう。
参考:レバレジーズ株式会社「なぜ採用のミスマッチが起きるのか」
入社前の情報開示で早期離職を防ぐ考え方については、曽和氏による次の記事も参考になります。
一方で、カジュアル面談を増やすと、件数に応じて日程調整や対応の工数も増えます。また、カジュアル面談の実施自体が、候補者に「評価されているのではないか」と身構えさせたり、「選考通過や優遇が約束されている」といった過度な期待を抱かせたりしやすい点にも注意が必要です。目的があいまいなまま進めると単なる会社説明で終わりがちなため、何のためにカジュアル面談を実施するかは事前に整理しておきましょう。
カジュアル面談の事前準備
担当者や同席者が変わっても同じ進め方になるように、カジュアル面談の準備をあらかじめ型にしておく必要があります。 型が決められていないと、評価につながってしまうような質問をしたり案内文が面談ごとに変わったりしてしまうおそれがあります。
ここでは、同席者への共有、候補者への案内、アジェンダの設計、伝える情報の準備という4点を解説します。
同席者に評価の場ではないと共有する
カジュアル面談に現場社員や役員が同席する場合は、事前に「合否を判断しない」「志望動機や経歴の深掘りをしない」ことを共有しておく必要があります。
事前の共有がないと、同席者は良かれと思って経歴の深掘りや志望動機の確認といった、選考でよく使われる質問を投げかけがちです。候補者は、選考ではないと案内された場で評価されているように感じ、企業への印象を損ねかねません。
カジュアル面談の同席を依頼する時には、聞いてよい範囲と避けたい範囲を具体的に示しておくと、当日の質問がぶれにくくなるでしょう。
人選も大切です。候補者と職種や年次が近い社員が出席すれば、実務に関する候補者からの質問に答えやすく、現場のリアルな状況を伝えやすくなります。一方、上層部の社員のみが出席している状況では候補者が身構えてしまい、聞きたいことを聞けないまま終わるおそれがあります。
候補者に選考ではないことを先に伝える
カジュアル面談の面接化を防ぐための共有は、当日ではなく案内文の段階から始めます。
不適切な案内文の場合、候補者が面談を「実質的な面接で、評価されるのではないか」と身構える可能性があります。
カジュアル面談の適切な案内文には、次の項目を盛り込みます。
- 選考ではない旨
- 所要時間の目安
- 同席者の役職と役割
- 服装や準備物(不要である場合は、その旨を記載)
- 会社や仕事に関する紹介資料
会社概要や事業内容、募集ポジションの資料はカジュアル面談前に送っておきます。当日に一から説明すると、会社紹介に時間を取られ、候補者の話を聞く時間が削られるためです。
オンライン実施なら特に、画面共有に頼らず事前に目を通せる形で渡しておくと、当日は質疑に時間を割けます。
聞くことと伝えることをアジェンダにする
カジュアル面談で聞く項目と伝える項目は、あらかじめアジェンダとして型にしておきます。
担当者の裁量に任せると進行が人によってばらつきがちです。アジェンダがあれば、担当者や同席者が変わっても同じ流れで進めやすくなります。
カジュアル面談において聞く項目は、候補者の状況や志向を把握する質問と、不安や懸念を引き出す質問の2種類です(質問例は後述します)。
カジュアル面談で伝える項目には、自社の事業内容や働き方に関する情報と、候補者が気になっている点への回答を置きます。
そのまま使えるひな形として、項目と目安時間を並べると次のようになります。
- 自己紹介と趣旨説明/5分程度
- 候補者の状況と関心の確認/10分程度
- 事業および仕事内容の説明と質疑/15〜20分程度
- 働き方や条件面の質疑/5〜10分程度
- 次のステップの案内/5分程度
所要時間の目安は、自社の規模や同席者の構成に合わせて調整しましょう。
伝える情報は良い面と大変な面をそろえる
カジュアル面談で伝える情報は、良い面と大変な面の両方をそろえて伝えます。
カジュアル面談で伝える情報が良い面に偏ると、候補者が抱く期待と入社後の実態にずれが生じ、早期離職につながりやすくなるためです。
資料『採用時の人材を見極める方法と早期離職を防ぐための対策とは』の中で、株式会社人材研究所の曽和利光氏は、入社前に仕事の厳しさや大変な面も含めて開示しておくと、入社後に感じるギャップが小さくなるという考え方(RJP、現実的な仕事情報の事前開示)を示しています。
また、同資料では、ネガティブな情報は良い情報よりも記憶に残りやすい性質があるため、候補者の離脱を防ぐには「情報の量と質」のバランス管理が重要であると示されています。大変な面を伝える際は、単に厳しさを示すだけでなく「悪い点はあるが、それを上回る魅力ややりがい(良い情報)がある」と実感できるよう、良い情報の割合を意図的に多くして提示することがポイントです。
カジュアル面談は自社の魅力を伝える場面が多くなりがちですが、業務の負荷や求められる水準も適切に交えて伝えておくと、選考後や入社後のリアリティショック(認識のずれ)を防ぎやすくなります。
参考:レバレジーズ株式会社「採用時の人材を見極める方法と早期離職を防ぐための対策とは」
入社後の早期離職を防ぐには、選考・面談時における情報開示の質とバランスが大切です。資料『採用時の人材を見極める方法と早期離職を防ぐための対策とは』では、入社前のリアリティショックを防ぐRJPの具体手法や、候補者の過度な期待値を調整するノウハウを詳しく解説しています。
カジュアル面談や面接のアジェンダ設計・情報開示を最適化したい採用担当者の方は、ぜひ下記より資料をダウンロードしてご活用ください。資料は無料でダウンロード可能です。
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カジュアル面談の進め方5ステップ
カジュアル面談は、自己紹介から次のステップの案内まで5つの段階で進めると、担当者が変わっても同じ流れで実施できます。全体の所要時間は30〜60分程度が目安です。
ステップごとに次のような時間配分を置くと、カジュアル面談の当日の進行を組み立てやすくなります。
- 自己紹介から始める(目安5分程度)
- 選考ではないことを最初に伝える(目安2〜3分程度)
- 候補者の状況と関心を聞く(目安10〜15分程度)
- 候補者の関心・質問に合わせて自社の情報を伝える(目安10〜25分程度)
- その場で次のステップを案内する(目安3〜5分程度)
以下で、それぞれのステップについて詳しく解説します。
自己紹介から始める
カジュアル面談の最初のステップは自己紹介です。複数名で担当する場合は、人事担当者が進行役、現場社員が業務内容の説明役といった役割分担をあらかじめ伝えておきます。役職名に加えて担当業務も一言添えると、候補者はどんな話ができる相手かをつかみやすくなるでしょう。
続けて候補者にも簡単な自己紹介を求めますが、現在の仕事内容や参加のきっかけなど、話しやすい範囲で問題ありません。以降の対話のしやすさを左右するのは、この最初のやり取りの雰囲気です。
選考ではないことを最初に伝える
続いて、カジュアル面談は選考の場ではないことを伝えましょう。たとえば「本日はお時間をいただきありがとうございます。この面談は選考の場ではなく、お互いを知るための時間です。合否の判断はいたしませんので、気になることは何でも聞いてください」といった一言です。
あくまでも面談であると伝えることで候補者が身構えずに話せる環境をつくることができ、この後の対話を有意義にすることができるでしょう。
候補者の状況と関心を聞く
続いて、候補者が転職や就職活動をどの段階で考えているかと、自社のどのような点に関心を持っているかを聞きます。
候補者が転職を決めているのか情報収集の段階なのかで、カジュアル面談において伝える内容の優先順位が変わるためです。
新卒採用であれば、業界を広く見ている段階か志望業界が固まっているかと、興味のある事業や職種が確認の軸です。事業内容・仕事内容・働き方のうちどこへの関心が強いかも確認しておくと、次のステップで話す内容を組み立てやすくなります。
中途採用の場合は「転職を決めているか、情報収集の段階か」「事業内容と働き方のどちらが気になるか」のように尋ねると、候補者が答えやすくなります。経歴やスキルに関する質問をすると深掘りの面接に近づいてしまうため、注意が必要です。
候補者の関心・質問に合わせて自社の情報を伝える
カジュアル面談に向けて事前に整理しておいた伝える項目を、候補者の関心が高い順に話し、出てきた質問にはその場で答えます。一方的な説明にならないよう、項目を一区切り話すごとに質問がないかを確認しながら進めます。
また、候補者が話す時間も意識して配分し、双方向のやり取りとして進行するのが基本です。即答できない質問は、後日改めて回答すれば問題ありません。
その場で次のステップを案内する
最後に、カジュアル面談のあとに選考に進む場合の連絡方法と期限、企業側からいつまでに連絡するかなどを伝えます。
次ステップへ進む場合の選考の案内方法や連絡時期の説明を面談後に後回しにすると、候補者が次のアクションを見通せず、面談で高まった関心や意欲が薄れてしまう懸念があります。
カジュアル面談の場で見通しを伝えておけば、候補者は次に何が起きるかを把握した状態で面談を終えられます。また、「本日お伺いした関心事やご質問は、今後選考に進まれた際によりスムーズな対話ができるよう選考担当者へ申し送りいたしますが、選考の合否判断自体には一切使用いたしません」と一言添えておくと、候補者も安心できます。
選考の案内をしない場合も、他の募集ポジションの情報や今後の説明会の案内など、何らかの接点を伝えたうえで面談を終えます。関心を持って参加した候補者との関係が、その場で途切れた印象にならないように努めましょう。
求職者の企業に対する関心を維持・向上させたいとお考えの場合は、下記の記事もあわせて参考にしてください。
カジュアル面談で聞く質問と避ける質問
カジュアル面談では、聞く内容と避ける内容をあらかじめ整理しておくと、担当者による質問のばらつきを防げます。
ここでは、候補者の状況や志向を聞く質問例、不安や懸念を引き出す質問例、面談でも避けるべき質問例を紹介します。
候補者の状況と志向を聞く質問例
候補者の状況と志向を聞く質問は、伝える情報の優先順位を判断する材料になります。 転職を考え始めた背景や仕事選びの軸を聞いておくと、カジュアル面談の後半でどの情報を厚く伝えるかを組み立てやすくなるでしょう。
準備段階で決めたアジェンダに沿って使う質問例と、それぞれの聞く意図は次のとおりです。
| 質問例 | 聞く意図 |
| 転職を考えたきっかけ | 転職を検討し始めた背景を把握し、伝える情報の優先順位を判断する |
| 今の仕事で大切にしていること | 仕事選びの軸を把握し、自社のどの部分の情報量を増やして伝えるかを判断する |
| キャリアで譲れない軸 | 候補者の目指すキャリア像や仕事観を把握し、自社で実現可能な環境があるか(キャリア・風土のミスマッチ)を確認する |
| 興味を持った事業や職種 | 候補者の関心がどこに向いているかを把握し、説明する順番を組み立てる |
不安や懸念を引き出す質問例
不安や懸念を引き出す質問は、カジュアル面談中に解消するために聞きます。 聞き残しを防ぐには、一通り質問し終えたあとにもう一度確認する場を設けるのが有効です。
不安や懸念を引き出す質問例と意図は以下のとおりです。
| 質問例 | 聞く意図 |
| 自社に対して気になっている点 | 候補者が抱く懸念や疑問を把握し、その場で解消する |
| 働き方で確認したいこと | 勤務条件や働き方への不安を把握し、入社後のギャップを防ぐ |
| 候補者の質問が終わったあとの「他に確認したいことはあるか」 | 聞き残しを防ぎ、対話の場だからこそ本音ベースで向き合っていることを印象づける |
避けるべき質問例
カジュアル面談で避けるべき質問には、大きく分けて「厚生労働省が定める不適切な質問(配慮すべき事項)」と「面談の面接化を招く選考質問」の2点があります。
1点目は、出身地や家族構成、住居といった「本人に責任のない事項」や、思想・信条、結婚・出産の予定など「本来自由であるべき私的な事項」です。これらは選考・面談の場を問わず禁止されています。
2点目は、「自社への志望動機」や「志望度の深掘り」「自己PRの強要」など、選考を前提とした評価質問です。応募前の情報収集段階にある候補者に志望動機を求めると「面接化」し、候補者が身構えて意欲低下や離脱に繋がるため、避ける必要があります。
カジュアル面談であっても、質問基準は正式な選考と同等、あるいはそれ以上に厳格に管理する必要があります。管理を徹底することで、企業の信頼性(コンプライアンス)の確保や選考担当者への不適切な情報の申し送りの防止につながります。
役職や年次を問わず、同席する社員全員がこの基準を共有しておくことが前提です。判断に迷う質問が出てきた場合は、自社の人事や法務に確認したうえで扱いを決めましょう。
質問のNG例や防止策について知りたい場合は、以下の記事もご覧ください。
参考:厚生労働省「採用選考時の基本的な考え方・公正な採用選考の基本」
面談後の記録と選考への引き渡し
カジュアル面談は、面談で得た情報を選考担当者に引き渡すところまでが、担当者の役割です。
当日中にお礼と次の案内を送る
カジュアル面談のお礼と、面談中に伝えた次のステップの再掲は、当日中に送ります。
連絡が遅れれば遅れるほど候補者の意欲や関心は低下し、選考への離脱につながりやすくなります。カジュアル面談は応募前の「まだ転職意向が固まりきっていない段階」で実施されることが多いため、面談後のタイムラグをなくし、熱量が高まっている当日中に次のアクションを提示することが重要です。
メールの送付はカジュアル面談を担当した本人が行うことで、面談時の対話内容をふまえた誠実なフォローができ、企業への信頼醸成につながります。
メールに書く項目の例は次のとおりです。
- 面談へのお礼
- 次のステップと期限
- 面談で答えきれなかった質問への回答
- 追加で確認したいことの受付
お礼だけで終わらせず、次のステップと期限を明記し、答えきれなかった質問があれば回答を添えます。追加の問い合わせを受け付けられるよう連絡先や返信方法も明確にし、口頭で伝えた内容と食い違いがないか送付前に見直しましょう。
カジュアル面談の記録を選考担当者に渡す
カジュアル面談の記録には、候補者の関心・懸念・伝えた情報・次のアクション・面談で出た質問と回答を項目立てて残します。項目例は下記のとおりです。
- 候補者が関心を示したポイント
- 候補者が挙げた懸念や気になる点
- 候補者に対して伝えた情報の内容
- 次のアクション(選考の案内・情報提供の継続など)
- 面談で出た質問とその回答
カジュアル面談の内容を記録に残す際は、評価や主観的な印象、合否判断を書かないことが鉄則です。「選考ではない」という候補者との約束を守るだけでなく、担当者の主観や曖昧な印象(「コミュニケーション能力が高い」「社風に合いそう」など)によるバイアスが、その後の選考評価に影響するのを防ぐためでもあります。
同席した現場社員からのフィードバックも含め、「候補者がどのような事実を発言したか」「どのような質問や懸念を示したか」という客観的な事実のみを箇条書きで正確に残しましょう。
記録の引き渡しがないまま面接を行うと、面接官が候補者の状況や過去の対話内容を把握できず、面談ですでに答えた内容を重複して質問してしまうおそれがあります。これは候補者に「社内で情報共有がされていない」という不信感を与え、志望度の低下や辞退を招く大きな要因です。
また、面談時の情報を正確に引き継いでおけば、面接官は共有された事実に基づいて深掘りすべきポイントを押さえられます。
記憶が鮮明な面談当日のうちに記録を作成し、面接前の準備段階で確実に共有しておきましょう。
まとめ
カジュアル面談は、単なる会社説明や選考の場ではなく、企業と候補者が対等な立場で相互理解を深めるための貴重な機会です。志望度向上や採用ミスマッチの防止につなげるには、実施目的を徹底し、事前の案内から当日の進め方、面談後の引き継ぎまでを型化しておくとよいでしょう。
また、良い面だけでなく業務の厳しさも誠実に伝える「RJP(現実的な仕事情報の事前開示)」を意識することで、入社後のリアリティショックや早期離職を防ぎやすくなります。評価や主観を排し、客観的な事実(ファクト)に基づいた対話と記録共有を行うことが成功の鍵です。自社の採用プロセスを見直し、候補者と信頼関係を築くカジュアル面談を実践しましょう。
カジュアル面談に関するよくある質問
カジュアル面談の進め方について、担当者からよく寄せられる質問をまとめました。
Q. カジュアル面談の所要時間はどれくらいが目安ですか?
A. 全体で30〜60分程度が目安です。面談時間が不足しそうな場合は、一方的な企業説明(会社紹介)を短縮し、候補者との質疑応答や疑問解消、次のステップの案内を最優先します。自社の基本情報や詳細資料は事前に送付・周知しておくことで補完できるためです。候補者の懸念や関心事を聞き出す「双方向の対話時間」を削らないよう、アジェンダの時間配分を柔軟にコントロールしましょう。
Q. カジュアル面談から選考に進んでもらうにはどうすればよいですか?
A. 候補者が選考進展を迷っている場合は、面談や事後のコミュニケーションを通じて「何に不安や懸念を抱いているのか」を丁寧にヒアリングし、個別に対応することが基本です。自社を過度に美化してアピールするのではなく、事実に基づいた具体的な情報開示を行ったり、同職種の現場社員との個別面談・小規模な座談会の場を設定したりすることで、候補者自身の疑問や不安を解消します。一律の会社説明を繰り返すのを取りやめ、個別の不安に寄り添った透明性の高い情報提供を行うことが、候補者の納得感と選考応募への意向醸成につながります。
Q. カジュアル面談は誰が担当するのがよいですか?
A. 担当者は固定せず、候補者の志望職種や年次、知りたい内容に合わせて選定するのが理想的です。特に候補者と近い職種・年次の現場社員が担当(または同席)することで、実務のリアルな情報共有がスムーズになります。また、候補者も比較的リラックスした状態でカジュアル面談に参加できるでしょう。
複数名で対応する場合は「人事が全体の進行管理・趣旨説明、現場社員が業務説明・質疑応答」と明確に役割分担しましょう。なお、担当社員には事前に「選考・評価の場ではないこと」「志望動機の深掘りではなく候補者の質問に答える役割であること」を周知し、面接化を防ぐための意識合わせを行うことが必須です。

