「適切な採用手法はどう選んだらよい?」とお悩みの採用担当者の方も多いのではないでしょうか。
採用手法は大きく12種類に整理でき、手法ごとに接触できる層や費用のかかり方が異なるため、自社の採用課題に合うかどうかで選ぶことが大切です。
本記事では、採用手法12種類の特徴とメリット・デメリット、費用のかかり方、新卒採用と中途採用での使われ方の違い、自社に合う手法の選び方を解説します。
採用手法とは
採用手法とは、企業が必要な人材と接点を持ち、採用に至るまでに用いる方法のことです。
求人サイトへの掲載のように応募を待つものから、スカウトのように企業側から声をかけるものまで、採用手法の選択肢は年々増えています。
採用手法ごとに、接触できる人材の層や費用のかかり方、社内で必要になる工数は異なります。
応募を待つ手法と企業から動く手法の違い
採用手法の種類は、応募を待つ受動型と、企業側から候補者に接触する能動型に大きく分かれます。募集人数や求める要件、社内で割けるリソースによって、適した型は変わります。
受動型の採用手法に当たるのは、求人サイトや求人検索エンジン、ハローワークなどです。
求人情報を公開し、条件に関心を持った求職者からの応募を受け付けます。1回の掲載で幅広い層に情報が届くため、募集人数が多い採用に向いています。一方、同じ媒体には競合他社の求人も並ぶため、知名度や条件で見劣りすると応募が集まりにくくなります。
能動型の採用手法に該当するのは、ダイレクトリクルーティングやリファラル採用、ヘッドハンティングなどです。
企業側が候補者を選んでアプローチするため、転職活動を始めていない潜在層にも接触できます。ただし、能動型の採用手法では候補者の選定やスカウト文の作成、社内への協力依頼といった作業が発生し、担当者の工数は受動型よりも増える傾向があります。
採用手法の見直しが必要とされる背景
採用手法の見直しが進む背景には、応募数の確保が難しくなっていることがあります。
レバレジーズ株式会社が実施した、新卒・中途採用に課題を感じている企業の担当者1,625名を対象にした調査では、応募者数の不足が45.2%で最も多く、採用コストの高騰が34.6%、面接官ごとの評価基準のバラつきが34.2%と続きました。

引用:レバレジーズ株式会社「新卒・中途採用におけるAI面接導入に関する実態調査」
応募者数の不足が最上位に来ている状況は、求人を出せば応募が集まるという前提が崩れつつあることを示しています。同時に採用コストの高騰も上位に挙がっており、費用のかかる手法だけに依存する運用は見直しの対象になりやすいといえるでしょう。
こうした環境では、1つの採用手法に絞るのではなく、かかる費用や接触できる層が異なる手法を組み合わせる考え方が現実的です。
自社の採用課題に合わない手法を選ぶと、費用をかけても応募が集まらない状況になりかねません。自社の課題がどこにあるのかを先に整理したい場合は、以下の記事で課題の特定方法を解説しています。
参考:レバレジーズ株式会社「新卒・中途採用におけるAI面接導入に関する実態調査」
採用手法12種類の一覧比較
採用手法は、求人媒体への掲載から社員による紹介まで、大きく12種類に整理できます。それぞれ接触できる層や費用のかかり方が違うため、まず全体像を押さえると比較しやすくなります。
なお、採用サイトや採用動画などの情報発信は、単独の採用手法というより、各手法で持った接点の理解を深める手段として位置づけられます。
ここでは候補者と接点をつくる方法を採用手法として整理します。
採用手法別の特徴とメリット・デメリット
12種類の採用手法は、接触できる層と工数のかかり方が異なります。
それぞれの採用手法の特徴・メリット・デメリットは下記の表のとおりです。
| 採用手法 | 特徴 | メリット | デメリット |
| 求人サイト | 求人情報を掲載して応募を待つ | 幅広い層に一度に情報が届く | 競合の求人に埋もれやすい |
| 求人検索エンジン | Web上の求人情報を横断して表示する | 自社サイトの求人も掲載できる | 継続的な情報更新が必要になる |
| ハローワーク | 公的機関を通じて求人を公開する | 掲載費用がかからない | 応募者の職種や地域が偏りやすい |
| 人材紹介 | 要件に合う人材を紹介してもらう | 候補者を選ぶ工数を抑えられる | 1人あたりの費用が高くなりやすい |
| ダイレクトリクルーティング | 候補者を選んで直接スカウトする | 転職潜在層に接触できる | 運用の工数とノウハウが必要になる |
| リファラル採用 | 社員に知人を紹介してもらう | 社風に合う人材と出会いやすい | 紹介数が社員の人脈に左右される |
| アルムナイ採用 | 退職した元社員を再び迎え入れる | 業務理解のある人材を採用できる | 対象者の母数が限られる |
| SNS採用 | SNSで発信して接点をつくる | 職場の様子を伝えやすい | 成果が出るまで時間がかかる |
| 合同説明会・転職フェア | 会場やオンラインで候補者と会う | 短期間で多くの人と話せる | 準備と当日対応の工数がかかる |
| ミートアップ・カジュアル面談 | 選考前に対話の機会を設ける | 志望度を高めやすい | すぐには採用につながりにくい |
| ヘッドハンティング | 専門会社を通じて特定の人材に接触する | 市場に出ていない人材に会える | 費用と期間がかかる |
| 人材派遣 | 派遣会社を通じて人員を確保する※直接雇用ではない手法 | 必要な期間だけ人員を確保できる | 直接雇用ではなく雇用形態が異なる |
このうち、アルバイト・パートの募集で使われる手法や、近年利用が増えている手法については、以下の記事でそれぞれ扱っています。
採用手法別の費用のかかり方
採用手法の費用のタイプは、主に掲載課金・クリック課金型・成功報酬・インセンティブに分かれ、費用が発生しないケースもあります。
掲載課金型は求人サイトなどが該当し、掲載期間に応じて費用が発生します。採用に至らなくても費用は戻りませんが、採用人数が増えるほど1人あたりの金額は下がります。
クリック課金型は、求人検索エンジンなどに適用されていることがあります。クリック課金型の場合、求職者が求人をクリックして詳細を見た回数に応じて金額が決定するケースが多いです。
成功報酬型は人材紹介やヘッドハンティングなどが該当し、採用が決まった時点で費用が発生します。採用できなければ支払いは生じない一方、1人あたりの単価は高くなりやすい傾向があります。
インセンティブ型はリファラル採用が代表例で、紹介した社員に報奨金を支払う形です。金額は自社で設計できます。
ハローワークや自社でのSNS運用のように金銭的な支払いが発生しない形もありますが、担当者の工数は必要です。
実際の金額にも手法による差があります。厚生労働省の委託調査によると、正社員1人あたりの平均採用コストは、求人サイト経由で28.5万円、人材紹介経由で85.1万円、スカウトサービス経由で91.4万円でした。同じ1人の採用でも、経路によって数十万円単位で変わります。
自社の採用単価の計算方法やコストを抑える具体的な進め方は、以下の記事で解説しているのであわせて参考にしてください。
参考:厚生労働省「採用における人材サービスの利用に関するアンケート調査 報告書(令和4年3月)」
新卒採用で使われる採用手法
新卒採用では、就職活動のスケジュールに合わせて、多くの学生と同時期に接点を持つ採用手法が中心になります。実務経験のない学生をポテンシャルで評価するため、接触の量を確保したうえで選考で見極める設計になりやすい点が特徴です。
新卒採用で主に使われる手法
新卒採用では、就活サイト・合同説明会・新卒紹介サービス・インターンシップ・スカウト型サービスの5つがよく使われます。
就活サイトは、3月の広報解禁以降にプレエントリーを広く集める主要な経路です。合同説明会は、自社を知らない学生と短期間で接点を持てる場として使われます。新卒紹介サービスは、条件に合う学生を紹介してもらう形で、自社の知名度だけでは母集団が集まりにくい企業でも一定数の候補者に会えます。
インターンシップは、業務を体験してもらいながら相互理解を深める手法です。学生との接点を早期につくれる機会となっています。スカウト型サービスは、プロフィールを登録した学生に企業側から接触する形で、ナビ媒体だけでは出会えない層にアプローチすることが可能です。
このほか、社員の人脈をたどるリファラル採用や、大学のキャリアセンターとの連携も採用手法の選択肢になります。新卒採用の手法について詳しく知りたい場合は、 以下の記事をご覧ください。
新卒採用ならではの留意点
新卒採用では、対応が特定の時期に集中するため、選考体制とセットで採用手法を選ぶ必要があります。
新卒採用は年度単位で動き、説明会や選考の対応が短期間に重なります。応募が増えるほど日程調整や合否連絡の負担も増え、対応が遅れると他社の選考に進んでしまう学生も出てきます。採用手法を追加するときは、増えた接点を処理できる体制があるかどうかもあわせて確認しましょう。
また、新卒採用では内定を出してから入社まで数ヶ月以上空くことも多いため、内定辞退が起こりえます。採用人数を満たすためには、接触数を増やす採用手法を強化するほか、学生に配慮した誠実なコミュニケーションとフォロー体制が必要です。
新卒採用で起きやすい課題と解決方法は、以下の記事で整理しています。
中途採用で使われる採用手法
中途採用では、必要な経験やスキルを持つ人に狙って接触できる採用手法が中心になります。欠員や増員に応じて通年で対応するため、募集のたびに要件を定義し、それに合う採用手法を選ぶ形が一般的です。
また、近年は人材不足に伴い、未経験者やポテンシャル層の中途採用へシフトする企業も増加しています。即戦力採用を基本としつつ、採用難易度が高い職種では未経験者を採用して育てる方針も選択肢になっています。
中途採用で主に使われる手法
中途採用では、求人サイト・人材紹介・ダイレクトリクルーティング・リファラル採用の4つが採用手法の主な選択肢になります。
求人サイトは、応募数そのものを確保したい場合に使われます。人材紹介は、要件に合う人材を紹介してもらえるため、候補者を探す工数を抑えられる点が特徴です。
ダイレクトリクルーティングは、データベースから候補者を探してスカウトを送る採用手法です。転職活動を始めていない層にも接触できる一方、候補者の選定とスカウト文の作成を自社で担うため、運用の体制が求められます。リファラル採用は、社員の紹介を通じて候補者と接点を持つ採用手法で、社風への理解がある状態で選考に進む点が特徴です。
管理職や専門職など、転職市場に出てきにくい人材を採用する場合は、ヘッドハンティングやアルムナイ採用も選択肢に入ります。
また、要件が曖昧なまま採用手法を選ぶと、十分な効果は得られません。求める経験やスキルを言語化してから採用手法を決める流れが基本です。
ダイレクトリクルーティングの進め方や費用の考え方は、以下の記事で解説しています。
中途採用ならではの留意点
中途採用では、候補者の多くが在職中であるため、選考のスピードが結果を左右します。
実際に厚生労働省の委託調査データでも、転職活動者の約半数(46.6%)が「在職したまま仕事を探している」状態であることが報告されています。
在職中の候補者は複数社の選考を並行して受けていることが多く、日程調整に時間がかかるほど他社に決まる可能性が高まります。書類選考や一次面接までの待ち時間が長い場合は、採用手法を増やす前に選考工程そのものを見直したほうが効果が出ることもあります。
選考工程を見直す際は、選考前のカジュアル面談の導入や面接日程の柔軟化(夜間・オンライン対応)などを検討することがおすすめです。面接日程の柔軟化は、AI面接を導入することでも実現できます。
当社が提供する「NALYSYS AI面接」は、AIが一次面接を代行する面接サポートサービスです。面接の日程調整から初期対応、スクリーニングを自動化します。選考をスピーディーに進められます。
「NALYSYS AI面接」の詳細は、以下のリンクから無料でダウンロード可能な資料でご確認いただけますので、ぜひご活用ください。
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また、中途採用でつまずきやすい点は、以下の記事で市場要因と自社要因に分けて解説しています。
参考:厚生労働省「採用における人材サービスの利用に関するアンケート調査 報告書(令和4年3月)」
自社に合う採用手法の選び方
採用手法を選択する際は、自社の採用課題に合うかどうかで選びます。
自社が採用活動において抱える課題とそれを解決するための採用手法がかみ合っていなければ、費用と工数だけが積み上がるため、注意が必要です。
採用課題別に見た手法の選び方
採用課題が応募数にあるのか、候補者の質にあるのかで、選ぶべき採用手法は変わります。
採用課題とそれに対応する採用手法・考え方は、以下の表のとおりです。
| 採用課題 | 向いている採用手法 | 考え方 |
| 応募が集まらない | 求人サイト、求人検索エンジン、合同説明会 | 接触できる母数を増やす |
| 要件に合う人材に会えない | 人材紹介、ダイレクトリクルーティング、ヘッドハンティング | 母数よりも精度を優先する |
| 入社後のミスマッチが多い | リファラル採用、アルムナイ採用、カジュアル面談 | 相互理解の機会を増やす |
| 採用コストが高い | リファラル採用、ハローワーク、自社でのSNS運用 | 外部に支払う費用を抑える |
| 選考に時間がかかる | ダイレクトリクルーティング、リファラル採用、合同説明会・選考イベント(即日面接) | 仲介を挟まず直接やり取りする |
適切な採用手法を選択することで、応募数や人材の質を確保できます。また、採用コストの最適化や採用スピードの向上、ミスマッチ防止にもつながります。
複数の採用手法を組み合わせる考え方
採用手法を組み合わせるときは、接点を増やす手法と、増えた候補者を見極める仕組みをセットで考えます。
接触数を増やす採用手法を追加すると、書類選考や一次面接の件数も比例して増えます。選考体制が変わらないまま応募だけが増えれば、対応の遅れや評価のばらつきにつながります。
採用手法を追加する判断をするときは、件数が増えた分の選考にかかる工数も考慮しましょう。
また、採用手法ごとに成果が出るまでの期間は異なります。求人サイトは比較的短期間で応募が集まる一方で、リファラル採用やSNSでの発信は効果が実感できるまでに時間がかかります。
これらの採用手法を組み合わせることで、短期の採用数と中長期の母集団形成を両立しやすくなります。
まとめ
採用手法は、応募を待つ受動型と企業側から動く能動型に分かれ、求人サイトやダイレクトリクルーティング、リファラル採用、SNS採用など、多くの選択肢があります。採用手法ごとに接触できる層や費用のかかり方、必要な工数が異なるため、名前と特徴を押さえたうえで比較することが出発点になります。
新卒採用では就職活動のスケジュールに沿って多くの学生と接点を持つ採用手法が中心になります。
中途採用では要件に合う人材へ狙って接触する採用手法が中心になります。また、近年では採用難易度が高い職種については中途採用においてもポテンシャル採用を行うことがあります。
採用手法を選ぶときは、自社の課題が応募数にあるのか、候補者の質にあるのか、コストにあるのかを先に整理しましょう。そのうえで、接点を増やす採用手法と、増えた候補者を見極める仕組みを組み合わせると、採用活動全体の成果につながります。
